食べ方は、生き方だ。02 ーニューヨークの朝ごはんー

決め手は、ピーナツバター! ―食べ方は、生き方だ。02

ご飯の食べ方を聞いたら、その人の人生への向き合い方もなんとなく分かるもの。ニューヨークに住むミレニアル女性のある日の朝ごはんを通して、ニューヨークの文化や女性たちの生き方を見つめます。腹持ちが良さと洗い物の少なさ、ヘルシーさを追究して、たどり着いたレシピとは――。

●食べ方は、生き方だ。02 ーニューヨークの朝ごはんー

  • 本日の朝ごはん:ピーナツバタースムージー
    9月から大学院生(29)

定番レシピにたどりつくまで

 「私は朝型人間なんです。仕事があってもなくても、夜遅くまで起きていた翌朝でも、目が覚めるのはいつも決まって7時ごろ。だから朝食も毎日7時半ごろに食べます」

 Sはニューヨーク、クイーンズの静かな住宅地のアパートにアジア人女性のルームメイトと住んでいる。2つのベッドルームの間にゆったりとしたキッチンがある間取りなので、お互いにプライバシーが保てて、快適に暮らせそうだ。

 Sは、以前は朝食にオートミールを食べていた。でも、お腹が重たくなるし、お湯を沸かしたり、食後に使った鍋を洗ったりするのが面倒なので、ヘルシーで手軽に作れるスムージーのレシピを探していた。スムージーを飲むようになったのは1年前からだ。

 さっそく冷蔵庫からスムージーの材料を取り出す。一口にスムージーといってもさまざまなレシピがあるが、Sの定番スムージーの材料は下記の通り。これをブレンダーにかければでき上がり。

本日の朝ごはん:ピーナツバタースムージー(写真はミキサーにかける前)

  • ○アーモンドミルク
    バナナ
    ピーナツバター(大豆パウダーで代用してもいい)
    ほうれん草

スムージーに、ピーナツバター?

 このレシピが気に入っているのは、ライトなのに、ピーナツバターがはいっているので腹持ちがよく、お昼までお腹がすかないから。しかも、このピーナツバター、ちょっとこだわりの一品。「ふつうのピーナツバターは塩が入っているし油っぽいんだけど、これは本当にピーナツそのものの味。職場近くのオーガニック専門の食料品店で作ってるんです。一度なんか、買いに行ったら、『ちょっと待てる? 今作るから』って、10分くらい待っている間にその場で作ってくれました」
 ミルクも牛乳や豆乳などいろいろ試してみて、アーモンドミルクで作るスムージーが一番気に入ったので、このレシピに落ち着いた。

 味見をさせてもらった。ピーナツバターの適度なコクがあってとてもおいしい。普通の牛乳より軽い口当たりのアーモンドミルクを使っているので、満足感が得られるのに重すぎない。忙しい朝にはよさそうだし、ほうれん草のグリーンで色もきれいだ。

この春で、仕事を辞めた理由

 Sは韓国ソウル市生まれ。16歳のときに父の仕事の関係で、家族でアメリカにやって来た。ただでさえシャイで話すのが苦手なのに、いきなり英語の環境に放り込まれて戸惑った。大学でコミュニケーションを専攻したのは、自分をもっとよく知りたいと思ったからだという。

 大学卒業後は、ニューヨークの韓国系コミュニティペーパーのレポーターとして働いた。仕事で多くの人と話すようになったことも、人と話す苦手意識の克服に役立った。だが、その仕事をこの春で辞めた。

 この秋から、アルバイトをしながら大学院でさらにコミュニケーションについて勉強するという。お金が足りなければ学資ローンを借りることになるかもしれない。それでも勉強したい。「コミュニケーションについて深く学びたい。できれば、大学で教えられるようになりたいと思っています」

英語をどうやって克服したか

  • ○アメリカに来たとき、英語は話せた?
  •  アメリカに来た当時は、英語は5つくらいの単語やフレーズをやっと話せる程度。何をどう話したらいいかわからなくて、高校のときはろくに話せませんでした。大学でコミュニケーションを専攻したのは仕事のためじゃなくて、自分自身がコミュニケーション力を必要としていたからなんです。
  • ○苦手だった英語をどう克服した?
  •  大学ではなるべく人と話すようにしたり、パブリックスピーキング(スピーチやプレゼン)のクラスを取るなどしたら、グンと力がつきました。今思うと、高校のときは恥ずかしくて、あまり頑張って話そうとしていなかった。
     もっと努力していたら、まわりの人はもっと助けてくれたと思うんです。英語ができなくて困ったときは、遠慮しないで、まわりの人に自分が何に困っているか、どういう助けが必要なのか伝えるといいと思います。何を必要としているのかが理解できれば、みんな力になってくれます。自分が思っているより、人は親切ですよ。

次回<グリルした野菜が朝の定番メニュー>はこちら

ライター。東京での雑誌などの取材・インタビュー・原稿執筆などの仕事を経て、2000年に仕事と生活の場をニューヨークに移す。
食べ方は、生き方だ。