みんみん×まふねこ 結婚を語る〈後編〉

【古谷有美】【真船佳奈】古谷有美✕真船佳奈#4 いまだに手札は「私の仕事すごいだろっ」のむなしさ

telling,で大人気連載中の「女子アナの立ち位置。」で、みんみん画伯としてイラストを描いているTBS古谷有美アナ(31)と、毎週月曜日に元気をくれるマンガ「“親指レディ”OLサム子」を連載中のテレビ東京(BSテレビ東京出向)の真船佳奈さん(29)。前編に続いて結婚について、まだまだ語ります。

●みんみん×まふねこ 結婚を語る〈後編〉

「子どもの成長をつづったほっこり投稿に癒やされる」(真船)

古谷さん(以下古谷) 時々ふと、30歳で独身で、なんかすごく疲れてて、家に帰って晩酌してくれる人もいなくて……私大丈夫かな……と思う時があるんですよね。

真船さん(以下真船) わかる(真顔)。

古谷 仲の良い子のラインで「子どもの歯が生えた」という写真が送られてくると「こういう人生もあったのかな」って。

真船 めっちゃ思います。同世代には2人目を産んでいる子も多いので、フェイスブックのタイムラインが子どもの写真で埋めつくされています。プロフィールのアイコンも本人の写真から子どもの写真になって、夫の名字に変わってて……となると、誰だかわからなくなってしまう。自分じゃなくて、子どもが主役になるんですよね。

そんな中、私は今でも「私がやってる仕事はこれだ!どうだ!バババ」って「自分」のカードを切ってる。

古谷 ロイヤルストレートフラッシュのカードが全部自分なんですよね。勝てるか?って思うけど、もはや勝ち負けの世界ではない。彼女たちは仏の領域に入っているんですよね……。

真船 最近は子どもの成長をつづったほっこり投稿に心が洗われます。なので、私は自分が何を投稿していいのかわからなくなって投稿をやめました。

古谷 私はインスタで、赤ちゃんの動画や画像を紹介してくれるアカウントを見ています。この子もこの子もかわいいねって我が子のように。アルカイックスマイルで。

真船 私の場合、それは犬ですね。

古谷 赤ちゃんと犬は鉄板ですよね。

「4人の女子会。3対1の1になったら焦る」(真船)

古谷 この年になると「結婚まだなの?」って聞かれるようになりました。その前提には「普通」は結婚している年齢だよねというのがあると思うのですが、その「普通」ってなんだろうって考えちゃいます。私の「普通」。このくらい働いていて、このくらいの稼ぎの人の「普通」。

真船 私はデータってあてにならないじゃん!って思っています。例えば、「朝ごはんを食べると頭が良くなる説」。実は、朝ごはんを毎日食べられるような家って、「生活環境が整っている」家庭であって、言い換えれば子どもが安心して勉強できる環境のある家なんですよね。つまり、朝ごはん自体が脳にいいのではなくて「勉強ができる子どもは朝ごはんを食べられる環境にいる」だけなんだと聞きました。それ以来、データを鵜呑みにするのは怖いと思うようになりました。

とはいっても、4人で女子会して、3対1の“1”になったら「やべー」って思っちゃうんですけどね。身近に感じるデータはこわい!

古谷 私もそれ“1”の人です……。

真船 結婚したい、絶対したい!って思う時と、したくない時が繰り返しでくる。結婚っていう一生の決断をするには、よっぽどペースが合う人じゃないと難しいなあと思って、結局理想が高くなってしまう。

古谷 ペースとか、タイミングって大事ですよね。

真船 ですよね! でも、タイミング悪い人もいるじゃないですか。全部予定が埋まってるときに、なんで誘ってくるんだ……みたいな。

「『夜遅くに女子アナと飲み』は彼女からしたら嫌ですよね」(古谷)

古谷 私は、しょっちゅう連絡がくるのが苦手です。昔の人はラインも電話もなかったんだぞ。手紙を届けるひとが、文を届けてくれてようやく相手のことを知れたんだぞ、と。一晩返事がないくらいで、気をもむんじゃないよって思いますね。

真船 一晩は微妙なライン……。でも、私は気をもんじゃうかも。

古谷 「最近連絡してないな」と思っても、「何してる?」とは聞かずに、「う~ん、たぶん元気にしてるよな!」とスマホをそっと置いちゃうんです。

真船 相手を信じてるってことなんでしょうね。健康で生きてさえいてくれればいい、みたいな。疑うのって時間の無駄ですもんね。疲れるし。

古谷 私の場合、きっと職業イメージ的に自分が心配かけちゃう申し訳なさがいつもあるので、相手を疑うよりも信じるほうに自分は時間を使いたいな、と。一般企業に勤めるOLさんからすると、あり得ない時間に飲み会をすることもある。例えば22時から、同期のディレクターと仕事の話をするために飲んだりするんです。でも、彼の彼女からしたら嫌じゃないですか。たとえ同期とはいえ、女子アナと夜遅くにお酒を飲んでいるのって。私は基本的に嫌な思いをさせる側にいると思っているので、相手を疑うようなことはしないようにしています。

真船 古谷さんは明日にでも結婚できますよ。精神的に大人なんで。私もその境地にいけるように頑張ります。

古谷 ありがとうございます(笑)。うれしいな、ご祝儀分いただきました。

真船 もうご祝儀なんてシュッシュッシュッシュッて(手裏剣を飛ばすポーズ)ばらまいてますよ。もうご祝儀妖怪ですよ。ほんと、私が一番めでてーよってな。

1988年3月23日生まれ。北海道出身。上智大学卒業後、2011年にTBSテレビ入社。報道や情報など多岐にわたる番組に出演中。特技は絵を描くことと、子どもと仲良くなること。両親の遺伝子からかビールとファッションをこよなく愛す。みんみん画伯として、イラストレーターとしての活動も行う。
テレビ東京社員(現在BSテレ東 編成部出向中)。AD時代の経験談を『オンエアできない! 女ADまふねこ(23)、テレビ番組作ってます』(朝日新聞出版)にまとめ、2017年に漫画家デビュー。ツイッターアカウントは@mafune_kana
telling,の妹媒体?「かがみよかがみ」編集長。telling,に立ち上げからかかわる初期メン。2009年朝日新聞入社。「全ての人を満足させようと思ったら、一人も熱狂させられない」という感じで生きていこうと思っています。
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。 コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。