エモいのとSEOのはざまで

telling,編集部コラム、水曜日担当の藤井です。今回はちょっと真面目に、この仕事について思うことを書き綴ります。

誰かが言っていました。「最近のグーグル検索では、欲しい情報が全く見つからない」。こんな意見も聞きました。「検索上位に出てくるのは、ゴミばっかり」。

まあこれはちょっと過激な意見かもしれませんが、だいたい同意するところではあります。特に観光地の名前で検索すると「京都観光50選!」とか「横浜のおすすめスポット30選!」とかばっかりで、50選って行けないでしょ1日で…と思いますよね。それで、ネットの情報は役に立たないから、やっぱりガイドブック持っていこう、ってなったりします。

それはSEOのせいだよ

かくいう私も、ここに来る前はそういう記事を作っていたこともあったので、全然人のことは言えません。ごめんなさい(ここであやまるなど)。検索で上位に来るためには、SEOというのが重要になってくるので、そのせいなのです。

「横浜観光〇〇選!」で定番で出てくる氷川丸。うーん汗

SEO、サーチエンジンオプティマイゼーション、訳して検索エンジン最適化、とでもいいましょうか。検索エンジン、すなわちグーグルの好むようにキーワードをちりばめたり、タイトルをつけたりすると、上位に上がるようになる、というテクニックです。

みんな、できることなら自分のサイトに人が来てほしい。そのために、Googleに好まれるルールで記事を作る。その結果、「おすすめ観光50選!」みたいな記事が量産されていくのです。

もっとエモい記事がよみたい

しかし、です。Googleが好きな記事と、人間が好きな記事って違うと思うんです。やっぱり、超マニアックな人がゴリッとおすすめするスポットとか知りたいし、あー、こんな事考えてる人がいるんだあ、ってことも知りたいし。インターネットって、本来はいろんな人の意見を知ることができるツールだったはずなのに、なんだか最近不自由だなあ、と感じることがあります。

「見たことない絶景!奄美大島の海がきれいすぎる」みたいなタイトルには飽き飽きしてる…けどそっちのほうがGoogleで上がるんだよねえ

telling,で原稿をチェックしていると、タイトルを見て「これはSEO的には全然上がらん」と思ったりするわけですよ。でも、そのタイトルには筆者の思いが込められてたりするし、なによりエモかったりするわけで。でも、このままだと読まれないなあ(=そもそも多くの人の目に触れられない)とか、毎回すごく葛藤します。

まあ、そこを読んでもらうように考えるのがこの仕事であり、やりがいがあるわけですが。「いいな」と思った記事をもっとたくさんの人に読んでもらえるように、今日も頭を悩ませています。

朝日新聞バーティカルメディアの編集者。撮影、分析などにも携わるなんでも屋。横浜DeNAベイスターズファン。旅行が大好物で、日本縦断2回、世界一周2回経験あり。特に好きな場所は横浜、沖縄、ハワイ、軽井沢。
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