Ruru Ruriko「ピンク」08

セルフケアとベトナムでの日々 RuruRuriko「ピンク」

夏休みを目の前に、旅の計画を立てている方も多いのでは。Ruru Rurikoさんにとっての旅は、自分をいたわるためのひと時。息苦しさを感じていた彼女が、ベトナムへの旅で得たものとはーー。生きるって、本当はすごくシンプルなことなのかもしれません。

●Ruru Ruriko「ピンク」08

自分をリラックスさせるために、旅へ

セルフケア。自分自身を労わりリラックス、リフレッシュする時間。日本ではまだそこまで重視されていない気がしますが、近年、欧米ではメンタルヘルスについて話される事が多くなり、それとともにメンタル(精神)をケアすることへの関心も高まっています。

私のセルフケアであり一番の好きなことといえば旅行! ガイドブックや旅行雑誌、旅行番組を見るのも大好き。イギリス留学中はヨーロッパ内を安く手軽に旅行できたので、友達とやひとり旅で色んな国へ行きました。それでも、お金も時間もかかるのでそんなにしょっちゅうは出来ませんが、そんな時は雑誌や動画、行きたい国の料理を食べて旅行気分を味わう!

中高校生くらいから22歳くらいまでは、何にもないのにいきなり凄く憂鬱(ゆううつ)になってしまったり、物凄く些細なことに異常なほど過剰に反応し怒り、悲しむことがよくありました。

当時は、常に落ち込むわけではないけどいきなり泣き出したり、吐いてしまったり、怒りがコントロールできなかったり。突然1週間ほど引きこもり、ほとんど何も食べずにただベットから出られず誰にも会えないということがありました。

一番ひどくなった時もセルフラブやセルフケアに関心はありましたし、適度にリラックスしたりするのが大切なんだとはわかって実行していたんですが効果はあまり得られず。人間関係も考えすぎて勝手に落ち込んだり、懐疑的になりすぎて、自ら壊してしまったりが何度かありました。

メイクもオシャレもせずに、すっぴんで過ごした2カ月間

その時私はイギリスに留学中で、夏休みに入る時期でした。通常なら日本に帰っていたんですが、色々全部嫌で、誰にも会いたくなくなってしまいました。イギリスにも日本にもいたくなくて、知ってる人に会いたくなかった。何かを自分の中で変えたくて、でもどうしたらいいかわからなかった私は、”ボランティア活動”という名目で、夏休み中は海外に逃亡することにしました。

行き先は、ベトナムの首都ハノイ。ベトナムにした理由は、「ボランティアするなら興味のある団体で、行ったことのない、かつ物価の安い国」がいいと思ったから。他にもインド、ケニア、ミャンマーなども候補にありましたが、結果、流れでベトナムに。

夏休みということもあり、10名ほどいた他のボランティアスタッフはみんな同世代。現地スタッフのベトナム人も、同世代でした。皆で一緒に住み、毎日過ごし、とても仲良くなれてすごく楽しかったです。ボランティアは基本夕方のみだったので、昼間は他のスタッフと出かけたり、家でダラダラしてたり、本を読んだり、散歩してみたり。

数日休みをもらって、他のスタッフとベトナム内を旅行もしました。
ハロン湾クルーズでは、ネットがない海上で星空を船から見ながら友達と語り、サパでは大自然の中を1泊2日のハイキングをしました。

夏のベトナムは暑くて、メイクもオシャレもする気にもなれない。それより何よりベトナムの、ベトナム人のゆったりとした時間の感覚に私の時間感覚も麻痺してしまったようで、毎日本当にゆっくり、ほぼすっぴんで2カ月間過ごしました。

私が気にしていたものは、何の意味もなかった

そんな中で私を疲れさせていた理由たちーー嫌でも同世代の友人の活躍を見せつけられるSNSや自分のコンプレックス、悩みなどは、だんだん忘れて行きました。ここでは、私が気にしてたものなんて何の意味もないんだな〜って。そういうことを気にするのに自分は時間をかけ過ぎていたなと思いました。

そんな日々の中で毎日、ゆったりと、前よりもっと色んなものを見て、聞いて、感じて、考えて、たくさん吸収にエネルギーをチャージした日々は私を元気に、強くしてくれたと思いますし、その後は自分でも驚くくらい落ち込まなくなりました。英語で”Comfortable in my own skin”(私自身でいることに居心地がいい)というフレーズがありますが、本当にそんな感じに近くなったと思っています。

ベトナムでたくさんの自然のパワーを感じ、帰国してからは、「今までなんで気づかなかったんだろう?」と思うほど、周りにある自然が目にとまり、美しいと感じるようになりました。私の中で、ベトナムでの2カ月間はすごく大きかったなと今は感じています。時には思いっ切り自分のためだけに時間をかけてあげることも必要だなと気づかされた旅でした。

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18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。