水曜日のカンパネラ・コムアイ「天職について考えていない」

10月1日、渋谷WWX「Beyond Pop Supported by Pringles」のステージに登場した音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」のコムアイさん(26)。今年でデビュー6年目。最近ではテレビや映画に出演するなど、活動の幅を広げています。「歌」を核としながら、変化し続けるコムアイさんに「変化を楽しむコツ」をお聞きしました。

――コムアイさんにとって「歌」とはなんでしょう?

 歌を始めた頃は、他に向いてるものもあるんじゃないかって、自分にとっての天職について考えてたこともありました。でも、今はその時間って無駄だったなと思うんです。試してみないとわからないし。

 歌は私にとって「瞑想」みたいなものかもしれないです。歌っている間に、いろいろなことを思い出して、自分をカウンセリングしています。結構重要な決断もしちゃってますね。

 クラブで踊っている時も同じ。まったく人としゃべらずに、何時間も踊っているときもあります。自分と向き合う時間。自分がどうなりたいか、何をしたいかが浮かび上がってくるんです。

 ライブも同じ効果があるような気がします。私が「いいライブができたな」と思うときは、私の後ろに何百世代前から続いてきた”命の鎖”みたいなもの見守ってくれて、一緒に話してくれている感じがするんです。そんな時空や個々を越えた”一体感”をめざしてライブをしています。

自分の中の変化に敏感に

――最近ではテレビドラマや映画にも出演なさっています。歌以外にもいろいろと挑戦されているのは、なぜですか?

 レギュラーの仕事を続けていくことが苦手で、飽きてしまう。自分の中で色褪せてしまうんですよね。歌はよく続いているなって思うくらい。逆にようやく始まったのかもしれない。
 でも歌が天職とも思っていないんです。

 服の趣味や聴く音楽が変わるように、気分って変わっていくじゃないですか。例えば、インスタでチェックしているジャンルや人も、時期によって変わります。気になってる”エリア”が変わる、それを重要だし、ポジティブな変化だと捉えています。
 「なんとなく自分の中でコレがアツイ」。これがまさに、仕事になっていくと思うので、自分の気分の変化を無視できないんですよ。

――変わっていくことに不安はないですか?

 自分が変化を求めて別のステップに進むことにはポジティブなんですけど、そのときに一緒にいてくれた人との別れはつらいですね。それも自分で決めたことであっても。

 別れに対して、重たく考えないようにしています。例えば恋愛だと、どちらにも別れの理由がある。どっちが振った、振られたっていうのがない。
 仕事も平等だと思うんです。もっと相性のいいタッグが組めるかもしれないし、しばらく距離を置いて、またパートナーに戻るかもしれないし。別れを選ぶことが「優しくない」とは思わなくなりました。

 ずっと人間関係の「核心」にせまるようなコミュニケーションが苦手だったんです。でも、今はそういう初歩的なことを意識的にやってます。学生のときにしておけばよかったんですけど、今になってどうしても必要になってしまって。

”あっぷあっぷ”のその先に

――「このままでいいのかな」と思いながらも、変化を恐れている人も多いと思います。何かアドバイスはありますか。

 私の場合、歌も5年続けたことでやっとしっくりきたというか。自分にとって5年という時間が、自分から仕事をおもしろくできるようになってくるタイミングな気がします。

 営業でも、郵便局員でも、ホステスでも、ティッシュ配りでも、どんな仕事でも、何年かするともっと工夫して仕事をするようになるのではないでしょうか。目の前の仕事に追われる時期が終わり、もっと広い視野で仕事を見られるようになる気がする。
 もう少し先の未来のことや、業界、社会全体のこととか。

 もし、葛藤があって、続けるかどうか迷っているなら、”あっぷあっぷ”が終わるまで待ってみてもいいんじゃないかな。”あっぷあっぷ”が終わったときの気持ち良さってあるから。私の場合、それでようやく始まった感じがしてます(笑)。

●コムアイさんプロフィール
音楽ユニット水曜日のカンパネラの「主演/歌唱」を務める。2017年ワーナーミュージックより「SUPERMAN」でメジャーデビュー。また、音楽活動以外にもCM出演、映画・ドラマ出演など活動は多岐に渡る。現在は国内4都市、他アジア6都市を巡る「ガラパゴスツアー」の真っ最中。
http://www.wed-camp.com/

  • ●Beyond Pop Supported by Pringles
    POPを超える(Beyond Pop)と称された本イベントに、m-flo、水曜日のカンパネラ、chelmicoWONKなど、豪華アーティストらが一挙集結。
    今回のイベントをVR体験できるプリングルズ・バーチャルライブのキャンペーンも12月から開始予定。
    http://virtuallive.pringles.com/
現在肩書き無し。30歳の夏、港区での彼氏との同棲を解消、同時に8年マネージャーとして勤務した芸能事務所を退社する。ライター業ではお笑いやサブカルチャーに関するコラムをwebサイトに寄稿など。