ぺこ(22歳)、りゅうちぇる(22歳)

ぺこ・りゅうちぇる やってみてダメだったら、やめればいい。

ぺこ(22歳)、りゅうちぇる(22歳) チークとヘアバンドをトレードマークにブレイク後、最近イメチェンなどでも話題になったりゅうちぇるさんと、「悩むことがない」と我が道を貫き続けるぺこさん。「周りの目」に惑わされずに、自分らしく生きるふたりの心のうちを聞きました。

りゅうちぇる もともと読モ活動はしてたけど、基本ヒマだったから、ふたりでデートに出かけたり、家でダラダラしたり、楽しいことばかりだった。ハタチのとき初めてふたりでテレビに出て、2016年からはどんどん仕事が増えていって……忙しくなって、ふたりの時間が減ってきて、ピリピリして八つ当たりしちゃったこともあったなあ。

ぺこ そう、りゅうちぇるが「なんか無理してるな」っていうのは、わかる。すぐ顔に出る(笑)。「ただいま」って帰ってきたときの雰囲気でもすぐわかる。よく落ち込むし、悩むし、繊細だし……めっちゃ人間っぽい。だからこそこんなにかわいいし、人に優しくできるんやろな。

りゅうちぇる ぺこりんがいなかったら、自分を見失ってたかもしれないなって思う。テレビに出始めたころは、みんなに笑ってもらったり、元気になってもらったり、それだけでうれしかったんだけど、ずっと「みんなのため」って思ってたら、「あれ、これって僕じゃないな」と思うことが増えてきてモヤモヤして……。でも、いつもぺこりんがめっちゃ話聞いてくれるし、「何悩んでんねん!」って喝入れてくれて。いつだって「自分らしさ」を思い出せて、素のままの自分でいさせてくれた。忙しさを乗り越えられたから、「この人となら絶対、一生一緒にいられる」って思えたの。

ぺこ ほんと私たちは、性格が真逆。私は全然悩まんし、「こうしたい!」っていうのがはっきりしてる。だって、悩む時間がもったいない(笑)。でも、芯の部分にあるものは一緒やな、って思う。それは出会った瞬間から感じてた気がする。

人って結局、見た目に全部出る

りゅうちぇる 僕はサトウキビ畑の中で、「厚底履いてカラコン着ける系」だったから、自分らしさがない子が大嫌いだったの。地元にいた頃は、みーんな同じような流行りの格好して、「超ムカつく」って思ってた(笑)。でも、上京して原宿に来て、ぺこりんと初めて会った瞬間、「この子は絶対に、どんな場所にいても、しっかり自分を持ってる子だ!」ってわかった。人って結局、見た目に全部出るじゃない? 髪の毛の巻き方やメイクの仕方ひとつとっても、「何を信じているか」っていうセンスが出る。だからもう、その瞬間からぺこりんに興味しかなくて、「超好き!」って思ったんだよね。

ぺこ 私は大阪にいた頃から、人に何を言われても気にせんかったし、とにかく自分のことをいちばん大切にして生きてきた。りゅうちぇるのファッションからは、「周りに流されない」っていうのがめっちゃ伝わってきた。しかも、初めてデートしたとき、プリンセスのティアラをプレゼントしてくれて、「なんで私の好きなもんがわかるん!?」って、ビックリして。

りゅうちぇる まわりからは「若いのによく結婚したね」って言われるけど、自分の心を外へ発信してたからこそ、10代で「ビビッ」と感じる人に出会えた。本当にラッキーだったなって思う。「自分」を持っていなければ、出会っていても気づかないからね。

ぺこ ほんまにそう。今までこうして生きてきたから、出会えたんやな。

「ウソの友達」って、必要?

