意識、どんどん下げてこう。

【ナリくんお悩み相談】すぐにイライラしちゃうのはなぜ?

月間400万PVのAmebaオフィシャルブロガー、公式line@のフォロワーは約28,000人。心理学や哲学について、笑いを交えながら教えてくれる「ナリ心理学」ナリくんのエッセイ&お悩み相談です。無理して「意識高い系」でいようとするより、今までとはちょっと違った見方、していきませんか。毎週木曜更新です。

●意識、どんどん下げてこう。by ナリくん【お悩み相談編】

Q:今回のお悩み ↓

  • イライラについて教えて欲しいです。なんで、私はすぐイライラするのでしょうか?

A:ナリくんのお答え 

僕もすぐイライラするから、よくわかります。イライラって、なかなか止められないですよね。

 イライラについて。僕もすぐイライラするタイプなんで、本当によくわかります。イライラって急になるし、止められないですよね。

 さて、なんでイライラするのかですが、それは2つの方向から考えてみるといいと思うんです。一つが「原因論」の観点から。もう一つが「目的論」の観点から。

イライラの原因論

 原因論ってのは、イライラするのはイライラする原因があって、その原因がなくなれば解消されるという考え方ですね。

 原因となる何かが起きたから、イライラするという結果が生まれたってことです。

 そして、イライラする原因っていうのは、「自分の思い通りにならないとき」に起こりますよね。部下が言ったことをやらないとか、職場の人が気を使ってくれないとか、その他もろもろ、イライラしたことを思い出してみると、何かしらが思い通りなっていないと思います。

 思い通りならないとなぜイライラするのかといえば、「結局、最後は私がやるんでしょ?」と思ってるからなんですよ。つまり、思い通りにならなかったとき、それでも最後に尻拭いするのは自分だと思ってるわけです。面倒な尻拭いをするのは、自分だと。

「最後はやっぱり、私が尻拭いするのか」

 この落胆した悲しい気持ちを感じないように、人ってイライラするんですね。怒りやイライラな感情より、悲しいという感情のほうが辛いのです。だから、最後はどーせ私が尻拭いするんでしょ(誰もやってくれないんでしょ……)という悲しみよりも、イライラを選んでイライラしてるんです。本当は、尻拭いしなきゃいけない自分が悲しいのです。

イライラの目的論

 もう一つは、原因論とは逆で「イライラするのは、イライラすることによって、ある目的を達成するためである」という考え方です。

 つまり、イライラしたいからイライラしている。イライラすることでメリットがあるからイライラしているという考え方です。

「イライラすることでメリットがある?」

 そうです。イライラしないより、イライラすることでメリットがあるのです。
 目的論では、人の行動というのは基本的に、すべて「メリットがあるからそれを選んでる」と考えます。

 たとえば、「人見知り」というのがあった場合、人見知りなのは、人見知りでいることでメリットがあるからなのです。

 さて、そのメリットとは何か。たとえば「誘いを断りやすい」などですね。人見知りだということにしておけば、人の誘いを断りやすい。

 今からごはん食べに行かない? ほかの友だちもいるけど! と誘われたときに、「あー、ごめん、人見知りで初対面の人と話すのは得意じゃないから、今日はやめとくね」と断ったとして、「人見知りなんてものは存在しない! そんなの甘えだ!」なんていう人いませんよね。いたらびっくり。

 つまり、言い訳としてすごく通用する。だから、人見知りなのです。

 目的論は、その状態でいることにその人がメリットを感じてるからそうなっていると考えます。

イライラすることのメリットとは?

 んじゃ、イライラすることのメリットって何なのか。

 それは、「自分を責められる」ことでしょう。イライラした自分を問題視できることが、一番のメリットだと思います。

 どういうこと?

 イライラする自分は問題であると思えたら、「問題のある自分」でいられます。問題のある自分でいられると、いろんなことを「問題のある自分」を言い訳にして、やらなくて済みます。

 仕事も、恋愛も、お金も、それは一人一人違うのですが、「(すぐイライラするような)問題のある自分」っていうのは、いろんなことから逃げる言い訳としてものすごく使いやすいのです。

 ここまで読んで、まったく共感できなくても大丈夫です。だって、共感してしまったら、もうイライラできなくなってしまいますから。共感しないということでメリットを得ているので。

 逃げられる自分でいるために、イライラする自分でいようとしてる。

 「逃げられる」って具体的にどういうことかというと、自分が思ったことや感じたことをやらなくて、言わなくて済むってことです。つまり、勇気がないのです。

 これが、目的論から見たイライラする理由ですね。

 イライラする理由を「原因論」と「目的論」、二つの観点から考えてみました。次イライラしたときは、ぜひ、「なぜイライラしたんだろう?」と「イライラすることでどんなメリットがあっただろう?」と考えてみてください。もしかしたら、イライラが収まるかもしれません。

続きの記事<「子どもは?」って聞かれたくない>はこちら

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月間400万PVのブログを運営する株式会社ナリ心理学を主宰。Amebaオフィシャルブロガー。
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。

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