森七菜「この恋あたためますか」9話。中村倫也「俺には君が必要だ」ラスト90秒で全部持っていく

森七菜が主演を務めるドラマ「この恋あたためますか」がスタート。アイドルの夢破れたコンビニアルバイト・井上樹木(森七菜)とコンビニチェーンの社長・浅羽拓実(中村倫也)がコンビニスイーツの開発を通して、互いに引かれ合う姿が描かれます。浅羽拓実(中村倫也)が自分の気持ちに気づく、最終回直前の9話を振り返ります。

「あっ、合わない。相性」から「俺には君が必要だ」へ。浅羽拓実(中村倫也)が自分の気持ちに気づくまでが軸となった9話。最終話に向けてそれぞれの気持ちがぶつかった。

浅羽の心のドアは回転ドア

荷物を渡すためだと理由をつけて北川里保(石橋静河)を呼び出す浅羽。里保は長居するつもりはないと毅然とした態度だ。コーヒーカップを無駄に触りながらなよなよと話す浅羽が、社長だった浅羽とは思えない。コンビニの制服も本当に似合ってしまっているからすごい。髪型とメガネくらいしか変わっていないのに、雰囲気が変わってきている。

「他の人の前ではカッコつける」8話で里保は浅羽をそんな風に言っていた。が、「里保の前ではいつもカッコつけてた」と浅羽に打ち明けられる。樹木との関係を見て気づいてはいただろうが、ブーメラン的に里保に刺さる。
9話までで積み重なってきたセリフが、ひっくり返されて、グサッときたり、キュンときたりで面白い。

里保「拓実って心のドアがオープンじゃないでしょ?」
浅羽「いつもフルオープンだけど」
里保「回転ドアなんじゃない? 入るタイミングが超絶難しい感じの」
クスッと笑える会話にも、これが付き合っている時にできたなら、と里保に感情移入して切なくなる。
ようやく見えてきた浅羽の中身。私たち視聴者の浅羽への印象は、里保から見た浅羽に近そうだ。
里保は「自分の気持ちに気づくなら今のうちだよ」と言い残し、浅羽を置いて店を後にする。
新谷誠(仲野太賀)への「最後までカッコいいとこ見せつけな」も、カッコよすぎる。さすが一岡智子(市川実日子)の後輩といった感じ。里保をより好きになった9話でもあった。

「俺には君が必要だ」

浅羽は自分の気持ちを確かめるため、井上樹木(森七菜)を誘う。噛み合わないケンカばかりのデートだが、楽しそう。お互いに気を使わない安心感がある。
新谷とのデートももちろん楽しそう。そして樹木は、新谷とクリスマスを一緒に過ごすかどうかの返事をすることに。浅羽に「樹木ちゃんは渡さない」と宣戦布告しておきながら、フラれると思っている新谷。返事を聞くのが怖くて樹木の言葉を「タイム!」と何度も遮る。その「タイム」は新谷自身のリミットではなく、浅羽のリミットを伸ばしてしまう。
どうして2人がいる場所がわかったのか、なんてことは置いておいて、浅羽は間に合ってしまう。間に合わなければ、樹木は新谷を選んでいたかもしれない。

ラスト90秒で、必死な浅羽に全部持っていかれた。
「君が必要だ」
1話で浅羽が樹木に言った台詞だ。今話では
「俺には君が必要だ」
に変わった。会社の人材としてではなく、必要としている。隣にいると楽しいことに気づいてしまった。

今夜ついに最終話。初めて選ぶ側になった樹木は、どんな道を選ぶのか。

「この恋あたためますか」

1:森七菜「この恋あたためますか」1話。中村倫也「うちのスイーツ、おもしろい?」ちょっと唇を噛むだけで色気がすごい

2:森七菜「この恋あたためますか」2話。読めない中村倫也、本当は甘いもの大好きなのでは?

3:森七菜「この恋あたためますか」3話。中村倫也のサポートとツンが樹木を育てる

4:森七菜「この恋あたためますか」4話。仲野太賀の突然のキスにときめく。だが中村倫也はやっぱり強敵

5:森七菜「この恋あたためますか」5話。幸せすぎる2組のデート。もうこのままハッピーエンドでもいいよ!

6:森七菜「この恋あたためますか」6話。中村倫也の浴衣姿に癒される。聞けない石橋静河に共感。

7:森七菜「この恋あたためますか」7話。森七菜の決断。中村倫也のスノードームが地獄を生む、つらい

8::この恋あたためますか」8話。里保「別れよう」に涙。わがままを言ってほしかった

イラスト、イラストレビュー、ときどき粘土をつくる人。京都府出身。
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