RuruRuriko「ピンク」

セクシーな女の子募集中 RuruRuriko「ピンク」

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。今回は、ポルノ業界に飛び込むアメリカの女の子たちについて。

●Ruru Ruriko「ピンク」10

HOT GIRLS WANTED / ホットガールズウォンテッド。

和訳すれば、〈セクシーな女の子募集中〉と言ったところでしょうか。Netflixにて同題名のオリジナル映画、ドキュメンタリーシリーズが配信中ですが、今日は映画について。映画では、沢山の18−20歳の女の子たちが働くアメリカのポルノ・アダルトビデオ業界の裏側について迫っています。

アメリカ、マイアミでポルノ女優エージェントで働く男性のもとには、毎日沢山の女の子たちからポルノに出たいと応募の連絡がきます。マイアミは”アマチュアポルノ”といって、初心者の若い女の子たちが集まる場所。映画ではそのうちの数人にインタビューしながらポルノ業界に足を踏み入れたばかりの女の子たちに迫ります。

なぜ多くの女の子たちがポルノに出たがるのでしょう?

大半の理由はお金が稼げるから。映画に出てくる一人の女の子は「家から、実家の生活から抜け出したかった。私は今まで飛行機もの乗ったことがなかったの。自由が欲しかった。ポルノが一番簡単だっただけ」と言います。中高時代、家から死ぬほど出たくて、自分の人生はここではない! こんなつまらないまま終わらせない! と思っていた自分自身を思い出すと、彼女の気持ちはわからなくもないです。

プロが撮影するポルノではなく、パソコンについているウェブカメラ(または自分のカメラ、ケータイを使って)家で自分で撮影したり、ビデオ電話に繋いでカメラの前で裸を見せたりマスタベーションをしたりするカムガール(Cam Girl)という方法のセックス ワークがあります。

私の友人にカムガールがいます。彼女はセックスはスポーツだから感情がなくても楽しめる派の人。しかし、感情がないと言っても興味がない、好きではない人(恋愛感情ではなく、性的に魅力を感じるかどうかの好き)とはセックスしたくない。でも裸を人に見られることに抵抗はないし、カメラの向こうで相手が何をしようと私には関係ない。ということでカムガールは簡単だし、お金も割よく稼げるからオッケーだそう。

他にも、キャバクラや下着を売る、パパ活をしている人や、実際にはやらなかったけれど性的マッサージのお店に面接に行った、働かないか声をかけられた、友達がやっている、などは20代の私たちの周りに溢れています。

インターネットに誰でもアクセスできる今、私たちは簡単にポルノを見ることができるし、それ以外にも、雑誌や映画、ミュージックビデオ、広告、SNS、至る所に性的なコンテンツがあります。

最近はセクシーな女性はかっこいいとされることも増え、女性がセクシーな自分を見つけたり、性にオープンになるのは良いことだと考えられ始めています。私も勿論それに賛成だし、ポルノ女優、セックス ワーカーは恥ずべき仕事だとは思いません。しかし、セックスワーカー達の仕事環境を少し知るだけでも、リスクはとても高い仕事なのがわかります。

セクシーな自撮りも、受け取る人によって違うものに

SNSにセクシーな自撮りを載せたりするのも、若い人達の間では普通になり始めているどころか、かっこいい! と賞賛されるようなものにもなってきている現代。実際に、私はそう言った写真をSNSに載せている一人です。自分を性的なものとして扱ってしまうのと、自分の性や体を受け入れて楽しむのは違います。けれど、他人からしたらそんなのわからないし、その写真を性的な目でその人が見たらもう、そうなってしまうのも事実でしょう。

特に、子どもにはこの線引きは難しいでしょう。大人になれば、現実とインターネットの区別もついて行くかもしれないけれど、こんなに性コンテンツが溢れている中、私たち、特に若い世代が性を軽く扱ってしまうのも無理はないのではないでしょうか? 多くの若い人はポルノからセックスについて学ぶというものの、ポルノは現実的でないセックスに溢れているし、ほとんどが男性目線で女性は物のように扱われています。

最近は女性向けポルノも人気がありますし、男性にも是非そちらを見てもらいたいですね!

HOT GIRLS WANTEDシリーズの1話目では今人気の女性ポルノ監督、Erika Lustにインタビューしていてそちらもオススメです!

性やセックスワークの問題は難しいしけれど、だからこそもっと学べて話し合える場を作って行きたいです。

<次回「居心地よい毎日からの脱出方法」はこちら>

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。