なぜ、石田ゆり子さんは自然体で美しいんだろう

年を重ねても自然体で美しくありつづける女優・石田ゆり子さん。日々の仕事、忙しさ、お家のこと……たくさんの「やるべきこと」に追われて、ちょっと肩に力が入ってしまいがちのミレニアル女性も多いのでは? 石田ゆり子さんはドラマ「逃げ恥」で人気に火がつき、著書『LiLy』もベストセラーに。自身もゆり子さんと同世代で映画ジャーナリストの中山治美さんは、「らしさ」と輝きの理由を、こう分析します。

●なぜ、石田ゆり子さんは自然体で美しいんだろう

 5月デビュー30年あまり。今の石田ゆり子さん人気を表現すると〝機が熟した〟ということなのかもしれない。大ヒットしたTBS系ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」に出演してから、ドラマにCMにとブレーク中。1月に発売したフォト&エッセー集『Lily ―日々のカケラ―』(文藝春秋)が20万部突破のベストセラー。5年前に出版した愛犬、愛猫との暮らしをつづったエッセー『はなちゃんの夏休み。』(ほぼ日刊イトイ新聞)も、今年3月に重版された。

本当に好きなものに囲まれて生きる

 最新刊の『Lily』は、ゆり子さんの好きなものや日々大切にしていることなど、彼女を形成する〝カケラ〟を詰め込んだもの。私服でのグラビア撮影に自宅の公開、愛猫ハニオとタビの育児日記や編集スタッフによる「103のQ&A」など盛りだくさん。そこにあるのは好きな雑貨や動物たちに囲まれ、居心地の良い空間と時間を追求した充実のおひとりさまライフだ。
 そう、〝お嫁さんにしたい女優〟と称された清純派女優はいまもシングル。主人公の恋人役や一家の自慢の娘役など男性の理想の女性像を演じることが多かったが、最近は「逃げ恥」でのキャリアウーマン役のように、颯爽と生きる〝デキる女〟の役が増えた。生涯未婚率が上昇するなか、いつの間にか時代を象徴する女性となったのだ。
 ゆり子さんのおひとりさま道は筋金入りだ。ゆり子さんが〝アニキ〟と慕う天海祐希と共にスナックのママに扮したトーク番組「天海祐希・石田ゆり子のスナックあけぼの橋」(フジテレビ)の2回目(2017年4月放送)での発言を覚えている人もいるかもしれない。

 お酒の作り方も、おつまみの作り方もぶきっちょで、SNS上では愛を持って「ポンコツ」と呼ばれているゆり子さん。この回もエプロンの後ろのひもがなかなか結べなかったのだが、その時にポロッと「私、一人暮らしなので(背中のジッパーを引き上げるなど)自分で着られない服は買わないんです」と話したのだ。

結婚はしていないけれど、「本当の意味での一人暮らしをしたことがない」

 『Lily』でも、そんなゆり子さんらしさが発揮されている。22歳で一人暮らしを始めてから、いつも犬や猫に囲まれて、「よく考えたらわたし本当の一人暮らしをしたことがないのだなと思います」と書く。ペットは「わたしにとっては家族。子供です」といい、自分を〝おかーさん〟と表現する。

 さらに〝アクセサリーは男性に買ってもらうもの〟という、女子にありがちな幻想も抱かない。アクセサリーは1年の終わりに、自分へのご褒美として、自分で購入しているという。お気に入りは、フラットダイヤモンドが特徴の英国ジュエリー「ウィリアム・ウェルステッド」。彼女が放つフラットな輝きは、経済力、培われた美意識、こだわりに裏づけられているのだろう。

独身主義でも、結婚に焦るわけでもない。「自然体」という軸を持って生きる

 先輩女優を含め自立して生きる女性たちに多く接し、憧れを持って生きてきたというゆり子さん。こう言っちゃなんだが、彼女の生活に男性が入る余地は……みなまで言うまい。
 ただし、本人は本の中でも「独身主義ではありません」とも公言している。いやいや、同じ〝アラフィフおひとりさま〟として、これからも注視させていただきます!

中山治美(なかやま・はるみ)
映画ジャーナリスト。茨城県水戸市出身。立命館大学卒業後、大阪日刊スポーツ新聞社報道部勤務。同社東京出向を経てフリーに。俳優・監督たちへのインタビュー取材のほか、国内外の映画祭を回って現地リポートをwebサイト「シネマトゥデイ」などに配信中。ほか、テレビ好きが高じて朝日新聞でテレビ評「よこしまTV」や、webサイト「おしごとはくぶつかん情報館」内でこどもの仕事の悩みに映画で答える「おしごとシアター」を共に月に1回連載中。

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