時短でも美しく。シングルマザー社長が教える「きれい」の秘訣

スキンケア発想でつくられた、大人のためのナチュラルネイルブランド「JUMII TOKYO」の代表取締役を務める前島ゆみさんは、8歳の息子を育てるシングルマザーでもあります。母になってから、ブランドを立ち上げた前島さん。「JUMII TOKYO」が支持される理由や、「時間をかけずにきれいになる」時短テクニックを教えてもらいました。

今までの「きれい」が難しい

 27歳で結婚、28歳で出産、29歳で復職、30歳で離婚し、シングルマザーに。怒涛の20代後半を過ごした前島さん。働いていたのがベンチャー企業だったため、産休制度なども整っておらず、交渉によって制度を作ることからスタート。復職後も、会社と相談しながら母社員第一号として働き続けそう。コスメの仕入れ・制作・販売等を行う会社だったので、女性たちの美意識が高く、復職後は「きれいにできていない自分」とのギャップにも苦しんだといいます。

 そんな時に出会ったのがネイル。2年以上ぶりにネイルを塗ったら、自分の心がとても華やぐことに気づいたそう。それまで数々のコスメを制作してきた前島さんでしたが、「自分のネイルブランドを作りたい」という気持ちが日に日に大きくなっていきました。ネイルは、本人にも他人にも、目にとまりやすい部分。コスメでもあり、ファッションアイテムでもあり、表現の幅が大きいことも、彼女の心をとらえた理由でした。

時間をかけずに爪を美しく

 当時勤めていた会社から業務委託で仕事を受けつつ、自分のブランド「JUMII TOKYO」を立ち上げたのが32歳のとき。コスメ制作で培っていた人脈をフル活用して、理想のアイテムを作るために試行錯誤を重ねました。同時に、子育てをしながら仕事をするため、さまざまな時短テクニックを身につけたといいます。

 眉毛は一度描いたら数日間落ちないティントに。髪の毛は忙しい朝ではなく、子どもが寝静まった夜にヘアアイロンをかけて、跡がつきにくい枕を使って寝ることで時間を節約。美容系のサロンに行く時間がなくなったかわりに、子どもでも使えるボディミルクを購入し、一緒にケアをする時間をつくったそうです。

 「JUMII TOKYO」のネイルにも、時短の発想が取り入れられています。1回塗りは1分、2度塗りしても3分で乾くという速乾性は、ネイルが乾くのを待っていられない忙しい女性にぴったりです。

 「1本2役」、2ウェイというのも今っぽい発想。ネイルカラーは、1度塗り、2度塗りで印象が変わります。1度塗りだと薄く発色するので、服装規定が厳しい職場でも取り入れやすいという利点も。トップコートはそれだけでも発色し、色のあるネイルに重ねると、今までの印象を変えるものになっています。また、ネイルがはげてきた時に重ね塗りしたり、先端だけ塗ったりといった使い方もでき、これも時短につながります。

 また、爪は乾燥しがちなので、ネイルの中に美容液成分が入っているのも特徴。ただ、価格が高いと気軽に買えないので、思い立った時に買える1,200円程度の価格におさえているとのことです。

求む、スーパーアシスタント!?

 2016年の2月に7色のラインナップからスタートしたネイルは、現在15色に。秋には新色も出る予定です。ネイルはコスメとファッションをつなぐアイテム、という発想から、今後もファッションのトレンドに合わせたカラーをリリースしていくそうです。

 商品はロフトやプラザなど、発売から1年半で約400店舗のショップに置かれるようになりましたが、今でも「JUMII TOKYO」の社員は前島さん1人のみ。その都度、プロフェッショナルの人にお願いして、チームを組んで仕事を進めているんだそうです。本当は1人ぐらいスーパーアシスタントがいれば、もっと事業を展開できるのに……と思うことも多々あるそうです。1人でここまで広げておられるのが、本当にパワフル。

 今秋にはネイルだけでなく肩やこめかみにも使えるリラックス効果のアロマが入ったマルチネイルオイルをはじめとして、「手間をかけずにきれいになる」をコンセプトとした様々なプロジェクトをしかけていきたいと語る前島さん。い、今すぐにでも欲しい……!商品化、お待ちしています!

朝日新聞バーティカルメディアの編集者。撮影、分析などにも携わるなんでも屋。横浜DeNAベイスターズファン。旅行が大好物で、日本縦断2回、世界一周2回経験あり。特に好きな場所は横浜、沖縄、ハワイ、軽井沢。
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。 コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。
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