長澤まさみ(30歳)

長澤まさみ 「悩みは、すぐになくなるようなものじゃない」

長澤まさみ(30歳) フジテレビの月9ドラマ「コンフィデンスマンJP」で11年ぶりの月9主演を務めている長澤まさみさん。telling,女子と同世代でもある彼女に、新しい作品についての思い、30歳の今思うことについてお話を伺ってきました。

30歳、やっと自然体でいられるようになった

 今年31歳になりますが、30歳になってからより自炊を心がけようと思って、料理をしています。和食が多くて、特に煮物はよくつくります。自炊をするのは、ある程度ひととおりはできるけど、嗜(たしな)みとしてという気持ち。それから、ゆとりを持って日々の生活を送ることが大事なんだな、っていうのをより感じるようになったというのが理由でもあります。

 この世代の女性ってけっこう迷ったり、悩んだりすることも多いと思うんですけど、私の場合、それは20代前半ぐらいの頃かな? それこそすごく悩んだり、迷ったりしました。そこから努力して、だんだん解消していった感じです。だから今は、自然体でいられるようになってすっごく楽しいです(笑)。

 悩みって、明日すぐになくなるとかそういうものじゃないと思うんです。仕事もですけど、私生活でも自分に自信をつけてあげることが、悩みの解消につながるのかなと思っていて。それもあって、自炊をしたり、丁寧に暮らそうと心がけているのかもしれません。

 そうそう、お休みの日に何をするかってすごく大事。いま、プチプラコスメが流行ったりして、「お金がかからないほうがいい」みたいな風潮もありますが、たまには自分のご褒美のためにお金を使ってあげたりとか。気分転換のために、自分に投資するのってとてもいいと思います。でも、私も安い定食屋さんとか行きますよ! メリハリが大事かなって。

自分の発する言葉に責任を持てる人でありたい

 自分の中で変えたいな、というところは特にないですね。もともとマイペースなタイプで、「自分は自分」って思っちゃう人なんです。そういうのももしかしたらいいのかな、と思ったりもします。

 でも、変えたいとは思ってないですけど、年齢を重ねて自分は変わってきたな、と思うこともあります。もともと気が強いタイプというか、すごい負けず嫌いなんです。だから昔は「正義感の塊!」みたいな感じで。「悪いこと許せない!」っていう(笑)。余白がなかったなって思います。頑張りすぎちゃうと「強い人」みたいに見えたりするんですけど、自分もそうだったなって。でも真っ直ぐな思いっていうのは、悪いことではないし、大切なことだなって今でも思う。いろんな自分を経ていけたらいいなと思います。

 人からの目や、メディアの伝え方にモヤモヤした時期もありました。今は、少したくましくなったかな(笑)。表現を仕事にする人は、自分も含めて、発する言葉には責任を持つべきだと思っています。いつもポジティブでなくてもいいし、弱音や愚痴もたまには必要だけれど、ネガティブな言葉は自分にも人にも幸せをもたらさないというか。自分をよい状態で保つためにも、言葉にはとても気をつけています。

11年ぶりの「主演」は、気負いなく

 今回は詐欺師の役なんですが、脚本が来たときは正直「自分にできるのかな?」と思いました。人をだますのは苦手だし(笑)、コメディというのも、ジャンルの中では一番難しいなと感じていて。基礎がないといけないうえに、シリアスな部分があるからこそ、笑いが生まれると思うので。

 でも、古沢さん(古沢良太氏。リーガルハイなどの人気ドラマの脚本も担当)が当て書きしてくれたのかな?と思うぐらいの脚本で、こういう演技をしたら、こう言葉を発するだろう、というのをわかって書いてくださっているなという感覚がありました。こういった脚本をいただけるのは、すごくありがたいですね。

 主演という位置づけなんですが、実はそんなに気負っていたりとかはないんです。若い頃に主演のお仕事をいただくことが多くて、そのときは「頑張らなきゃ!」ってすごく力が入っていたんですが、今は人に頼る、ということを覚えたかもしれません。作品は自分だけで作るものではない、ということがちゃんとわかってきたというか……。だから今は、自分のやるべきことをしっかり、コツコツとこなしていこう、という気持ちです。

「面白い人」になりたい

 10年後、40歳になったときには……、「面白い人」って言われたいなあ。昔から思ってるんですよね。「あの人面白いね」「面白い子だね」って言われたい。外見よりは内面を見てほしいって気持ちが昔から強いのもあって……。人生ってユーモアだと思うんです。

 今会いたい人ですか? 好きな料理研究家さんがたくさんいるので、その方たちに会って、料理を教わりたいです。あ、でも5月に教室に行くことになったんです! 申し込んじゃいました。今から楽しみです!

20~30代の女性の多様な生き方、価値観を伝え、これからの生き方をともに考えるメディアを目指しています。
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。