「へたで、いい。」その4

経験ゼロでもできる!『へたおやつ』クッキーレシピ

女優・のんさんの「へたでも、いい」という言葉から、「へた」について考えてきたこのシリーズ。最終回では、オーガニック料理研究家・白崎裕子さんのヘルシースイーツのレシピ「へたおやつ」を実際に作ってみましょう!

 挑戦するのはみんなでザクザク割って食べるオートミールのワイルドなクッキー。調理時間はたった35分! 卵や、バターなどの乳製品を使わないビーガンスタイル、さらに小麦粉も使わないお菓子が、自宅で、しかもこんなに簡単に作れるなんて感動です。

成功の秘訣は「へたポイント」

 「へた」な人でも失敗しないレシピの秘訣は、白崎さんが命名した「へたポイント」。ほとんどの時間をキッチンで過ごす自称・料理オタクの膨大な知識と経験から生まれた、この「へたポイント」さえ守れば、どんなに「へた」なあなたも大丈夫です!

●へたポイント1・・・デジタルスケールで分量はきっちり量る 「へたおやつ」にデジタルスケールは必須です。ボウルを置いて0表示にしたら、そこに材料を量りながら足していきます。入れ過ぎないよう、数字とにらめっこしながら慎重に!

●へたポイント2・・・材料を入れる順番を守る 順番が変わると、粉が水を吸いすぎたり、糖分が溶け出して焦げやすくなったり、仕上がりが変わります。なぜこの順番なのかということも考えながら、レシピ通りに材料を入れてください。

●へたポイント3・・・段取りを考えてオーブンを温めておく 「へたおやつ」は生地作りの時間も短いので、下ごしらえができた時、オーブンが温まってないということにならないように気をつけて!

 ではさっそく、つくってみましょう!

割りながら食べる「オートミールワイルドクッキー」

〈材 料〉(オーブンの天板一枚分)

オートミール・・・60gA{米粉・・・40g  白いりごま・・・20g  塩・・・ひとつまみ}、好みの植物油・・・40g、メープルシロップ・・・40g、レーズン・・・20g

 実際には、材料はあらかじめそれぞれの分量を量っておく必要はありません。それぞれの袋や容器から直接デジタルスケール上のボウルに入れ、そのつど重さを量って大丈夫です。

〈つくり方〉(調理時間約35分)

① オートミールをボウルに入れて量り、手で握りつぶすように細かく砕く。

② Aを加え、ヘラでよく混ぜる。

③ 植物油を加え、粉気がなくなるまで混ぜる。フレーク状になり、油が全体に行き渡るまで。

④ メープルシロップを加えて混ぜ、ひとまとめにする。油を先、水分(メープル)をあとに入れるのがポイント。米粉が油でコーティングされ、水分を吸いすぎずサクサクに。

メープルシロップの代わりに、てんさい糖25gをお湯15gで溶かし冷ましたものでも可。はちみつは焦げやすいので、このクッキーにはおすすめしません。

⑤ 最後に生地にレーズンを加え、オーブンシートの上に生地をのせる。レーズンの代わりにお好みのドライフルーツやナッツ、チョコチップなどでもOK。生地に混ぜるのはどの場合も最後に。

⑥ 上にラップをかけて麺棒で好みの厚さにのばす。厚めなら焼き時間を長めに、薄ければ短めに。麺棒の代わりにラップの芯を使ってもGood

⑦ ラップを外して、天板にのせます。この間に、オーブンは160℃に温めておきます。

⑧ オーブンに天板を入れ、2530分焼きます。焼き上がり時間に幅をもたせているのは、厚さによって焼き上がりが異なるから。25分の時点で一度様子を見て、まだ少しやわらかければ、もう少し焼きます。

⑨ 完成! オーブンシートのまんま取り出して、ザクザク割りながらワイルドに! どんな形に割れるかも楽しい。仲間との話もはずむクッキー。ぜひ、みんなでワイワイつくってみてください!

白崎裕子(しらさき・ひろこ)さん プロフィール

料理研究家。逗子市で40年続く自然食品店「陰陽祠」主宰の料理教室の講師を経て、海辺の古民家でオーガニック料理教室「白崎茶会」を主宰。『かんたんお菓子』(WAVE出版)、『白崎茶会のかんたんパンレシピ』(学研プラス)など著書多数。『白崎茶会のあたらしいおやつ』(マガジンハウス)で昨年の料理レシピ本大賞・お菓子部門の大賞を受賞する。http://shirasakifukurou.jp/

大学卒業後、テレビ番組制作現場でバラエティー、旅番組、報道番組などのディレクターを務め、2012年からはフリーの構成作家・ライターとして活動。近年は東京・荏原中延の「隣町珈琲」で「火鉢バー」を不定期開催中。
へたで、いい