Ruru Ruriko「ピンク」

selflove Ruru Ruriko「ピンク」02

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。

多くの人が朝自分の顔を見ることが多いと思いますが、今日の私はまだ電源をつけていない真っ暗なスマートフォンの画面で自分の顔を見ました。

見た瞬間に思ったのは、
うわーブスだな……。
ここ数年、”セルフラブ”――自分を愛することなどについて考え始めて発信したりするようになってからは、昔より随分と自分のことを好きになってきました。でも未だに朝から落ち込むこともあります。

中高の頃は自分の見た目がとにかく嫌いで、でもイギリスに住み、セルフラブやボディイメージについて知り、そういったことを話しているフェミニスト系アーティストたちと出会ってからはあまり見た目が気にならなくなりました。
自分を特別可愛いと思わないけれど、ブスだとも思わなくなって、まあいいんじゃない?くらいに思えるようになってきたこの頃。

最近思ったのは、私は自分の見た目が好きになったから外見が気にならなくなったのではなく、自分の中身、自分自身を好きになったおかげで見た目という、ティーンの頃の私がひたすら囚われていたものが気にならなくなっただけなんだと気づきました。
だから普段気にしないけどやっぱり自分の鼻も目も嫌いだし、体型だって別に好きじゃない。自分の身体を美しいと思うのってなかなか難しいし、そんなある日すぐに変わるものじゃない。
他人のことなら、いわゆる美人、やスタイルがいいでなくても美しさを発見することは難しくないし、完璧じゃない中にその人にしかない魅力を見ることも沢山あるのに。

自分のことを愛してないと他人にも愛されない。といったことを聞いたりしますが、
そうかな〜? と思います。それより、自分のことを好きじゃないと、誰かから好かれた時に受け止められない、それでうまくいかないということはあるのかなって。

好きな人から好かれると引いてしまう蛙化症候群がありますが、自信がない時って、まわりから可愛い! 素敵! かっこいい! って褒められても、いやいや……ないない……うそでしょ……。みたいになっちゃうことってあると思うのです。
実際に私は、昔おつきあいしていた人から褒められても全然受け止められなくて、反対にすごいプレッシャーになってしまったことがありました。

最近ネットで、自分が素敵だと思ってる好きな人から素敵だと思われている自分、というのを受け止めるのはなかなかの高度なことなんだ!ということを読んで、本当にそうだなと共感しました。
だから私は、恋人、家族、友だち、知り合い、その辺で会った人でも、自分が素敵だと思った人が自分を褒めてくれた場合、素敵な彼らが言ってるんだ! 信じよう。という気持ちで褒め言葉を受け取るようにしています。
あなたからみたら素敵で魅力的なのに、自分に自信がない、自分をブスと言ったりしている人が周りにいませんか?私の周りにはいます。私からしたらとっても可愛いので、なんで! 可愛いよ! 自信持って! って思ってしまう友人。それと同じであなたは自分をブスだと思うかもしれないけれどきっと周りからしたら素敵なところが沢山あると思います。
そういうときは、ちょっとずつでもその言葉を受け入れてみてください。

私は鼻と目はまだ自分のなかで克服できていないけれど、口とホクロは今では好きなパーツになりました。どちらも他人から褒めてもらったことで。

そう思い出すと、私のセルフラブヒストリーはイギリスに住んだ(海外生活で自信がついた、たくさんの国の人々と出会って日本の美の常識は世界とは違うと気づいた)、フェミニズムについて学んだ自分自身がしてきたこと、学んだことだけではなく、誰かが褒めてくれた、誰かが素敵だと私に言ってくれたという周りの人から受け取ったものもすごく大きいなと思いました。(もちろん前者二つも自分だけの力ではないですが)
彼らからしたらさりげなく言った一言が私にとってはすごく嬉しくて、自信につながった。だから「わーブス」って思ったときも、褒めてもらった言葉を思い出して、受け止められる私でいたいし、素敵だなと思ったら私のまわりの人がしてくれたように、自分もまわりに伝えていきたいなと思います。

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18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。