「29歳問題」について取材に応じた勝間和代さん
「29歳問題」という問題

勝間和代さん「29歳は10年に1度の締め切り効果で集中力が増す時」

「30歳までに○○」と焦り、失敗する「29歳問題」。“いつ”するのが最良かを科学的に分析した『When 完璧なタイミングを科学する』(講談社)の中では、各世代の最後の年齢となる「9エンダー」は張り切りやすいと著してあります。監訳した勝間和代さん(50)に、科学的には29歳をどう過ごすのがベストなのかを聞いてきました。

●「29歳問題」という問題

宿題を終えずに迎える8月31日みたいなもの

――監訳された本『When 完璧なタイミングを科学する』の中で「年代の最後の年に達したとき、何かが彼らの思考を揺り動かし、行動を変えた」とあります。29歳も特別な年になるのでしょうか。

勝間和代さん(以下勝間): 29、39、49……と「9エンダー」になるとその年代の「終了」が見えてきて、焦り出す。本の中でも「29歳で初めてマラソンに参加する人の割合が多い」というデータを示しています。

時間的ランドマークなんでしょうね。30代という、新たな目的地が見えて、何かを始める良いきっかけになるんだと思います。特に、29歳は初めて意識的に過ごす「9エンダー」なので、思い入れも強いのかもしれません。

――焦ってしまうのは仕方がない、ということでしょうか?

勝間: そうですね。夏休みの宿題を終えないまま迎える8月31日にみたいな感じでしょうか。9月1日になると「なんであんなことに焦ってたんだろ」ってなるんでしょうけど。

でも、せっかくのタイミングなので、何かを始めたらいいと思います。ただ、それは、やってみたかった習い事とか趣味とかの話で、一生を左右する結婚はこのタイミングで決めるべきではないと思いますね。

「29歳までに結婚」昭和の終わりに生まれた人の感覚かも

――勝間さんの29歳の時はどうでしたか。

勝間: 30歳で3人目の子どもを産んでいるので、妊娠中だったかもしれない。マッキンゼーに入社したばかりで、子育てとの両立もあり、忙しくてそれどころじゃなかったですね。結婚については、当時は24歳がピークという「クリスマス説」が主流だったと思います。

そこも、10年ごとに常識って変わっていく。「29歳までに結婚しなきゃ」なんて昭和の終わりに生まれた人たちの感覚かもしれないですしね。

「29歳問題」について取材に応じた勝間和代さん

――結婚するには、男性に選ばれなければならない、そうなると、若い方が有利だって思う気持ちもあるみたいです。

勝間: 条件がいいうちに、って思うんでしょうね。20代の中でも29歳よりも25歳の方が有利になっちゃう。それは、本能だから仕方ない。20代の方が妊娠できる可能性が高いので、どうしても20代に引きつけられるようになっている。でもそれは、女性も同じ。おじさんより、若い男の子が好き。ただ、男性の場合は経済力も加味されるので、年齢でバランスがとれるんでしょうね。つまり、男性も若い金持ちが一番もてますよ、当然。

そういう意味で、30歳をすぎると「若ければいい」っていう男の人は寄ってこなくなるのがメリットかもしれません。

――メリット?

勝間: 「若ければいい」と選ばれたって、絶対に年齢はとるわけですからね。そうなると、また別の若い女のところにいく。それはやむを得ない。30歳をすぎるとそういう男性を避けることができると思います。

「29歳問題」について取材に応じた勝間和代さん

人生100年時代からしたら何もかわりません

――そもそも、結婚する必要ってありますかね?

勝間: 私はあると思いますよ。人間は衣食住足りていれば満足っていうものでもないですからね。

生活するだけなら、発達した家電とコンビニがあれば、一人で生きていけますからね。でも、人間は「おいしいね」と一緒に言い合える生活共同体が必要。それはコンビニの店員さんは担えないですからね。

中長期的に見たときに、結婚制度によって結ばれたパートナーは必要。50代になると、まわりに既婚者しかいなくて、パートナーになるのは難しいでですからね。

困ったときに、親身になって相談をするというのは同性の友人でもできないことはない。だけど、相手に子どもや夫ができたら、独身の友人を優先することはできないですからね。

29歳で結婚しようが、30歳で結婚しようが、人生100年時代からしたら何もかわりません。残り71年か70年か、全然大差ない。

人間が一番学習するのは失敗した時

――29歳。どうやって過ごすのがベストですか?

勝間: 10年に1度の締め切り効果で集中力が増す時。新しいこと、ポジティブなことに利用したらいいんじゃないかな。マラソン、料理教室、話し方教室、英会話……。新しいことを始める年にしてほしいなと思います。

それから、年を重ねることを恐れないでほしいですね。人間が一番学習するのは失敗した時。29歳には29歳の失敗と情報量しかないけれど、私は50歳なので、その1.5倍、賢い判断ができるはずなんですよね。

私なんか10年前に戻ってやり直せるって言われても、面倒くさすぎていやですよ。これからの10年も「戻りたくない」って思えるような、中身のつまった10年を送りたいです。とはいえ、人生100年時代。この10年もたいしたことないのかもしれませんが(笑)。

続きの記事<「結婚しないの」と聞かれ続け…「30歳の壁」に振り回された女子の本音>はこちら

When 完璧なタイミングを科学する

著:ダニエル・ピンク 訳:勝間 和代

  • ●勝間和代さんプロフィール
    1968年東京都生まれ。経済評論家、中央大学ビジネススクール客員教授。現在、株式会社監査と分析取締役、国土交通省社会資本整備審議会委員、中央大学ビジネススクール客員教授として活躍中。
telling,の妹媒体?「かがみよかがみ」編集長。telling,に立ち上げからかかわる初期メン。2009年朝日新聞入社。「全ての人を満足させようと思ったら、一人も熱狂させられない」という感じで生きていこうと思っています。
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。 コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。
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