私らしい“結婚”【契約結婚02】

契約によって”運命の人を見える化”すれば、月末にも結婚できる

10年ぶりに連絡がきた元カノから「契約結婚」を提案され、交渉するも「子ども」をめぐる条件で決裂。 今も「恋愛結婚で得られる楽しい楽しい新婚生活よりも、信頼関係と利害関係で結ばれるフォロワーが欲しい」と「契約結婚」を推奨する人気ブロガーのuiさん(36)に、メリットを聞いてみました。

●私らしい“結婚”01 契約結婚を試みる男女(中編)

前編:「契約結婚」の経緯

――uiさんが契約結婚に求めるものは何ですか?

uiさん(以下ui) 二つあります。一つは社会的なメリットです。日本では法律婚で得られることって多いと思うんです。税金の優遇だったり、社会人としての信頼性とか。二つ目は人生最高のフォロワーです。何かあったときに一番頼りになる最高のフォロワーを求めてます。それが手に入るなら、そこに恋愛感情はなくてもいいと思います。だってどんなに好きでもその感情は必ず薄れていくじゃないですか。それだったら最初から信頼関係と利害関係の一致で結ばれる相手がほしい。恋愛結婚で得られる楽しい楽しい新婚生活よりも何百倍もほしいです。

神様はもう僕らを信用していない

――確かに恋愛感情をいつまでも持ち続けるのは難しいですよね。

ui  恋愛して楽しい楽しい新婚生活を送っていたはずの夫婦の3組に1組が離婚しています。人数にして46万人。これって東京ドーム10杯分、超満員の嵐のコンサート10杯分ですよ。子どもや金銭的な事情などから離婚したくてもできない人だってきっと大勢いる。

 神様の前で「病めるときも健やかなるときも誓います」って言ったのに。さすがにこれだけ離婚してたら、もう神様は全然信用してないと思います、僕らのことを。「ちょww待て待てww永遠とかwww片腹痛いわ人間どもwww」って思ってますって、神様。

 多くの人は「運命」という便利な言葉にとらわれてしまい、大切な現実を見ることができなくなる。大事なことを置き去りにする。それがいつしか取り返しのつかないことになり、出てくるのは「こんなはずじゃなかった」という感情。大切なものを見失うくらいなら恋愛における「運命の人」なんてノーサンキューです。ちゃんと結婚に求めるものや未来を話し合い、「運命を見える化」して、契約する。それはもう十分運命の人、なんです。

結婚は3組に1組が負けるギャンブル

――「好き!」という人を「運命の人」にせず「契約内容が合う人」を「運命の人」とするわけですね。

 みんな「運命」という便利で不確かな言葉にとらわれて、夢を見ちゃってると思うんです。結婚がギャンブル性の高いモノになっているように思うんですよね。3組に1組が負けるギャンブル。

 契約結婚はペナルティが明確になることも非常に大きいメリットです。普通の結婚はお互いのボーダーラインを探りあっている部分があると思うんです。愛情を盾にして「この人は愛し合って結婚した人なんだから、これくらいなら許してもらえるだろう」って。愛する人に我慢や苦労や負担を強いてる。感情のはけ口にしたり、時には自分の両親のような役割まで求める。
「愛してるんだから、僕たちは夫婦なんだからやってくれ、わかってくれ」って。それは暴力ですよ。そういった意味では恋愛結婚でもペナルティを明確にするべきだと思います。愛情を過信せず、長く一緒にするためにOKNGのボーダーラインを明確にするんです。

 それに、結婚までのプロセスも恋愛結婚は時間がかかりすぎる。例えば2018年に出会って、19年に育んで、20年にいざ結婚! って! もう東京五輪が始まってしまう。その点、契約結婚なら、条件のすりあわせをして、早ければ月末に入籍もできちゃうわけです。春夏秋冬をめぐることなく、この場で即決できるわけです。

――確かに日本の離婚率は世界でもトップクラスです。私の友達も離婚している人はいます。みんな傷ついています。

 契約結婚は傷つかない。契約結婚における離婚は契約解除ですね。契約を維持できないから契約を解除するだけです。恋愛結婚みたいに「なんで別れるの?! 愛してるって言ってくれたのに! 別れるって言わないで! ごめんなさい!! 悪いところ言って!! 全部治すから!!」ってならないんです。ちょっと極端に言いましたけど、常に冷静にいられるし、すぐに次に進めます。

契約結婚でも最高に楽しい毎日は過ごせる

――契約内容の確認の場はまるで商談のような雰囲気だとおしゃっていましたね。事務的な生活になる印象も受けるんですが……。

ui  契約結婚って冷たいイメージがあるかもしれないけど、ドラマではハグの日とか、デートの日とか交流する時間も契約内容にいれてある。人間と人間が一緒に生きていくので、楽しく一緒にいられるための契約も入っているんですよね。

 例えば契約内容に「月に2回夕食をしましょう」と。完全にワリカンで。「契約結婚生活何か異常はありませんか?」「順調です」「乾杯」みたいな。契約内容によっては十分楽しい時間を共にできると考えています。

  • ●uiさんプロフィール
  • 1982年、山形生まれ。名古屋市在住。彼女なし。自称恋愛結婚不適合者。会社員のかたわら、月間PV95万のブログ「ハッピーエンドを前提として」を更新。恋愛ハウツー記事が人気で、ツイッター(@ui0723)のフォロワーは約4万人。

telling,の妹媒体?「かがみよかがみ」編集長。telling,に立ち上げからかかわる初期メン。2009年朝日新聞入社。「全ての人を満足させようと思ったら、一人も熱狂させられない」という感じで生きていこうと思っています。
私らしい“結婚”