私らしい“結婚”

無理しない婚の秘訣「他者の“普通”を持ち込まない」

出会って30分で結婚を決め、3回目のデートで親に挨拶をし、8回目のデートで同棲スタート。そして3カ月で結婚したれのれのさん(32)とシムさん(36)夫妻。結婚生活ももうすぐ8年を迎えようとしています。後編ではその理由を探ります。

●私らしい“結婚”――無理しない婚〈後編〉

お互いにメリットを享受しあう関係

――ご結婚なさって、7年半。一度もケンカがないということですが、夫婦円満の秘訣はなんでしょう?

シムさん(以下シム) 利害関係でつながっているからですかね。契約結婚に近いかもしれません。お互いに相手のメリットを享受しあう関係。それから、リスペクトしあう関係。彼女は結婚前に「シムちゃんが望む家事をやります」と言ってくれていて、それを今でも実行してくれている。本当にすごいと思うし、感謝しています。

れのれのさん(れのれの) 恋愛のような「なんかわかんないけど大好き!」というのではなく「こういう条件が私にとってはメリットです」という関係なので、そこは崩さないように努力しています。めちゃめちゃ楽な生活をさせてもらっているので。

「してあげた」って何でいうの?

――「養ってあげてる」とか「ご飯をつくってあげてる」とか、「~してやってる」と思ってしまう人も多いと思うのですが、お二人からそういう言葉が一切出てこないのはなぜでしょう?

シム 相手のために「してあげた」っていうのは、本当に相手がほしいかわからずに、している状態だと思うんです。してもらう方からすると、身勝手な行為にもなっちゃう。必要な行為かどうかって、相手に聞けばいいと思うんですよね。「これいりますか?」って。

れのれの 尊敬している上司や社長に「このプレゼント、あなたのために用意したんだけど」って言いませんよね。私はシムちゃんのことを、そのくらいリスペクトしているんです。この人、高校生の時からの夢を叶えたんですよ。(シムさんの自慢話を10分ほど、省略)。ね!私の夫すごいでしょ! 

シム 恥ずかしいから(笑)。ありがとう。それから、俺たちは「察してよ」「わかるでしょ?」というのは、なしにしています。してほしいことはちゃんと言葉にする。それから、他者の軸を持ち込まない。「普通はこうでしょ?」とか「あそこの家はああだって」とか。よそはよそ、うちはうち。二人にとってメリットがあればいい。

他者軸の「普通」を持ち込まない

――「“普通は”一日中ゲームしているなんてありえない!」とか、「“普通の”専業主婦ならこれくらいするよね!」という言葉が苦しめている、と。

れのれの ママ友やパパ友にも振り回されているのかなと思います。羨望や劣等感で軸がぶれてしまう。でも、大事なのは2人の関係。「普通」がどうであろうが、私はシムちゃんに1日中大好きなゲームをしていてほしいし、そのための家事をしたいと思っている。

あと、専業主婦っていうとすごく上を求められるじゃないですか。おかずたくさんのご飯をつくって、きれいな家を保って……って。でも、それって必要なのかな。シムちゃんの場合は、おいしいご飯さえでてくれば十分。洗濯物もたたんでないけど、かごに入ってるよでOKだったりする。最低ラインさえ守れていればいい。

シム 俺たちのなかで家事の最低ラインっていうのは話し合ってるので、俺が十分と思えばそれでもう、彼女は立派な専業主婦なんですよ。

「ネットで会って30分で結婚を決めた話 無理しない婚」より

れのれの 私がよく相談を受けるのが、奥さんの方が勝手に専業主婦のハードルをあげちゃってるパターン。旦那はそんなことまで望んだのか? と聞くと、「そんなことない」って。不特定多数の人のために家事をしているのではなくて、夫のためにサービスしているんだから、「これでいい?」って聞けば良いのにって思うんです。

それを外からの基準を持ちこんで「こうあるべきなのに、できない!」ってなるのはおかしいなあって。私の主婦業なんて、外の基準からしたら全然できていないだろうし(笑)。

――お子さんのご予定はありますか。

れのれの 今産んだら損だと思うんですよね。社会保障もないし、保育所も足りていないっていうし。今120%幸せで、子どもをうんだら150%幸せになれるイメージがつかないんです。この先、幸せなイメージに傾くことがあるかもしれないけど。

出産にはリミットがある、とは言われますけどそれも「あなたに関係ありますか?」という感じです。どこまでも損得勘定になっちゃいますが、まだお得な感じはしないんですよね。

――そんなにお互いのことがわかっていても、「恋愛感情」はない? お互いに好きな人ができる可能性もありますか?

シム 恋愛している暇あったらゲームしたいんで、いらないです。

れのれの 私もマンガ読んでいたいです。

telling,の妹媒体?「かがみよかがみ」編集長。telling,に立ち上げからかかわる初期メン。2009年朝日新聞入社。「全ての人を満足させようと思ったら、一人も熱狂させられない」という感じで生きていこうと思っています。
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