最高に楽しいぼっち旅をしよう!台湾編

【真船佳奈】#6 目指せ台湾ビューティー!店員さんに「おまかせ」でカワイイは作れるか?〈後編〉【ぼっち旅】

telling,の人気連載「“親指レディ”OLサム子」の作者にして現役テレビ局員の真船佳奈さん。前回、NYへ一人旅した珍道中をつづり大バズした「ぼっち旅」の第2弾です。 台湾シャンプーにプロのメイクで華麗な変身をとげた真船さん。酒場に繰り出しナンパを待ちます。

●最高に楽しいぼっち旅をしよう! 台湾編

ファッションセンス、皆無

さて突然の告白をするが、私には「ファッションセンス」というものが皆無だ。
着ている服がダサすぎて「お願いだからその服を脱いでくれ」と当時の彼氏に頼み込まれ、テーマパークの真ん中で生着替えショーをやったこともある。
そんな私ももう29歳。最近はゾゾタウンの「ランキング」1位の服を買ったり、マネキンの服を上から下までとりあえず買うなどの対処法を身につけた。
今回は台湾のお洋服屋さんで店員さんにアドバイスを聞きながら、「台湾ビューティー」を完成させようと思う。

やってきたのは、どこかの駅の地下街。
あいにくの雨だったので、あらかじめリサーチしていた店ではなく、濡れずに服探しができる場所に変更。

本日の私のファッションはこちら。
テーマは"化けて出てきた桜餅"。「昨晩助けていただいた桜餅です」。
最近太りすぎて「ゆるっとした上着とゆるっとしたゴムのスカート」という、とろけそうなフォルムの組み合わせを200日連続で着ていることが悩み。
そんな悩みを解消してもらうべく、1店舗目へ。

全品600円の激安店でオススメされたのは

やってきたのは「8」というお店。8。

なんとこちら、どの服も190元(約600円)という激安ショップ!
こちらの小華柄ワンピースも600円!やすい〜!
ファッション迷子なので、私に似合いそうな服を店員さんにきく。
一瞬戸惑った店員さんだったが、その後すごいスピードでこちらの服を持ってきた。

パイナッポーである

なんかもっと素敵なワンピースとか、女の子らしいスカートとか、店内に商品は多数あれど、一瞬の迷いもなくパイナッポーと九官鳥の書かれたTシャツを出され、戸惑う。

「もう少し違うのがいいんですが……」とオロオロ伝えると、

パンツだけ別のものを出してくれた。

もうどうしたってこのパイナッポーTシャツは決定のようだ。

そんなに似合いそうなら仕方ない。上下お買い上げ。
こちらのお店には試着室はないので、ファッションショーは後ほど。

洋服を選んでくれた店員さんとは別の店員さんと記念写真。

帰り際、ショーウィンドウに飾られているパイナッポーTシャツを見つけた。どうやら看板商品らしい。誇らしく着ることにしよう。

胸元にスイカをはめこみたいセーター

2店目はさっきのお店から徒歩30秒くらいの場所にある、こちらのお店。

さっきのお店よりも年齢層が若干高めな印象。
ここでなら、私に似合うオトナ服が買えるのではないか!?

早速店員さんに「私に似合う服を教えて」とお願いすると、ノリノリで探し始めてくれた。台湾の若い女性はネットで服を買うことが多いらしく、実店舗でフルコーディネートを頼むことはあまりないんだそう。

少し迷っていた様子だったが、「これや」とばかりに頷き、一着の服を出してくれた。それがこちら。

胸もとに個性が光るピンクのセーターと、切りっぱなしデニムスカート!

台湾ではこのデザインのセーターが流行っているそうで、店員さんも「似合う」とべた褒めしてくれる。私はこんなに胸元を開けたことがないので、(このスペースにスイカを一切れハメて隙間を埋めたい……)と内心恥ずかしかったが、そんなに褒めてくれるなら大丈夫だろう。

いざ、ナンパ待ち

さて、いよいよ台湾フルコーディネートが完成。台湾ビューティーかというと首を縦に振りかねるが、いざ実践。おしゃれなお店に移動して、台湾男子から声をかけられるか試そうと思う。

「もういいよ…わかったから」という声が聞こえてきそうだが、まず一着目はこちら。完成した台湾ビューティー風の姿がこちら。

<1着目>胸もとに余裕を持った大人の甘辛ミックスコーデ

袖口の広がり具合が女性らしいセーターに、切りっぱなしにもほどがあるレベルに切りっぱなしのデニムスカートを合わせた大人の甘辛ミックスコーデ。

胸が大きい子だったら谷間がのぞいちゃったりしてセクシーなのかもしれないが、私の谷間は呼べども呼べども一向に姿を表す気配はない。

そして2着目がこちら。

病院から抜け出してきた人である。

パンツのウエストもゴムでできており、伸縮性ばっちり。

何と言ってもね、この九官鳥とパイナップルっていう組み合わせがいい。意外なかけ合わせでファッションってのは生まれるからね。知らんけど。

というわけで、ヘア・メイク・ファッション全て仕上がった状態でお店で待つこと1時間。
台湾メンズから声はかけられるのか……

結論:モテない。

初台湾でのナンパの嵐はなんだったのか

通訳さんから聞いて判明したのだが、台湾の男性はそうそう女性をナンパしたりしないらしい。どうやら私が「モテている」と感じていたあの名刺攻撃は、「ゲストハウスの呼び込みではないか」ということであった。
どうせだったら「台湾だったら私の顔、爆モテする」と勘違いし続けて、希望を持ったまま人生を終えたかった。

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次回は高級スパでガチガチに凝り固まった、身体とスパへの偏見をほぐします。

テレビ東京社員(現在BSテレ東 編成部出向中)。AD時代の経験談を『オンエアできない! 女ADまふねこ(23)、テレビ番組作ってます』(朝日新聞出版)にまとめ、2017年に漫画家デビュー。ツイッターアカウントは@mafune_kana
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