Ruru Ruriko「ピンク」

キャットコール ―Ruru Ruriko「ピンク」―

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。

●Ruru Ruriko「ピンク」

03 キャットコール

先日友人との会話でしつこいナンパの話が出ました。みなさんはしつこいナンパをされたことがありますか?されたときはどうやって断っていますか?

欧米で多い話しかけるナンパ以外で、道端で(主に男性から女性に)一言声をかける、口笛を吹くなどのCat Callと呼ばれるものがありますが、大体は性的で上から目線なものがほとんどです。

アメリカやイギリスではCat Callは問題となっていて、女性が一人で街を歩いたら1日で何回Cat Callされるか、その様子の動画を女性が恋人や父親などに見せて男性側は驚く、なんていった実験動画が作られたりするほど。(興味のある方はYouTubeでCat Callで検索したらすぐ見つかりますよ!)

私自身の体験では、ロンドンに住んでいたときはほぼ毎日1回はCat Callされました。大体は “ looking good girl ” みたいな一声かけてくるだけでうざいけど気にするほどではないから無視ですが、夜一人で歩いてる時にやられると正直凄く怖い。

そんなナンパやCat Call、しつこい時はどうしたらいいのでしょう?

本当にしつこい時や、すごく失礼な態度や言葉をかけてくる人に対して皆さんはどう反応しますか?

“f**k off” 、この言葉を言ってしまいそうになったことは何度もありますが、結局私は笑って流してしまうことがほとんどです。それか無視。なんでこんなに失礼な態度を取られているのに言い返せないんだろう? しまいには嘘でも”彼氏いるんで”と言ってしまう自分に本当に情けなくなる。

でもやっぱり、逆上されたりするのが怖いんです。

みなさんはどうでしょう?  “f**k off”(ではなくてもそのような感じの言葉)、言えますか? 私はそうやってはっきりと言える人はかっこいいなと思うし自分もはっきり言ってやらなきゃ! と思うのですがなかなか……。

以前イギリスでイギリス人の友人2人と夜遊びに行く途中、夜道を女3人で歩いていたら、車に乗った同世代の男の子グループがクラクションを鳴らして話しかけてきました。

”そのドレスいいねー、一緒に飲みに行こうよ。車乗んなよ”。と笑いながら話しかけてくる彼ら。友人は最初は普通に断っていたものの、しつこい彼らに対し最終的には“f**k off”を言い放ちました。

しかし、彼女は言ったあとに”あーやばい言っちゃった! 怖いよー! 早くいこいこ!”と言ってきて、やっぱりみんな怖いって感じてるんだなと改めて感じました。

今でもよく覚えている日本でされたナンパがあります。ある夜、女友達とバーに飲みに行った時、知らない男性がいきなり私たち二人の間にどんっと入ってきて話し始めたのです。

まずこれは男女関わらずあり得ないですよね。あなた誰ですか状態。彼は一緒に飲もうと誘ってきましたが、もちろん丁寧にお断り。

何度も断ったら最終的には「女の子2人でそんな露出多い格好で(夏だったので二人とも肩だしワンピースきてた)バーにいるんなんて男探しにきたんでしょ?」と言われました。本当にびっくりしちゃった、いつの時代ですか、って感じ。

女の子だってバーに行きたい時は行くし、着たいワンピースは着るし(大体暑いから露出も多い)、男を探しにきたのかもしれないけど断ってる時点で貴方じゃないです。って。

大人は女の子たちにそんなスカートだから痴漢されても仕方ない、そんな格好しちゃダメなんて言わないでほしい。でもそれと同時に23歳になって、親が心配してそれを娘に言う気持ちもわかるようになった。

実際に自分に子どもがいたらどうだろう? 好きな格好をしてほしい、でも変態に狙われたり、誰かに傷つけられないかは心配。大人はどうしたらいいんだろう?常に子どもを守ってあげられるわけじゃないから。これは男の子でもそうだけれど。

女の子に規制させるより、まずは男の子に女の子も好きな格好をしてもいいんだ、セクシーな格好をしててもそれは何かを意味してないこともあるんだ、しつこく声をかけたり、性的な言葉をかけるのは失礼だって教えて欲しい。もちろん男女関係なくそういったことはするべきじゃないと。

だから私は好きな服を着て、好きなことをして、自分の意見をはっきり言える人でありたいと思う。“f**k off”と言える私ではないし、残念ながら夜道は怖い思いをしながら帰ったり、失礼な声かけに不快になることもあるけれど、好きなように生きていいんだって少しでもまわりに伝わればいいなと思います。

続きの記事<子ども達の写真は誰のもの? Ruru Ruriko「ピンク」>はこちら

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。

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