私らしい“結婚”

婚外交渉OKの夫婦に聞く「いろんな男性を知った上で旦那に思うこと」 

言わずもがなですが、既婚者はパートナー以外との恋愛はダメ、絶対。一方で、「一人の人を一生愛し抜くなんて、不可能。結婚制度に無理がある」という意見もあります。そんな中、「ナンバーツー、スリーがあるからナンバーワンの素晴らしさがわかる」といい、「婚外交渉OK」としているご夫婦がいます。オープンマリッジと呼ばれる“結婚”の形を聞きに行きました。

私らしい“結婚” ―オープンマリッジ 七瀬結さん(40) 

オンリーワンよりナンバーワン

――ご夫婦の出会いを教えてください。

2人とも芸能関係の仕事をしていて、仕事仲間の飲み会で出会いました。夫(48)は「女は芸の肥やし」という考え方で、私も「一人の男性で落ち着くタイプじゃない」と公言していました。お互いの利害が一致して、すぐにお付き合いになりました。6年間交際して、1年半前に結婚しました。

――他の人にとられるかも、という心配はないんですか?

だからすごく努力しますよ。料理も下手だったんですけど、ご飯を食べに家に帰ってきたいと思ってもらえるように練習しました。

私たちにとって、お互いは「オンリーワン」の関係じゃなくて、「ナンバーワン」の関係なんです。旦那さんしか知らないより、いろんな男性を知った上で、「やっぱりあなたが一番ステキ」って言い合える方がすてきじゃないですか。ナンバーツー、ナンバースリーがあるからこそ、ナンバーワンの素晴らしさに気づけると思うんです。

オンリーワンこそが尊いと、束縛し合っているのは自信がないからなんじゃないかなって思います。束縛しあわないのは、相手を信頼できるから。何があっても、相手が自分のもとに帰ってくるという自信があるからだと思います。

――嫉妬したことは一度もないんですか?

実は一度だけありました。付き合い始めて2年目くらいの時に、私がナンバーツーに落ちてしまうんじゃないかと不安になって、旦那とけんかしたことがありました。でも、それは私の勘違いで、旦那にとっては完全な遊びだったんですよね。そこがわからなかったのは、私の心に余裕がなかったから。そのころ仕事がうまくいってなかったのも関係していると思います。

これまでは「何をしたの? 気持ち良かった?」と、他の女性とのことを全部聞いていたんです。でも、それが苦しい原因だと思ったので、この時から全部こと細かに聞くのはやめました。

満たされない思いは外で満たす

――ナンバーワンと自信を持てるのはなぜでしょう?

彼は外食が嫌いなので、絶対に家に帰ってくるんです。それを見ていると、彼の居場所はここなんだなっていう安心感はあります。

だから、私は彼にとって居心地のいい家にすることに力を尽くしています。例えば以前、会社のストレスで、家で愚痴ばかりを言ってることがありました。それを聞いた旦那から「会社を辞めるか、愚痴を言うのをやめろ」と言われました。それから、会社の愚痴を一切言わないようにしました。

――自分の夫に仕事の愚痴、聞いてほしくないですか?

それは、他の男性に言えばいいと思ったんです。仕事のことなら、経営者の男性にお話を聞いてもらったほうが建設的ですし。何もかも旦那に話して、わかってもらう必要はないですよね。どんな相手でも、100%を満たしてあげるのは無理。お互いに欠けているところを外で補って、一番いい状態で相手と向き合えればいいのかなと思っています。

セックスと恋愛は違う

――旦那さんと出会う前から、束縛しあわない恋愛スタイルなんですか?

恋愛は付き合っている人としかしていません。これまで何千人とセックスしてきましたが、恋愛をしたのは10人もいないですね。

私は13回はしたい人なんですが、これを3カ月続けると、男の人は「無理だ」ってなるんですよ。だから、この形を認めてくれる人としかお付き合いできないんです。最初は「浮気OKの都合のいい女がいた」って思うんでしょうが、結局は束縛したくなっちゃうんでしょうね。そうすると、お別れになります。このままの私を認めてくれる人じゃないと関係は続かないので。

――周りから何か言われませんか?

親しい友人は私のことをわかってくれているので、何も言いません。家族もそうですね。他人にはいちいち説明することでもないのかなと思うので言っていません。

――法律上の結婚をしたのはなぜでしょう?

名字を変えたくなかったし、親戚づきあいもしたくなかったので、事実婚がよかったんです。でも、私が結婚した1年半前は事実婚が一般化していなかったので、選べませんでした。子どもも欲しくて治療もしたけど、今はもう諦めました。紙切れ一枚だとは思うけど、彼と一生を添い遂げたいという思いを形に残すのも悪くないかなって。それもナンバーワンの特権なのかなと思っています。

旦那は元ミュージシャンで、かっこよくて、おしゃべりも上手で、とってもモテる人なんです。そんな人の妻でいれることは誇りだし、ずっとナンバーワンでいれるように努力し続けようと思っています。

telling,の妹媒体?「かがみよかがみ」編集長。telling,に立ち上げからかかわる初期メン。2009年朝日新聞入社。「全ての人を満足させようと思ったら、一人も熱狂させられない」という感じで生きていこうと思っています。
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。 コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。
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