ぺこ よく「自分らしくいるためにはどうしたらいいですか」ってTwitterでも相談されるけど、そんなの悩んだことないし迷ったこともないから、全然わからんくて。人からジロジロ見られても、「私、カワイイでしょ?」って思ってたくらい。

りゅうちぇる 僕は、中3くらいまではめちゃくちゃ人の目を気にしてた。たまに素が出てからかわれるたび、「素のままだといじめられるんだ」って思ってて。だからみんなと同じファッションで、同じ音楽聴いて…。別に好きじゃなくても「これがかっこいいんだ」って言い聞かせてた。でもそうやって自分を偽ってると、本当の僕を知らない「ウソの友達」ばっかりできる。結局、無理して合わせても、マジで面白くないなって思って。僕の好きな先生の悪口言われるし! だから、「高校に入ったら自分を出そう」と決意して、入学式前からTwitterで発信するようになった。めっちゃカラフルでかわいい格好して、毎日自撮りとかコーディネート載せて。SNSがあって、そういう準備ができたから、高校に入学したときからすぐみんなに受け入れてもらえた。だからすごい嬉しかった(笑)。

ぺこ TwitterもInstagramもそうやけど、「自分はこういう人間です」ってわかってもらうためには、SNSがいちばん手っ取り早い手段やもん。私の場合、「わかってほしい」というよりは、本当に自己満足。私自身そんなに他の人に興味ないから、他の誰かが私に興味持ってくれるとも思わんかった。

りゅうちぇる 冷めてるもんね(笑)。

ぺこ 別に、わからん人はわからんでいいもん。でも、これだけたくさんの人に共感してもらったり、「カワイイ」って思ってもらえたりするなんて、こんなに嬉しいことないな、って。

りゅうちぇる 僕も地元にいたときは、家族からも「そんな格好しないで!」って言われてた。別に目立ちたいわけじゃなくて、好きな格好をしてるだけなのに、なんでそんなこと言われなきゃいけないんだろう…って、つらかったんだけど、テレビに出るようになって、ようやく家族に受け入れられてもらえるようになった。「あのときはごめんね」って。でも、まだ全然世の中に受け入れてもらえなかった時期にぺこりんと出会って、悩みを共有しながら一緒に歩んでこられて、本当によかったなって思う。

何かを始めようと思う、その瞬間がいちばん若い

ぺこ 今は「PECO CLUB」(自身のブランド)とか、本当に好きな仕事だけをさせてもらっていて、本当にありがたいなぁって思う。それもやっぱりSNSがきっかけだったし、SNSの時代に生まれて、自分の好きなものを発信できて、それがたくさんの人に共感してもらえて……ほんまにラッキーだなって。

りゅうちぇる 僕もSNSで発信し始めたから学校生活が楽しくなって、それをきっかけに上京して、こうしてぺこりんと出会って、お仕事も広がっていって……。最近は討論番組とかで意見を求められることも増えてきて、初めはそんな、「僕が“若者代表”として何か話すなんて」って思ってたけど、自分なりの考えを話してみると、「前を向けるようになった」「新しい視点に気づかされた」って、いろんな反応をもらえるようになったのが嬉しくて。自分の経験が人のためになったり、みんなの明日をちょっとでも変えられたりするならもっともっといろんな表現をしていきたいな、って思った。

ぺこ たぶんみんな、やりたいことがあっても、お金の面で不安定だったり、家族に反対されたり、いろんなことを悩んであきらめてるんだろうなって思う。私はたまたまやりたいができてるから、こんなこと言えるのかもしれんけど、「やってみて、アカンかったらやめればいいやん」って思うんだよね。やらずに終わったほうが後悔するやろうし、何かを始めるのに、遅いも早いもない。だって、思いついたそのときがいちばん若いんやもん。自分の気持ちに素直に従って、やりたいときにやってみるのがいいんじゃないかな。

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ライター・編集者。愛媛生まれ、群馬、東京、福岡育ち。立命館大学卒業後、西武百貨店、制作会社を経て、2011年からフリーランスで活動。話す口実が欲しくて、インタビューをしています。
デザイン会社でアプリやWeb中心のディレクターをしながら、様々なメディアで写真を撮らせてもらっています。素直なポートレートがすきです。現像代と呑み代で何も残らない生活をしています。