実家で迎えた3年ぶりのお正月
●編集部コラム
母親の意外な反応。そのワケは…
2018年末、約3年ぶりに実家に帰ることにした。実家は、今住んでいるところから新幹線と在来線を使って約4時間。決して遠くていけない距離でもないし、お金がかかるからいけないわけでもない。本当は、去年も一昨年も、お正月休みを利用して実家に帰ろうと思っていたのだけど、母親から「風邪をひくから絶対にくるな」と言われていたので、いけなかった。
実家は、寒冷地帯。地域自体が底冷えする寒さなので、「風邪をひくから来るな」という母親の言葉は間違いではない。夏は、帰ろうと思えば帰ることはできたけど、忙しさにかまけて帰ろうとしなかった。
今年のお正月も、また母親から「風邪をひくからくるな」といわれるかなと思ったけど、意外にも母親から帰ってきた言葉は「気をつけておいで」という言葉だった。3年間帰ってなかったから、母親も寂しくなってきたのかもしれない。
母親の言った通り、になった
年末は12月29日から帰ったけど、本当に寒かった。
外にいる時は上着を着ているからそれほど寒さは感じなかったものの、部屋の中はとにかく寒い! エアコンの設定を30度にしても、どうにも力ない22度くらいの風しか出ないうえに、部屋に欄間が2枚入っていて暖かい風は全部廊下に逃げていく。
一歩廊下に出たら、寒すぎてお風呂じゃないのにヒートショック(※)で倒れるかと思ったレベル。母親いわく、ビールを冷やすなら冷蔵庫よりも廊下においとくほうがよく冷えるらしい。そんな寒い家なので、到着1日後の12月30日には風邪をひいた。咳が止まらない。母親の言うとおりになった。いつもは口うるさい母親に「だからいったでしょ!」と言われるかと思ったけど、今年は言われなかった。
※家の中の急激な温度差により血圧が大きく変動し、失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすこと
今は元気な親も、この先のことはわからない
70歳を超える母親は、ずっとここの地域に住んでいるため、寒さにはめっぽう強い。さらに、毎日スポーツジムに通っているうえに、健康にも人一倍気を遣っているから、元気でしかない。
そんな元気な母親だけど、やっぱり70歳を過ぎたから心配もある。父親は亡くなっているため、現在は一人暮らし。ひとりだけど元気。元気だけど年は70歳過ぎ。
変な話、いつ介護が必要になってもおかしくない。母親自身も、それはよくわかっているようで「認知症になったら、施設にいれてくれ」というようなことを、以前から冗談半分で話している。そろそろ本気でこの先のことを考えなければいけないけど、いったいなにをどうしたらいいんだろう。
あと何回、お正月を一緒に過ごせるのかな
風邪をひきながらも、実家で迎える久しぶりのお正月はやっぱり懐かしい。31日は母親と紅白を見て、12時になったら近くのお寺に除夜の鐘をつきに行き、そのままお宮参りへ。昔は飲めなかった甘酒に口をつけて、体を温め、家に戻る。
新年は、母親の作ったお雑煮を食べながらのんびり。家にいても、持ち帰った仕事があるため母親や、顔を見に来た親戚とそれほど話すこともなく過ごしていたけど、やっぱり実家のお正月は落ち着く。寒くて、寒くて、実家にいる間はずっと風邪をひいていたけど、それでも楽しかった。
今年の冬は、1月5日まで実家にいたため、かなりゆっくりできた。2019年の年末は、実家に帰るのかどうかは未定だけど、今年は夏休みあたりに、また実家に帰ろうと思う。親も年だし、いつまで元気でいられるかわからない。親孝行なんてたいしたことはできないけど、実家に帰って一緒に過ごす時間は、大切にしたい。そんなことを感じたお正月休みでした。