【Dr.尾池の奇妙な考察01】なぜ私たちは恋をするのか、生粋の理系男子が論理的に考えてみた
●Dr. 尾池の奇妙な考察 01
理系男子が考える「美」
私の専門は分離技術です。コーヒーフィルターのようなものでいろんな成分を取り出したり、取り出したものをまた組み合わせたりして新しい商品を開発しています。海水を真水にしたり、豚の胎盤から化粧品を作ったりしています。
コスメに関わるようになって、美とか、愛とか、これまでまったく縁がなかったキーワードが出てくるようになりました。なにより商品の最終ゴールが美ですから、美の定義についてもしっかり考えなければ仕事になりません。
美とは何か?
大抵はここで、「美は人それぞれですよ」と妙に落ち着いたフレーズを聞くことになりますが、いやいやいや、そんなはずはないです。
なぜ、みんな「地球は美しい」と感じるのか
極端な例でいけば、地球やダイヤモンドは大抵の方が「美しい」と表現します。
定義がなければ、大抵の方がそれを見て同じように美しいと言うわけがないです。そして美の逆も同様です。
なぜそれは美しく見えて、あるものは美しく見えないのか。私のいまのところの定義は「環境バランス」です。美しいと感じた時、そこにある成分、流れ、共生のバランスが、私たちにとって都合のいいバランスになっている。地球がまさにそうです。
地球はでかいですから、少々環境破壊が起きてるとしても、大雑把に見れば、やっぱり人間にとって都合がいい住みよい星なんでしょう。だから誰の目にも美しく見える。
美しくないものをイメージするのははばかられますが、いろいろあります。
やっぱり例がないと説明しにくいですね。たとえばゴキブリ。あれも不思議な生物です。だれもが例外なく美しくないと感じる。きっとものすごく都合が悪いんでしょう。成分で言えば雑菌を持ち込んでくるかもしれない。流れでいけば、動きが予測不能。私たちとの共生関係はゼロです。向こうは共生してるつもりなんでしょうけど。人の家に土足で上がり込む天才です。
純物質だから単純にキレイ
ダイヤモンドはどうでしょうか?ダイヤモンドは美しいと言うより、純物質だから単純にキレイに見えるんだと思います。月は面白いです。遠くから眺めると美しい。黄色く光ってキレイという言い方もできそうですが、やはり美しい。そこに何か私たちとの関係性を見ているような気がします。ところが不思議なことに近づくと美しいとは言い難い住みにくそうな風景が見えてくる。距離や時間によって見えてくる環境バランスが違うのかもしれません。
美しいものには複雑な関係性を見ている。私たちという生命自体が複雑ですから。生きるには複雑な関係性が必要なんです。それが成分であり、流れであり、つながりのバランスです。
なぜあの人にキスしたくなるのか、なぜあの人を”好き”になるのか
そして私たちにはその複雑な環境バランスを見抜く力が備わっているんだと思います。生きるために。
美しいと感じる感覚は、自分が本当に必要としている環境バランスを見抜く感覚。
そして美しくなろうとする欲求は、誰かにとって必要とされる環境バランスになりたいという欲求。
だから誰かの唇を見てキスしたくなったとすれば、その唇に理想的な環境バランスを見つけたのだと思います。
キスをしたとします。それはその理想的な環境バランスを獲得したということ。
同時に、キスできたということは相手も自分の唇に理想的な環境バランスを見つけてくれたということなんだと思います。
私のどこを好きになったの?と聞かれれば、それはあなたが育ててきた環境バランス「すべて」ということになります。
今回のまとめ
・美しさの判断は「環境バランス」による
・地球が美しいのは人間にとって都合がいい住みよい星だから
・理想的な環境バランスに恋をする
尾池博士の所感:若い女性にお聞かせする話のさじ加減が分からず、まだいまいちはじけ切れていない僕です。
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第1回【Dr.尾池の奇妙な考察01】なぜ私たちは恋をするのか、生粋の理系男子が
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