私らしい“結婚”

今どきの結婚式のトレンドって? プロが語る、多様化する“結婚”

ウェディングプランナーとして、国内外の著名人などの結婚式もプロデュースしている野上ゆう子さん。事実婚や同性婚など結婚の形が多様化している今、結婚式も変化しているといいます。今の結婚式のトレンドから、“結婚”のあり方について考えました。

●私らしい“結婚”

形式にこだわるよりも、自分たちらしい式にしたい

――事実婚や同性婚など結婚の形も多様化していますが、結婚式も変化していますか?

野上: 10人いれば、10通りの形の結婚式がありますね。以前は式場で、決められたプランから選ぶことが主流でした。今は、既成概念にとらわれず、自分達の好きな価値観で、自分らしい式を挙げたいという方が増えています。

会場も招待客も、進行もすべてオーダーメイド。キャンプ場などでフェスのような式を挙げるカップルもいます。招待客に関しては、会社の人を呼ばない方や、呼んでも円卓ではなくロングテーブルにして、上座・下座という概念を設けないようにする方もいます。以前は上司にご自身の奥様を紹介したり、今後の昇進を視野に入れて会社の人とつきあったりと、会社に気を遣う場面が多かったと思うんです。現代では、人や会社との関係性も変わってきたのかもしれません。男性の同性婚のカップルの式をお手伝いしたこともありますよ。

野上: 私自身、結婚式は山梨の美術館を貸し切って行いました。私の友人にも結婚式関連の仕事をしている人が多いので、一般的な結婚式はもう飽きているのではないか?と思い、思いっきりこだわって創りました。「こんなウェディングもあるんだよ」と表現できる場にもなったかなと思っています。

人間関係のカジュアル化で、結婚式も変わってきた

――家同士の結婚、会社への挨拶、みたいな側面は減っているんですね。結婚式のトレンドにも変化はありますか?

野上: 最近は、カジュアルな雰囲気を好む方が多いように思います。厳粛な場所で固い挨拶を聞き、決められたコース料理を食べるのは疲れる。それよりも、もっと気軽に皆で楽しみたい、楽しい空間にしたいとおっしゃる方が増えてきています。

今まで定番とされてきたキャンドルサービスや、ご両親への手紙は今も健在ですが、お二人にとって本当に必要なものかどうかを一緒に話し合い、ご納得された上でご判断される方も多くなっています。

反対にインスタ映えするものは注目を浴びていますね。ケーキ入刀は見せ場ですし、撮り方や角度にこだわる方も。キャンドルサービスをやめて、会場内にフォトブースやフォトプロップスを設置する場合もあります。その日用のハッシュタグを作成し、撮った写真を共有される方が多くいらっしゃいます。

その他、ご新婦のお色直しドレスは、定番であるカラードレスではなく、2着目にも白いウェディングドレスを着たいという方も徐々に増え始めています。カラードレスよりも、ウェディングドレスのほうがかわいい。お色直しに似合うか不安なカラードレスを着るなら、もう1着白いドレスがいい、という考えです。

海外挙式をしたいという希望を承ることもあります。国も、ハワイやバリなどの定番の地から、ナパバレーなど様々。離島をご希望されるお客様もいらっしゃいました。

結婚式をしようか迷っているなら、絶対にしたほうがいい

――自分らしい結婚式を挙げる方々が増える一方で、結婚はしても、式を挙げない方も増えています。

野上: 年齢が何歳であろうと関係なくて、迷っているなら挙げた方がいいと思います。生きていくなかで、お祝いされたり感謝を伝えたりする場って意外と少ないんですよ。パーティ文化のある国ではないですし。

後から結婚式を振り返ったとき、あの人はこんなふうに参加してくれたな、助けてくれたなって思えることが、今後の人生の中で周りの人に何かを還元していくポイントにもなると思います。実際、始めは迷っていたけど式を挙げて良かったという方が100%なんですよ。

野上: 自分が主役になるのは苦手という方もいますが、今は結婚式の選択肢が増えています。肩ひじを張らないレストランで、親しい人と食事するだけ、とか、司会者を立てずに簡単な立食パーティするのもいいですし。

今って“結婚式はこうあるべき”ということがないんです。自分がつらくない範囲でやってみたらいかがでしょう。結婚式が人と人を結んでいく、いい機会にもなるといいですよね。結局、最後は人だと思いますから。

●野上ゆう子さん プロフィール
ウェディングプロデュースを行う株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ(T&G)のトップウェディングデザイナー。会場も含め、ゼロからプランニングするプロデュースチーム「Haute couture Design(オートクチュールデザイン)の発足メンバーとして、国内外の著名人ウェディングを数多くプロデュース。私生活では自身も数年前に結婚。2014年にはT&G初のドレスショップ「MIRROR MIRROR」の立ち上げにも携わる。

東京生まれ。千葉育ち。理学療法士として医療現場で10数年以上働いたのち、フリーライターとして活動。WEBメディアを中心に、医療、ライフスタイル、恋愛婚活、エンタメ記事を執筆。
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。 コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。
私らしい“結婚”