Ruru Ruriko「ピンク」09

ムダ毛とはなんだ???? RuruRuriko「ピンク」

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。今回は、夏の女性はやはり気になる「ムダ毛」を考えます。

●Ruru Ruriko「ピンク」09

最近どんどん暑くなってきました。SNSの広告では「夏に備えて〜!”女子の身だしなみ” 」

なんていう具合に、脱毛が毎日のように私に訴えてきます。

皆さんは脱毛処理、する派ですか? しない派ですか?

日本の脱毛習慣はここ数年でどんどん進み、近年は、みんな綺麗に全身永久脱毛!!!の空気を強く感じます。

今では、若い世代を中心にデリケートゾーンのお手入れも珍しくなくなりましたが、私が中学生だった頃の10年前は、

「海外セレブ(ビクトリア・ベッカム)ってあそこの毛も処理してるらしーよ!」

「えー!! やばー!!」

みたいな会話を友達とした覚えがありますが、10年後には当たり前のように周りの友達も処理をしていました。びっくりです。

オーストリアの画家エゴンシーレの作品

女性はいつから脱毛をし始めた?

女性はいつから脱毛を始めたんでしょうか?

世界の一部ではかなり昔から脱毛文化があり、古代エジプト王のクレオパトラは既に脱毛してましたし、ヨーロッパでは剃刀が普及する前は蝋燭(ろうそく)の火で脱毛していました。

それに比べると日本は脱毛の歴史はあまり長くなく、江戸時代の遊女たちがデリケートゾーンの脱毛をしていたと言われています。そのせいでしょうか? 私が中学生だった頃はまだデリケートゾーンの毛の処理=遊んでいる女の人、と言ったイメージがあったような気がしますし、数年前、友達に、「私が男で彼女が下の毛処理してたら、ビッチだと思うかも」と言われたことがあります。その友人も今では永久脱毛に通っていますが。

数年前までは処理する人も多くなかったのに、今ではデリケートゾーンを含めた全身脱毛が女子の身だしなみとされている。「処理してないなんてありえない! 女失格!」と訴えてくるかのように日本の電車は脱毛広告で溢れていますし、まるで毛が1本でも生えてたら男性にひかれてしまうような描き方。

なんで? と本当に疑問に思ってしまいます。毛なんて多くの人に生えてるし、男性も女性に毛が生えてることくらい知ってるでしょう? そして、男性に見られる・判断されることばかりが中心になっている。男女関係なく、自分の身体は自分のもの、他人の身体は他人のものなんだからその人がしたいようにすればいいと思いませんか?

昔は剃らなかった毛も今は剃るのが常識、のように、メディアの力や時代によって美の基準は常に変わっていきます。今の基準も10年後には全然変わるかもしれない。そう考えるといちいちその流行に合わせてるのがめんどくさくなりませんか?

Photo:Petra Collins、下着はボディポジティヴブランドlonely lingerie

欧米では、ありのままの身体を受け入れる動きが

日本より以前から脱毛文化のあった欧米では、ここ数年、ありのままの身体を受け入れる「ボディポジティブ」の動きがファッション・アート業界を中心に広がっています。その中には「ムダ毛もセクシー」「女性だからといって脱毛しなくてはいけないわけではない」 といったムーブメントも出てきています。

例えば、歌手のマドンナやマイリー・サイラスがわき毛が生えたセルフィーをSNSに投稿し話題になりました。それ以外にも、スーパーモデルのジジハディットがわき毛が生えたままで雑誌のPR動画に出演したり、スウェーデンのモデル兼アーティストとして人気のアルヴィダ・ バイストロムは未処理の足の毛のままアディダスの広告に登場しました。

毛があると急に女性は醜くなるのでしょうか? なぜ? ただの毛だよね? 髪の毛は美しいものとされてるのに? 毛はもともと体に生えている自然なものなのに?

なぜ?

自分の美しさは、自分で決める

私はどうかって?

足と腕はもともと体毛が薄く全然ないので放置で、デリケートゾーンとワキは処理しています。なんだかあると暑苦しくて。特にデリケートゾーンを処理すると生理中の蒸れ、嫌な臭いが一気になくなるので個人的にそこはポイントです。

ちなみに欧米では、一般的に女性が脚の毛を剃ることはセクシーとされてるんですが、腕の毛には全く興味がないらしく、ボディポジティブ以前からみんな全く剃っていないようでそれはそれで、脚は気にするのに腕はいいんだ? といまだに謎です。

以前体型についての記事で、何を美しいとするかは人それぞれだし、みんな違った魅力があると書きました。体毛も個人の選択で、自分が心地よいと感じる選択をみんなができるようになればいいなと思います。自分の身体なのですから。

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18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。