世界一集中できるワークスペースで、実際に集中して仕事してきた
●特集:「集中力」を高めるには?
ビルの中に静寂の集中空間出現
やってきたのは飯田橋駅から徒歩2分、飯田橋グラン・ブルームという複合ビル。この29階に、“世界一集中できるワークスペース”「Think Lab」があります。
入り口からなんだか静かな雰囲気……「丸、三角、四角」のマークは禅の精神を表しているそうです。
オフィスにつながる通路。高野薪の香りが濃く漂います。集中するのにいい方法は、まず緊張し、それからリラックスするというのが一番効果があるそう。そしてプロスポーツ選手のように、何かルーティンを設けること。確かに、集中力についてインタビューしたフリーアナウンサーの新井恵理那さんも、仕事に入る前のルーティンの大切さを語ってくれました。
こうした思想から、「この通路で緊張して抜けたところで一気にリラックスする」という集中するためのルーティンを強制的にもたせようとしているとのことです。
「いちばん集中できる空間は寺社仏閣である」という考えのもと、ワークスペースをつくるプロジェクトチームが高野山で合宿もしたのだそう。その時に感じた印象が、オフィス全体にも反映されています。
ちょっとドキドキしながら通路を入った先には、この景色!
眼の前に明るい景色と緑が飛び込んできて、一気にリラックスするのがわかります。この緑の量も、視界の中に入る緑の量で最もリラックス効果の高い量について、という研究から、割合を決められているとのことです。
畳のスペースもあり、ここで出社前の時間帯に「マインドフルネス朝道場」が開催されることもあるそうです。
実際に仕事してみた
執務スペースに入ると、明るすぎず、それでいて目に負担のかからない明るさに保たれています。湿度も60%程度と、呼吸が楽と感じる環境。この日は花粉が猛威をふるっていましたが、ここに来るとだいぶ楽になった感じ……。
机の配置は、すべて一方向を向いています。3列それぞれ椅子が違っています。
人間の脳の構造として、下を向くと細かいことを詰める作業モードに入り、上を向くとアイディアが出てくる発散モードになるんだそうです。その特性を活かしたつくり。
一番後ろの列は、ロジカルに集中して作業したいときのための椅子。座ると自然と下を向くようになっています。
真ん中の列は、背中がしっかりホールドされる椅子。背筋も伸びて気持ちいいです。ぐっとリクライニングするので、考え込む時、アイディアを出したい時、どちらにも対応できるそう。
窓際の席は机が最初から上を向いています。体をすっぽり入れてみると、もうこれだけでちょっとプライベート空間が確保できた気分に。
どの椅子に座るか迷いましたが、間を取って真ん中の列で30分ほど作業をしてみました。流れてくるのは鳥の鳴き声。外は明るいけれど、ブラインドで適度に光が遮られて眩しさは気になりません。そしてかすかに香る高野薪の香り…。いつしかぐぐっと集中して、あっという間に時間が経っていました。
さらに集中したい時のためのスペースも
「COCOON(繭)」と名付けられたこちらのスペースは、完全に一人になれるスペース。壁に囲まれて、視界に入ってくる情報を少なくすることで、より目の前の物事にフォーカスできます。
飛行機のビジネスクラスのような席も。たしかに電車とか飛行機って妙に集中できたりしますね。
カフェスペースではドリンク・軽食の提供あり
仕事に疲れた時はカフェスペースで一休み。執務スペースでは私語厳禁ですが、こちらではリラックスして雑談したり、ディスカッションをしたりと、自由に使えます。
全てセルフサービスで、コーヒー、紅茶などの飲み物や、栄養補助食品、カップスープなどの軽食もあります。そしてなんとこれは全部無料!「Think Lab」は集中に関する実験的なスペースで、さまざまな企業がパートナー企業として入っているのだそうです。
ビールもあります。なぜ?と聞いたら、就寝の4時間前までにアルコール摂取を終えて深い眠りにつくため、あえてオフィスに設置しているそう。なるほど……。
出口はまた暗い通路を通って、日常に戻っていきます。
現在は会社単位の契約がメインですが、1時間1,500円のドロップインも可能だそう。ギュッと集中したい時に一度利用してみてはいかがでしょう?
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