Ruru Ruriko「ピンク」

子ども達の写真は誰のもの? Ruru Ruriko「ピンク」

SNSに自分の子どもの写真をアップする親御さんはたくさんいますよね。SNSのタイムラインに流れてきて、ちょっとモヤモヤする人も多いのでは。今回のRuru Rurikoさんコラム「ピンク」は、「SNSに子どもの写真をアップすること」の是非について、娘のヌードを題材に作品を発表した2人の写真家を題材に考えます。

●Ruru Ruriko「ピンク」

 多くの人がSNSを持つようになった時代、総務省による2016年の調査では、40代が80%、50代が60%、20代はなんと97%の人がなんらかのSNSアカウントを持っているそう。そんな中、若い人を中心にブログやインスタ、YouTubeで自分のプライベートを友達だけでなく全体に公開している人も多い。
 そこにはプライバシーの問題などが色々ついてきますが、自分の子ども、赤ちゃんの写真を載せてる人、そこに裸やお風呂に入っている写真がある事も多いですよね。みなさんはそう言った写真をどう思いますか?
 大学時代、性が含まれる子供の写真(裸だったり、体が見えている)とアート、というテーマで論文を書いたので、今回はこのトピックついてシェアしたいと思います。

 性的な要素が含まれる作品は論議を醸す事が多いですが、未成年が含まれている場合はさらに問題が難しくなると思います。なんせ、張本人の子供達は意味や状況を理解していない事が多いですから。
 論文では主に、Sally MannとIrina Ionescoという二人の写真家の作品を比較して書きました。二人とも女性の写真家で、自分の子供達をモデルに作品を発表、どちらも当時とても話題になりました。最終形からいうと、Sally Mannの作品はアートとして認められており、Irina Ionescoの写真集は一時期は禁止され、今でもアートという人もいるし、幼児ポルノだという人もいます。

(photo: sally mann)

 二人は母親で、モデルは子ども達。子ども達は相手が母親、撮影は自宅なので、はだかで写真を撮られても気にならなかったのでしょう。しかしながら、Irinaのモデルである娘のEvaは、母親が撮った自分のヌード写真でロリータアイコンとして大人気になった一方、学校では“娼婦”と呼ばれたりと辛い日々を送りました。彼女は大人になってから、母親に子ども時代を奪われたと訴えました。(映画にもなってます)。

映画はこちら https://youtu.be/u1WpLzTx61o

 一方で、Sally Mannの方は、今でも子どもたちと良好な関係を気づいていますし、多くの人は彼女の作品をアートとして見ています。しかし、そんな彼女の作品も、発表した当時は議論になりました。当時、あるメディアが彼女が撮った娘のヌード写真にモザイクをかけたのですが、それを見た娘は、自分のヌードはいやらしいものとして見られているんだと感じ、それ以降、一時期は母親に写真を撮らせなくなりました。

(photo ; irina ionesco)

 私は、アート アートではないか以前に、子ども達のConsent(同意)がとても大事だと思います。Mannは写真集を出版する前に子ども達にも説明、相談し、実際に子どもが大人になるまでは出版しないかと迷ったそうです。反対にIrina Ionescoは娘に押しつけてしまったのでしょう。

 じゃあ、同意も何もないくらい小さい子どもだったらどうでしょうか? 赤ちゃんに説明しても意味ないし。私は、子どもが大きくなるまで公の場に出すのはやめたほうがいい、と思っています。どんなに私が、あなたが、性的な目で子どもの体を見なくても、そうやって見る人が世の中にはいて、それが子ども達を傷つけることがあると思います。

 私は、もし自分だったら、子どもの時に勝手に写真を載せられたらやだなと感じてしまいます。私がここまで思うのは、性的な気持ち悪い目で子ども達を見る人がいると知っているからだと思いますが。他の人がアップしているのを見ると、変態が見てるかもしれないよ! と心配になっちゃう

 一般人とアーティストでは、人から見られる数は全然違いますが、SNSが誰でも使えるようになった今、人から見られているということを再認識したいです。自分が思っている以上に見られていることってあると思います。それに、一度アップした写真や動画は後から消してもスクリーンショットされてたら終わり。これは子どもの写真だけじゃなく、大人もそうだけど。

 でも、自分の写真をアップする分には、自覚と責任は自分にありますが、そうじゃない子ども達の写真はどうでしょう?赤ちゃんの写真、子どもの写真、可愛くてしょうがないからSNSにアップしちゃうのもわかるんです。でも誰が見てるかわからない。だから、可愛い写真は家族でシェアしてみてはどうでしょうか?

続きの記事<女の価値 - Ruru Ruriko「ピンク」>はこちら

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。

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