グリルした野菜が朝の定番メニュー ―食べ方は、生き方だ。03
●食べ方は、生き方だ。03 ーニューヨークの朝ごはんー
- 本日のあさごはん:イタリアンブレッドのトースト、グリルしたズッキーニ、トマトとアボカドとコーンをオリーブオイルとバルサミコビネガーと塩胡椒であえたもの、アーモンドミルク入りコーヒー、バナナヨーグルトのきな粉がけ
合田沙おり 俳優(33)
赤ちゃんが7時ごろに目を覚ますので、それに合わせて朝ごはんはいつも7時半ごろから。親歴10カ月の夫婦が、代わる代わる坊やに離乳食を与えながら、親子3人で食事をとる。夫婦の朝食はトーストとグリルした野菜が定番。野菜をグリルして食べるのはサラダより手間がかからないから。「ズッキーニ1本、にんじん1本でもあれば、オリーブオイルで焼くだけでとりあえず一品料理になります。サラダだとレタスにトマトとかいろいろ入れたり、野菜を混ぜるのに使ったサラダボウルを洗ったりするのが面倒で……」
合田沙おりさんは子どもの頃から俳優に憧れ、大学時代に劇団に所属。大学卒業後は芝居やミュージカルに出演したこともあり、俳優として身を立てたいと思っていた。「でも、それで生活していくのは難しいと思って、ナレーションなどの声の仕事にシフトしつつありました」
一方で、ニューヨークで働きながら暮らしてみたいという気持ちを持っていた。まだ20代前半だったこともあり、思い切って仕事をいったん休み、1年したら帰国するつもりでニューヨークへ。ニューヨークに来てすぐ、参加した異業種交流会でMCをしていた俳優で殺陣師の日本人男性と出会い、仕事でもプライベートでも支え合うようになり、3年前に結婚、昨年出産。結局帰国はせず、ニューヨーク暮しは10年になった。
――帰国しなかった理由は?
「ニューヨークには自分がしたいことを素直に頑張っている人がたくさんいました。それを見て、『私はチャレンジする前から諦めてしまっていた。一番やりたいことを頑張ってみたらいいんだ』と思えたんです」
日本では映画やドラマには若い頃から有名な俳優が起用されることが多く、無名の新人がチャンスをつかむのは難しかった。でも、ニューヨークなら誰でもオーディションに応募することはできる! 合田さんはニューヨークで頑張る決心をした。
それでも、はじめの頃は英語で出された指示が何度聞いても聞き取れなくて、その度にめげては泣いた。だが、諦めずにオーディションにチャレンジしているうちに、ときどき合格するようになる。やがて企業広告の大きな仕事が決まり、それが自信につながった。
「けっこう大きな仕事で、オーディションに受かったときは泣いて喜びました」
現在制作中のショートフィルムでは自閉症の子どもを持つ母親役に抜擢され、初の母親役に挑戦。このフィルムには夫も出演し、夫婦共演を果たしている。
- ○ 英語のハンディをどうやって克服した?
- あるオーディションで、「アメリカで俳優としてやっていくなら、発音矯正を受けた方がいい」とアドバイスされ、アクセントリダクションの先生について発音やアクセントを矯正しました。また、家庭内では俳優でもある夫と英語で会話をするようにしました。夫婦げんかも英語です。二人とも関西出身なんで言葉が悪い。Fワード(下品なことば)で叫びまくります。意地でも英語でけんかしてました(笑)。“してました”と過去形なのは、子どもが生まれてからは、家の中では日本語で話すことにしたからです。私たちの英語を子どもに聞かせるのはよくないんじゃないかと思って。ちゃんとネイティブの英語を聞かせないと……。
- ○ 夫が同業者でよかったことは?
- 2人とも仕事のスケジュールがフレキシブルなので、夫が仕事がオフのときは子どもを見てもらえることと、私の仕事を理解してくれることです。例えば、急に仕事が入って、家族の旅行などの予定をキャンセルしなければならないときでも、「大切な仕事が入ったときはそちらを優先させよう」と言ってくれる。お互いに相手の仕事に理解を持てることがいいですね。
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