乙女とたこ焼き。 01

【安藤なつ】たこ焼き愛。

人気お笑いコンビ「メイプル超合金」安藤なつさん初の連載コラムです。すがすがしいほどわが道を生きながら、性別も世代も超えて多くの人に愛される安藤さんが、好きなもの、こだわり、普段考えていること。気の向くままに語ります。隔週金曜にお届けします。

●乙女とたこ焼き 01

たこ焼き愛。

 突然だが、たこ焼きが好きだ。

 好きの範疇を超えて、ハマりまくっている。何しろ、時間さえあれば週何回でも食べるのが当たり前になっているのだから。

 たこ焼きの何が好きかって、まずはもう、理屈抜きに「うまい!」ところ。お腹もいっぱいになるし、つくるのも簡単。みんなで集ってワイワイやりながらつくれば、楽しいことこの上なし。つい最近も、仕事の先輩、スピードワゴンの井戸田さん宅でのたこ焼きパーティに参加したばかりだ。

オフィシャルブログ「メイプル超合金 安藤なつのごにょごにょ日記」(https://ameblo.jp/krkara/)やツイッター(@mapleandonatsu)にも、たこ焼きが度々登場

……と、そうそう、たこ焼き愛を語り出すと止まらないから、その前に自己紹介。

 安藤なつ。37歳、お笑い芸人。メイプル超合金というコンビを組んでいて、相方はカズレーザー。芸人に多い大阪出身、だからたこ焼きをこよなく愛しているわけではなく、出身は東京都。

  でも、子どもの頃にも実家にはたこ焼き器があったそうだ(本人は記憶にない)。だからいわゆる「体が覚えていた」というか、思い出させたのだろうか。今の住まいでも6年ほど前にたこ焼き器を買って、以来私とたこ焼きの蜜月は続いている。

あなただけに言うね(?)、アレンジたこ焼きレシピ

 せっかくだから、おすすめレシピ、なんぞを紹介したいと思う。

① 材料は、市販のたこ焼きの素。といっても「こだわりのナンタラ」といった品ではなく、業務用なんかの、何というか未完成な感じの粉、「なんかちょっと足りなくないか?」くらいのものがいい。そのほうが、自分で味づけを調整したり、具をアレンジして改造の愉悦にも浸れる。

② その「未完成の粉」に卵と水を加える。分量は、袋に書かれているとおりに。ま、私ほどのたこ焼きラバーにもなると、目をつむっていてもゴールデンバランスの調合が可能だが。しかし粉がとっちらかって大変なことになるから、実際は目を開けてつくる。当たり前だ。

③ 調合した生地を焼き機に流し込んだら、1cmくらいに切ったたことともに投入するのが、魅惑のひと品、ブルーチーズだ。

 これ、秘密のアレンジである。秘伝の味。telling,、あなただけに言うね。

 ブルーチーズをほんのひとかけ加えると、あつあつのたこ焼きの中でシュワッと溶けて、あの独特の風味が一層際立つ深い味になる。屋台料理のジャンクなたこ焼きが、プレミアムな逸品に変容を遂げる。

 さあ、できあがったブルーチーズたこ焼き。

 味つけは「塩」がいい。私の愛用はマグマ塩といって、赤黒いヒマラヤ岩塩だ。岩塩(山の塩)だけに硫黄のにおいがあるのだが、これをひと振り、あるいはちょこっとつけて、まん丸のたこ焼きを口もとに運べば、鼻からダイレクトに届く温泉卵のような、そしてブルーチーズのくさみの刺激に、大脳辺縁系も小躍り。エキサイティングな瞬間が訪れる。

  チーズは、ほんのちょっとでいい。入れすぎると、たこ焼きのはずが「熱っついブルーチーズ!!」になってしまう点だけ、要注意。

 マグマ塩には、ゆず胡椒も好相性でおすすめだ。

 ああ。すぐにでも食べたい、愛しのたこ焼き。あなたもぜひ、お試しあれ。

行きつけのおいしい中華屋さんのお母さん(仲良し)と

構成:小野ヒデコ 写真:戸澤裕司

人気お笑いコンビ「メイプル超合金」として相方のカズレーザーとともに活躍するかたわら、ドラマや映画にも多数出演。
同志社大学文学部英文学科卒業。自動車メーカで生産管理、アパレルメーカーで店舗マネジメントを経験後、2015年にライターに転身。現在、週刊誌やウェブメディアなどで取材・執筆中。
1986年週刊朝日グラビア専属カメラマン。1989年フリーランスに。2000年から7年間、作家五木寛之氏の旅に同行した。2017年「歩きながら撮りながら写真のこと語ろう会」WS主催。