編集部コラム

表計算ソフトに恋する女

telling,編集部員、いぬいです。今週私は、編集部の細々したタスクを整理する仕組みづくりに徹していたので、常々感じているExcelやGoogleスプレッドシートへの恋心を綴ってみました。 ※ExcelやGoogleスプレッドシートの仕様は、私が触ったことがあるバージョンで、私が知り得た機能を使っていた体験を元に書いています。

社会人になってから現在まで、「Excelに抱かれたい」と思ったことが何十回あるかわからない。

「何を言っているかわからない」という方が大半だと思うのだけど、テリングを愛読してくれる人のうち、一定数には理解してもらえるのではないかと信じてこの文章を書いている。

賢い人のこと、好きですか?

わたしは賢い人が好きだ。

賢さは、学歴や職業よりも、その人がどんな風に物事を考え、どうアウトプットするかに現れると思う。

Excelはロジカルに空気を読み、いつも私のことを一番に考えてくれる。だから私は彼から賢さを感じるし、彼のことが好きだ。

初めてExcelの関数を覚えたのは、社会人1年目で営業を担当していた時。支店の売上を集計するために、彼に四則演算を依頼する方法を学んだ。

その頃、私は彼のことを「とっつきにくい奴」だと思っていた。

文章を入れようにも思ったように入らないし、改行ができない。せっかく入力した文章も、なんか途中で途切れて表示される。

意思疎通しづらい相手だなあと感じていた。

ただ、一緒に仕事をしていくと、関数をコピペすると空気を読んで参照するセルも一緒に変えてくれてたり、文字を入力すると「もしかして、こう入れようとしてた?」とオートコンプリートしてくれたり、気が利く部分が目につくようになった。

VLOOKUP関数を知った時は、「私のささやかな願いをこんなにもスマートに叶えてくれるなんて!」と胸がキュンとしたのを覚えている。

その後、本部に異動になった私は、彼に依頼する仕事が増えた。

数値の集計はもっと複雑になり、状況をリアルタイムで可視化することも求められた。

そんな時の彼は本当に心強かった。

集計範囲を指定すれば何パターンもグラフ表示を提案してくれたし、初めてピボットテーブルを触った時は感動しすぎて「今夜、家に行ってもいいですか?」という言葉が喉の奥まで出かかった。

突如現れた、新キャラ

そんな関係性に、突然の転機が訪れる。

私は、クラシックな大企業からITベンチャーに転職したのだ。

そこで出会ったのが「Googleスプレッドシート」である。彼は、Excelにとてもよく似ていたけど、なんというか、もっとフレンドリーな印象だった。

1対1の関係を好み、横から会話に割り込もうとすると順番待ちを求めるExcelとは違い、Googleスプレッドシートはみんなで一緒に会話を楽しむ奴だった。そのうえ、彼が誰と何を話しているのかを、私はリアルタイムに把握することができた。

そんなコミュニケーション能力の高さのせいか、Googleスプレッドシートには友達が多かった。わたしが彼に頼めば、彼はいろんな人に仕事を依頼してくれた。たとえば、Slackやチャットワークに通知をしたり、偉い人宛に報告メールを送ったり、社内の掲示板にあるグラフを常に最新の状態に更新したり。とにかく、彼の人脈は広い。

そして、Googleスプレッドシートは、「こんなこと実現してくれないかな?」と私が考えつくようなことは、大抵やってのけてしまう。彼と一緒に仕事を進めていくと、いつも新しい発見をくれる。

何よりGoogleスプレッドシートは、いつでもどこでもスマホ1つで連絡ができる。ずっとオフィスにいて、家からはアクセスできないExcelとは対照的。気軽に会話ができるGoogleスプレッドシートに心変わりするのにそう時間はかからなかった。

いつまでも私を飽きさせることがなく、マメに連絡もとれる、生粋のプレイボーイGoogleスプレッドシート。

私は今、Googleスプレッドシートに助けられながら多くの仕事を進めている。彼のロジカルさ、知性、顔の広さ、処理能力の高さ彼にたくさんサポートしてもらい、感謝と尊敬の気持ちしかない。

これからも、一緒に仕事をしながらキュンキュンしていきたいと思っている。

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