telling Diary ―私たちの心の中。

「これでいいや」を手放してみる―telling, Diary

telling,世代のライター、クリエイターたちが綴る、日のできごとから感じたことや、心の隅にずっと持ってた小さな本音・・・。「telling, Diary」として、“あなただけに、言うね”。今回は、エディター&ライターの鈴木梢さんのダイアリーです。

●telling, Diary ―私たちの心の中。

「これでいいや」になってるとき

 疲れているとき、忙しいときほど、「これがいいな」じゃなくて「これでいいや」になりがちなものだと思う。

「これがいいな」というのは、選ぶのにプラスの理由があり、目の前のものも、選んでいる自分も肯定できている状態。

 それに対し、「これでいい」というのは、多くの場合マイナスで、そのとき選んだものも、そのときの自分も、前向きな状態とはどうも言えないことが多いように思う。

 食べるものや着るものを選ぶときはもちろん、誰かと話すときもそうだ。

 「これは、わざわざ言わなくていいかな」とか、「本当は、自分は嫌だけど、空気を悪くしたくないしなあ」とか、無意識のうちに一歩引いてしまっていることがある。

 それは相手に対する気遣いでも遠慮でもなく、自分で勝手に「これでいいや」となっているだけなんじゃないか。

 「これでいいや」と思ったら、意識的に「自分にとっての『これがいいな』は、何だろう」と、選択を見直してみるのがいいのかもしれない。

 まずその一歩としては、「これでいいや」と思ったときに立ち止まってみる。そして、過去に「これでいいや」で選んだものがないか探してみて、手放してみる。

 それを続けることで、自分の気持ちも、選んだものや出来事も、どんどんプラスなものになってくる。お気に入りのものと思い出ばかりになってくる。

 疲れているとき、忙しいときは、「これでいいや」になっていることすら気づけないかもしれない。「これでいいや」で選んだものすら、なかなか手放せないかもしれない。

 たとえば休日にお気に入りのコスメを買ったのに、結局手元にあった適当なコスメでさっとお化粧を済ませてしまっていたり、「近所だし」とすっぴんで出かけてしまったり(最近の私は本当にこうなっている)。あとは、おみやげに買ったおいしいパンを冷凍して、ずっとそのままにしてしまったり…。ああ、もったいない。「これでいいや」をし続けると、そういう弊害もあるのだ。

 そんなときは無理をせず、本当に必要のないものだけ少しずつ手放して(意外と全然手放せていないことが多い。ゴミを溜めていることだってある)、本当に、徐々に徐々に、自分を楽にしていくのが、きっといい。

 そうやって、少しずつでも自分にとっての「これがいいな」でいっぱいにすることが、毎日を気持ち良く過ごすための、コツなのかもしれない。

1989年、千葉県市川市生まれ。新卒でスマホアプリやSNSを活用する企画職として働いたのち、2013年夏頃からフリーライターとして活動。現在は、株式会社プレスラボに編集者/ライターとして所属。
東京生まれ東京育ち。羊毛フェルトを使ったイラスト、愛猫ゾロとダルタニヤンをモチーフとしたぞろだるシリーズなどに明け暮れる。oekaki creatorである。
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