telling, Diary ―私たちの心の中。

「ちゃんとする」って、実はあんまり意味がないかも。―telling, Diary

telling,世代のライター、クリエイターたちが綴る、日のできごとから感じたことや、心の隅にずっと持ってた小さな本音・・・。「telling, Diary」として、“あなただけに、言うね”。

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「ちゃんとする」って、実はあんまり意味がないかも。

「ちゃんとする」というと、たとえば時間を守るとか、約束を守るとか、人を大切にするとか、言葉に気をつけるとか、そういうこと。

 最近正直、あんまりそういうのって、大事にしすぎなくてもいい気がしてきた。

 もちろん、ちゃんとするに越したことはないのだけれど、「ちゃんとしながらのびのびやる」って、なかなか大変なのである。

 時間守って、締め切り守って、ミスしないで、言われたこときちんとこなして、自分の個性を伸ばしましょう……なんて超人じゃないか。超人に見える人だって、苦手を見せない・感じさせないのが上手なだけだ。

 そのことに、私は最近まで気づいてなかった。

 周りを見渡してみると、結構うまいことやっている人がいる。

 締め切りぜんぜん守らないけど、誰よりも素敵な記事にしあげてくれるライター。

 絶対にいつも遅刻するけど、その場の空気を変えちゃうくらい良い企画ばかり出してくるプランナー。

 請求書をぜんぜん送ってきてくれないけど、誰よりも熱い思いをもっていて、たくさんの人に慕われている編集者。

 まあいろんな人がいる。締め切り守らないのも、遅刻するのも、請求書送らないのも、ダメなんだけど、失敗したり人に迷惑かけたりすることで死ぬわけじゃないし、それで切れる関係や失う信頼なら、その程度だったってことなんだ。

 そういう、ちゃんとしてないところもひっくるめて一緒にできる人と付き合えばいい。

 昔、ある人に言われたことがある。

「バントを狙うな、ホームランを狙え」って。

 全部ちゃんとしようとすると、どうしても平均点な感じになってしまって、あんまり特徴のない、なんでも屋さんになりがちなのだ。

 すると周りも、どんな人なのか、何ができるのか、判断をしづらくなってしまう。ちゃんとしてるはずなのに、人や仕事が減ってくる。

 むしろ、ちょっとちゃんとしてなくて、この球ならホームラン打てますって人のほうが、ぴったりの仕事ばかり来ていることが多い。

 だから、いろいろ失敗してもいいから、自分の打てるホームランに、打ちたい球に集中したほうがいい。

 いっそ、締め切り守れないってわかったときに「締め切り守れません」って言わなくたっていい(ほんとはダメだけど、自分を守るほうが優先になるときだってある)。本当に困ったら、「進捗どうですか?」って聞くから。

 ちゃんとできないことで悪く言ってくるような人とは、付き合わなくていい。ちゃんとできない自分が悪いんだなんて、思わなくていい。

 そりゃ、意味もなくちゃんとしないばかりなのは、それはそれでよくないけど、大抵ちゃんとできないときは、苦手なことだったり、不調だったり、ちょっとでも何かしら理由があるものだ。そんなこと無理しなくていい。

 それこそ、自分によくしてくれる人のことだって、付き合うのが難しいなら付き合い続けなくたっていい。そもそも、自分のことを好いてくれる人のことを必ず好くことができるなら、世の中に片想いなんてない。

 最近は、それくらいに思っている。

1989年、千葉県市川市生まれ。新卒でスマホアプリやSNSを活用する企画職として働いたのち、2013年夏頃からフリーライターとして活動。現在は、株式会社プレスラボに編集者/ライターとして所属。
東京生まれ東京育ち。羊毛フェルトを使ったイラスト、愛猫ゾロとダルタニヤンをモチーフとしたぞろだるシリーズなどに明け暮れる。oekaki creatorである。
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