ウェブデザイナー・ライター(38歳)

「バツ2」の今が一番幸せ。やっと少し、自分を信じられるようになってきた

ウェブデザイナー・ライター(38歳) ウェブデザイナーで、最近はライターとして取材もこなしてもいるという彼女。2度の離婚経験者でもあります。北陸はどちらかといえば保守的な土地柄で、離婚率は低い傾向にある中、「金沢シングルマザーの会」を立ち上げたそう。WEBで自身の経験を積極的に発信し、ネットワークづくりを進めています。「何が離婚の原因だったか、今なら分かります……」。前向きな言葉を選び、自分に言い聞かせるように語る姿が、印象的でした。

「今、楽に生きられている」と思えるようになりました

私は、いつでも「楽しい」「何とかなる」と思っています。2度目の離婚から1年以上がたち、「今、楽に生きられている」と思えるようになりました。そういう人が増えてほしいとも思います。

楽になったきっかけは、何だったのかな……。いろいろな人との出会いで少しずつ変わってきたと思うけれど、何か特別な出来事があったというわけではないのです。自分の考え方をちょっと変えただけ。1年間かけて変わることができたように思います。

やっと少し、自分を信じられるようになってきたとでも言えばいいでしょうか。シングルマザーになってみたら意外と楽しい。気楽でいいなと思う。しかし、世の中ではそういう生き方が、あまり知られていないし、「かわいそう」と思われている気がします。

20代と30代に経験した夫婦の関係性は、全く逆だなあと思います

関東の出身です。最初に結婚したのは20歳で、離婚は28歳。2度目の結婚は30歳で、離婚が37歳。だから友達から「じゃあ次は40歳で結婚するんじゃないの?」なんて言われています。そんなにうまく、「うまく」って言っていいのか分かりませんが……、それはないんじゃないかなあ。

2度の離婚について原因を振り返ってみたんです。20代と30代に経験した夫婦の関係性は、全く逆だなあと思います。最初の夫は高校時代から付き合っていた人。兄のような存在で、いろんなことを教えてくれました。「私のためを思って、言ってくれている」と思うと頼もしかった。けれど、それが「上から言われている」と感じたころからうまくいかなくなったのです。

最初の結婚で息子を1人授かりました。離婚をした後、「シングルマザーが子どもを育てたら、子どもが不幸になる」と思い、息子を置いて家を出ました。夫の家はしっかりしていて、息子は義理の母にもなついていました。だから子どもと別れることを選んだ。今でもその選択は、間違いではなかったと思います。

2人目の夫は、私の方が「こうしたら……」と助言するような関係でした。でも、なかなかそれを受け入れてくれなかったのです。真逆ですね。2度目の結婚で授かった息子については、「今度こそ私が、自分で子どもを幸せにしてあげよう」と思うことができました。離婚して今、一緒にいます。

長男と次男を会わせたいと思うけれど、夫の実家はどう思うのでしょうか

次男には「お兄ちゃんがいる」と話してはあります。長男と次男を会わせたいと思うけれど、夫の実家はどう思うのでしょうか。まだ、会う機会は持てていません。

仕事はウェブデザインがメインです。必要に迫られてライターもするようになりました。今、取材を受けていますが、取材をするのも好きですよ。カルチャースクールでネットショップ講座や、シニア向けパソコン教室の講師も務めています。いろんなところからお声掛けをいただけるようになってきました。パソコンを扱うことはずっと好きだったので、続けてきてよかったです。

仕事の打ち合わせに息子を連れて行くこともあります。「ママは、いろんなことを教えてくれるから、みんなママが好きなんだよ」と言ってくれている。子どもは私が仕事をすることを理解してくれているのだなと思うと、うれしいです。

会を作った理由は、集めた情報を共有したかったから

「金沢シングルマザーの会」をつくった理由は、集めた情報を共有したかったからです。学校の制服のリサイクルや、勉強への支援などシングルマザーが必要としている情報の多くは、見つけるまでに時間がかかりました。また、制度を使ってみても意外に不便だったり、もっといい方法があったりもする。だからこそ、1カ所に集めた情報を共有していけたらと思ったのです。

「シングルマザーは不幸だ。子どもを不幸にする」という思い込みから、自分を責めてしまう人がいます。だから、離婚をするかどうか悩んでいる人、離婚した後も悩んでいる人の気持ちが、少しでも楽になればと思っています。シングルマザーだからできること、シングルマザーならではの楽しいことを実行し、「シングルマザーって不幸じゃないんだよ」ということを伝えたいと考えています。

「金沢シングルマザーの会」でイベントやビジネスを企画したところ、いくつかスポンサーに名乗りを上げてくださった企業があります。今、自治体などから補助金を獲得できるよう、仲間と話し合っているところ。そうすると、シングルマザーという視点だけではなく、「地域のために何かをやる」という発想も必要になります。これ、大事ですよね。

「バツ2」の今が一番自分らしくいられて幸せです。これからですね、これから……。

石川県金沢市にて

北陸に拠点を置く新聞社でスポーツ、教育・研究・医療などの分野を担当し2012年に退社。現在はフリーランスの記者として雑誌・書籍などに執筆。

Pick Up

ピックアップ
【パントビスコ】私35歳、8歳年下との結婚ってどう思いますか?
テリやきテリ世の甘辛LINE相談室
【パントビスコ】私35歳、8歳年下との結婚ってどう思いますか?
ヒント 恋愛
不妊治療を始める前に知っておきたい「特別養子縁組制度」 産むとは、育てるとは
産婦人科医・高尾美穂さん×アクロスジャパン・小川多鶴さん
不妊治療を始める前に知っておきたい「特別養子縁組制度」 産むとは、育てる
家族のかたち 妊活 子育て