キレイの定義

「運命を変える髪型」を見つける、失敗しないオーダー方法

telling,での人気連載「本という贅沢」を執筆している佐藤友美(さとゆみ)さんは、書籍ライターでもあり、日本で最初のヘアライターでもあります。さとゆみさんが伝えたいのは「女の運命は髪で変わる」ということ。なぜ髪が重要なのかを解説した前編に引き続き、後編では実際に美容院で「なりたい髪型」に近づけるオーダー方法を教えてくれました。

●キレイの定義

「どうなりたいか」をしっかりと伝える

「なりたい髪型」「目指したい女性像」になるための髪型は、どう作っていけばいいのでしょうか。まず、美容師さんは「髪のプロ」ではあるけれど、エスパーではないということをしっかり心に留めてください。声に出して「どうなりたいか」をしっかりと伝えないと、伝わらないんです。

一つ、伝える訓練としてやってほしいことがあります。
1.「どんな自分になりたいか?」「誰にどんな言葉で褒められたいか?」を20個書き出す
2.その中から3つ、優先順位をつけて選ぶ
3.なぜその3つが大事なのか、どんな風になりたいのかを掘り下げて考える
4.できれば友人などに、その3つのキーワードとそれを選んだ理由を伝える

講演会でも、参加者同士でなりたい自分のワードを書き出し説明するワークが行われました

この、4.で話をしたように美容師さんにも伝えればよいのです。「そんなに素直に言うのは恥ずかしい」と思ったとしても、「なりたい自分」に近づくためには重要なことなので、ぜひやってみてください。美容師さんはそれをもとに、あなたに「似合う」髪型を提案してくれます。

「似合わせ」には2種類ある

美容師さんが行う「似合わせ」には2種類あると考えてください。一つは顔・髪質への似合わせで、一般的にこちらの意味で「似合う」という言葉が使われがちです。でも、もう一つ大事なのは気持ちへの似合わせです。自分がどんな自分になりたいかといった、この気持ちへの似合わせがうまくいかないと、どんなに顔や髪質に合っていてもピンとこないとなりやすいんです。

たとえば、同じボブでも「かわいいボブ」と「かっこいいボブ」では、美容師さんは全然違う切り方をします。イメージを伝えにくかったら、「こうなりたい」と憧れている芸能人やモデルの切り抜きを持っていくのもおすすめです。「モデルの写真なんか持っていって、どうせ顔が違うしって思われないかな」と恥ずかしがっている人、大丈夫です。美容師さんはそんなこと思っていません!意識しているのは自分だけです。

美容院は言うなれば、病院と同じです。「おまかせ」と言ってしまうのは、どんな症状か伝えないまま診察してもらっているのと同じ。自分のことをしっかりと伝えてください。

さらに自分の普段のお手入れ方法、例えばコテを使う、スタイリングが苦手などを伝えておくと、扱いやすい髪型にしてもらえてより「似合う」への精度が高まります。

美容院の賢い選びかた

最近はクーポンサイトも充実しているので、「新規の方限定」のクーポンを狙って毎回毎回違うサロンに行く、という人の話も聞きます。でも待ってください。頭の形、髪質は一人ひとり違うので、毎回違う場所に行くということは、その分「あなたを理解していない」人のところに行くということになるんです。はじめましての場合は、お互いのことを理解するのにも時間がかかります。言ってみれば、毎回治療のたびに違う歯医者さんに行くようなものです。

あとは、美容師さんとの人としての相性が大事です。自分の気持ちを伝えやすい、話しやすい人を選ぶようにしましょう。あとはできれば、友人の中で一番理想の髪型をしている人に美容師さんを紹介してもらってください。そして、その美容院ではなく、美容師さん個人を指名してみてください。美容師さんは紹介のお客さんをとても大切に考えているので、より親切にしてもらえるはずです。

髪を変えて、自分に自信をつけて

例えば親から「可愛くない」と言われて育ったり、容姿にコンプレックスがあったりする人は自分に自信を持てなくて「どうせ私なんか」って言ってしまいがちです。私はいろんな事情でそうやって自信をなくしてしまった人を、髪の毛を変えることで自信を持てる、自分を好きになれるよ、と伝えて救っていきたいんです。

人は、自分のことを好きになれるから人を好きになれるんです。自分のことが好き、大事だと思えたら、今まで挑戦できていなかったいろんなことにチャレンジできるようになれます。髪の毛は体の中で切ったり、染めたり、自分の自由にできる部分。毎日自分の目に入る髪の毛が、自分の気にいった状態になることで自分を認められて、自分に自信をつけられるようになります。みなさんも、髪の毛を変えて、どんどん前向きに運命を切り開いていってください。

女の運命は髪で変わる

佐藤友美:著

(サンマーク出版)

朝日新聞バーティカルメディアの編集者。撮影、分析などにも携わるなんでも屋。横浜DeNAベイスターズファン。旅行が大好物で、日本縦断2回、世界一周2回経験あり。特に好きな場所は横浜、沖縄、ハワイ、軽井沢。
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