産めなかったけど母になったよ!~よしもとタレント、養子縁組で母になる 06

【養子縁組コラム 06】特別養子縁組 養子の子育て「私が保育園申請をしなかった理由」

待望のわが子を特別養子縁組で迎えた吉本興業所属のタレント・女優の武内由紀子さん。20歳でデビュー、離婚と再婚、4年間の不妊治療を経て、「産めなくても母になりたい」と養子を迎えることを決意。迷い悩んだ日々のこと、養子縁組のこと、わんぱく盛りの男子の子育てのこと。テリング世代の妹たちにむけてつづる好評連載が、装いも新たに再スタートします!

●産めなかったけど母になったよ!~よしもとタレント、養子縁組で母になる 06

telling,読者のみなさん、こんにちは。4月から新生活が始まった方、多いのではないでしょうか。私の子育てコラムは10カ月ぶりの再開です!生後数日でわが家にやってきた息子は、早いもので、この6月でわんぱく盛りの2歳になります!

保育園に預けることを勧められたけど

この1年、自分の発信のために始めながら、いまや息子の“成長日記”となった感のある(笑)ブログやインスタグラムを通じて、同じ時期に養子を迎えたママたちとつながり、ちょっとした子育てコミュニティができました。そこで出会った、息子と同年代のお子さんを育てるママたちの多くは、この4月からお子さんを保育園に通わせ始めているといいます。(コロナのために“自宅待機”の方も多いかもしれません)

わが家はというと、いろいろ考えた末に保育園申請はしませんでした。私は仕事をしているので、保育園に預けたらどうかと、周りからずいぶん勧められました。それでも、もうしばらく自宅で育てようと思ったのには、いつくか理由があります。

一つめは、私がフルタイムの勤め人ではなく、ありがたいことに自分の生活スタイルに合わせて仕事を選ぶことができていること。会社もこうした働き方を認めてくれていて、パン屋の夫は毎日一生懸命パンを焼いてくれている。望めば子育てに専念できる環境にあります。

もう一つの理由は「待機児童問題」。もっと必要に迫られて、ほんまに保育園に入りたい、入る必要があるのに入れないという家庭もありますよね。私たちのように、そこまで切迫していない家庭が1組申し込むだけで、枠が一つ埋まってしまう。それだったら、今すぐ預ける必要はないと思いました。

幼稚園が始まるまでの期間はほんの数年。密にいっしょに過ごす時間って、もしかして後にも先にもこの時だけかもしれない。そう思うと、この時期を楽しまないともったいないとも思ったんです。

とことん息子と向き合いたい

とはいえ、周りの話を聞くと、ずっと子どもと過ごすことは、それはそれですごいしんどいだろうな、と想像もします。息子は6月生まれなので、4歳になる直前までは家でみることになります。「幼稚園まであと2年…」と、正直ゾッとする気持ちもある(笑)。

でも、その大変な時期をいっしょに過ごすことで、つらいことも苦しいことも、のちのち笑い話になるんじゃないかな、とも思うんです。それに、私は「苦労してなんぼ」というタイプ。自分で時間をやりくりできるのに、保育園に預けて楽をしてしまうと、将来、後悔するような気もしました。

昔は養子縁組をする場合、夫婦のどちらかが専業主婦(夫)になる必要があったそうです。いまは養親にも共働き世帯が増えて、多くの仲介団体で現状にあわせた運用になっていると感じます。
私が登録した団体でも、どちらかが専業になる必要はないと言われました。それでも、わが家が「養子縁組家族」だということは意識しているので、血縁でつながる親子以上に、子どもと密に接しようと思っています。私が生んでいないからこそ、少しでも多く、愛情を注ごうとしているのかもしれません。

もちろん、自分の子どもでも同じようにするのかもしれない。自分で産んだ経験がないので、正直わからないです。一つだけ、確かに言えることは、とことん息子と向き合おうということ。とにかく正面から向き合って、ぶつかっておけば、将来息子がグレても、たぶんどうにかなると思っています。(笑)

習い事を始めようと計画中!

そうは言っても、脳天を直撃するような声を出されたり、ギャーギャー叫ばれたりすると、正直、気分が滅入るときもあります。

以前、夫に「週1回でも一時保育に預けたら」と言われたこともあるんです。でもそれは一時しのぎに過ぎないと思っちゃって。

1日預けただけで急にいい子になるわけではないし、預けている時間にゆっくり過ごしている自分が想像できませんでした。それだったら、ガチで息子と向き合っているほうがいいやって思いました。ただ2歳になったら、週1回ですがプレ幼稚園に通わせたいと思っています。

それと、習い事も一つ始めようと計画中。近所に1歳10カ月から入れる体操教室を見つけたんです。週に1回、2時間ほど。そうすると、プレ幼稚園と体操教室で、週に2日、計2時間の「自分の時間」ができることになります。少々大変でも、子育てを丸ごと体験したい私には、それくらいがちょうどいいかなと思っています。

とはいえ、いまは新型コロナウイルス予防のために”お籠もり”の日々。体操教室もプレ幼稚園も本当に始められるのか、まったく先が読めません。自分の時間ができるのはいつの日かな……。

タレント、女優。1993年に「大阪パフォーマンスドール」としてデビュー。現在は読売テレビ『大阪ほんわかテレビ』や劇場『ルミネtheよしもと』などで活躍。2013年に7歳年下のパン職人の夫と結婚。
同志社大学文学部英文学科卒業。自動車メーカで生産管理、アパレルメーカーで店舗マネジメントを経験後、2015年にライターに転身。現在、週刊誌やウェブメディアなどで取材・執筆中。
熊本県出身。カメラマン土井武のアシスタントを経て2008年フリーランスに。 カタログ、雑誌、webなど様々な媒体で活動中。二児の母でお酒が大好き。
産まずに母になったよ!