婚活をナナメから見る 

婚活で自分の“市場価値”と向き合うにはどうすればいい?

婚活中の多くの方が悩むのが、「自分は婚活市場でどう評価されるのか」ではないでしょうか。タイプでない人ばかりからアプローチされる、まったくモテない……なかなか人に相談しにくい部分でもあります。婚活中の人たちは自分の市場価値をどう見極め、どう向き合っているのでしょうか。現在婚活中だという女性、E子(32歳)に話を聞きました。

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自分が有利になる場所を探して

E子は事務職の正社員。26歳ごろから何度か合コンに参加していたけれど、次第に自分が合コンの場に向かないことに気づいたという。自分の学歴や外見ではあまりうまくいかないと感じた彼女は、フィールドを変えることにした。
29歳で結婚相談所に登録。ここから彼女は自分自身の価値の高めるーーいわば“自分をマーケティングする”ことを意識するようになった。プロフィール上で公表する年収は過去“最低”の金額を記入し、敬遠されないように気を遣った。高学歴の女性だけが登録できる結婚相談所に入ることも検討し、「自分が有利になる条件を探した」と話す。

婚活パーティにも計20回ほど参加したけれど、ここでは参加者の条件を吟味したそう。パーティごとに参加できる年齢が制限されていることが多く、
「たとえば25~32歳の女性限定、というパーティは私には不利ですよね。自分より年上の人が多い方が私の印象が若くなるので、そういう場を探します」

現在の状況はといえば……、彼ができたとのこと。婚活は順調なようで何よりだ。
でも、自分のマーケティングってしんどくなったりしない? と疑問をぶつけてみると、「そこは割り切ってやりました」。

「そもそも結婚ってそういう側面があるんじゃないですかね」と彼女。
「学生時代の私は男勝りなところもあって、よく、男の人と対等に議論していました。社会に出てから、自分の女性的な側面を見せることに対してためらいがなくなった感じがあります」 

婚活には積極性が必要?

今回、話を聞いて感じたのは、彼女がとても賢くて、タフで柔軟だということ。社会の現実を見抜き、その中でどう立ち振る舞うかを戦略的に考えることができるE子。彼女をかっこいいと思うと同時に、私だったら途中で自信をなくしてしまうかもしれないな、という感想を持った。以前取材したB子は、婚活は就活みたいだと話していたけれど、うまくいかない時にポジティブな気持ちを持ち続けることはなかなか難しい……。

みんな、どうやって婚活を乗り切るの? を知るべく、婚活パーティや結婚相談所を主催するIBJ社に聞いてみた。
「婚活をしていてなかなか前向きな気持ちになれない人でもうまくいくのか?」との質問に、「やはり積極性は重要です」との回答……。それはそうですよね。

いわく、「前向きで積極的な方は、恋人が出来る可能性や結婚が早まる可能性は十分にあります。前向きな気持ちになれないという方は、モチベーションによっては途中で婚活を止めてしまう可能性があるからです。しかし、継続的に異性と会うことで、恋人ができる方は沢山いらっしゃいます。そのために、ご自身に合った婚活をすることがとても大切です」

“自分に合った婚活”……。それができればみんな苦労しないと思う、という言葉を飲み込んだところで、もう一つ重要な示唆が。

「相手を品定めするような気持ちではなく、ご自身の市場価値を確認することも大切です。ご自身の市場価値(=客観的立場から自身を見つめる)を認識し、受け入れることが大切です」

まさにE子。ウケの良い自分を装う、我慢する、と思うとなかなか辛い。相手を思いやりつつ自分のプラスの側面を表現していけば、活路が見いだせるのかもしれない。

自分に合った婚活とは?

さらには、

「大人数が苦手な方であれば、個室でお話しする形式の方が、より自身の個性を出すことができます。パーティでカップリングしても、その後が上手く続かない方は、出会いから結婚までサポート体制が整っている”結婚相談所”に切り替えて、専任の仲人にサポートしてもらう、という選択肢もあります」(IBJ社)

「悩みに一緒に向き合ってもらうことでモチベーションを高め、結婚に導いてもらえます。前向きな気持ちになれないと感じている方でも、ご自身にあった婚活スタイルを見つけることで、婚活が成功する可能性は十分にあります」

やはりE子のように、自分に合う場所を見つけることが大事な模様。

ここで気になったのが精神面のサポート。後編は、個人に応じてより繊細な部分をサポートする「結婚相談所」での婚活について考えます。

続きの記事<「結婚相談所」を介してみるという選択>はこちら

フリーランスライター。元国語教師。本や人をめぐるあれこれを記事にしています。
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