あいめこさん カネなしコネなしのシングルマザーがTwitterで経営者に

Twitterでバズらせる手法が話題を呼び、年商1億を売り上げるSNS運用代行会社を設立したあいめこさん(30)。このたび、『パソコンも持ってなかった私がTwitterで年商1億円稼ぐ理由。』(主婦と生活社)を出版しました。25歳で結婚、2児を出産、そして離婚――。Twitterを駆使し経営者となるまでの波乱万丈な人生について、聞きました。
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コロナ禍で「オンラインキャバクラ」を発案

あいめこさんのTwitterへの投稿には10万超の「いいね」がつくなど、バスるツイートを繰り返しています。自身がPMDD(月経前不快気分障害)を患っていたことから、月経前の不調について発信した内容が多くの人の共感を得たり、気に入った商品は戦略的なツイート文や写真でバズらせたり。これらの才能を生かして2年前、SNS運用代行会社を設立し、2期目で年商1億円を達成しました。現在、業務委託者数は50人と、急成長を遂げています。

上の写真はPMDDを患うあいめこさんが、バズらせた「命の母ホワイト」のツイートです。症状が大幅に改善したことで他の人に知ってもらいたいと思い、製薬会社へつづった手紙の写真とコメントを投稿。2.4万件リツイートされ、11.5万件の「いいね」を記録しました。もちろん、これはの製薬会社から請け負った広告案件ではありません。

――2020年、コロナ禍のもと、「オンラインキャバクラ」を始めたことで注目が集まりました。

あいめこさん(以下、あいめこ): オンラインキャバクラは、コロナ禍で働きたいキャストの方と、キャバクラに行けないお客さんとがオンラインで話をする機会の場として作りました。初期投資はほぼ0円です。簡単にHPを作れるサービスを利用して15分でサイトを作り、集客はTwitterでの呼びかけのみ。実店舗はなくてオンラインだけなので、たった1日で事業を生み出すことができました。

今では公私共にオンラインで話すことが一般的となりましたが、当時は他に先駆けてオンライン会議サービスを利用したので、ちゃんと時代を読めていたかなと思います。私は、面白そうと思ったら即行動するタイプ。たとえ失敗したとしても、SNSの発信が面白くなるよねと考えるようにして、まずはやってみます。

――今回、『パソコンも持ってなかった私がTwitterで年商1億円稼ぐ理由。』(主婦と生活社)を出版しました。ご自身や周囲に変化はありましたか。

あいめこ: 初めて自分の人生をじっくりと振り返りました。突き抜けないと面白くないので、自分の殻を破って、思い出したくない過去もさらけ出すことを意識しました。どんな風に読まれるか不安でしたが、Twitter上の感想を見ると、あいめこという人間の生き方や誠実さを見てくれる人が多かったのがうれしかったです。

私は常にSNSに触れているので、自分の発信に対する周りの反応が何となく予測できてしまいます。でも、それは私のことを知っている人、好いてくれる人の反応でした。今回、あいめこという人間を知らない人からも反応があり、その中で驚いたものもありました。

女性が稼ぐことを応援してくれる人がほとんどだと思っていたんですけど、実は否定的な人も多いことを知りました。親が金持ちなのではないかとか、何かバックボーンがあるんだろうという偏見のようなもの。一昔前の価値観を持っている人がいることに気づき、「今、令和やぞ?」って思いましたね。

親子4人、1カ月の食費は1万5千円

――著書では、25歳で結婚、出産した中で、当時の夫とすれ違ってしまった日々が描かれていました。その原因はどこにあったと感じていますか?

あいめこ: 子育てが、めちゃめちゃしんどかったというのがあります。夫の仕事が塾の講師で、帰宅はいつも深夜。なので、私が家事と長女の育児全般を、ワンオペに近い状態でしていました。

わずかな望みを託していたのは、二人目ができたら、私が母親として迷いがなくなるかもしれないし、旦那さんがもっと育児に専念したり、転職したりしてくれるかもしれないということです。でも現実は、長男が産まれても、狭い部屋で子ども2人の面倒を私1人で見るという……。

――当時は家計もおむつ代も考えてしまうほど厳しかったそうですね。

あいめこ: 旦那さんの給料が少なかったこともあり、食費の予算は4人分で1カ月1万5千円でした。牛肉なんて買えなかったですし、毎回仕事の合間をぬって、業務用スーパーでまとめ買いをしていました。1日に使える金額が約500円なので、店内では値札を見ながらスマホで計算して、予算オーバーにならないように買い物するのがすごいストレスでしたね。

今思えば、生活費アップなどをもっと相談すればよかったのですが、私は元々気が弱く、人に頼むのが苦手な性格。頼むのだったら、それと同等なものを返さないといけないと思ってしまうんです。

それに、お金がなかったり、子育てが大変だったりする時って、うまく頭が回らないというか、目の前のことで頭がいっぱいになってしまって。状況の改善や相手との関係性を良くしていくために動こうということなどは考えられませんでした。

そして、体調を崩しがちになり、ある日、突発性難聴で入院することに。病院のベッドで思ったのが、「これからは人を頼らず、何とかして自分で稼ごう」ということでした。

育児より稼ぐ方が得意なことに気づいた

――最終的に離婚されますが、2人の子どもを1人で育てることには相当な覚悟が必要だったのではないでしょうか。

あいめこ: 経済的な不安はありました。就職も考えたのですが、私は高卒(大学は中退)で、資格は何もなく、パソコンも使えず、働き口が限られてしまうことに気づきました。市役所に相談に行ったのですが、めちゃくちゃ冷たい対応をされました。窓口では、職員の方は座って話を聞いてもくれず、「はいはい」という感じで。

そんな私の話を聞いた母が、役所の方に苦言を呈してくれたことがあり、次に私が役所に行った時は、担当の方が座って話を聞いてくれるようになりました。思っていた以上にシングルマザーに対して手厚い援助があることを知りました。ちょうどその頃、ネットやSNSで稼げる可能性も少しずつ見えてきたので、離婚に踏み切りました。

――現在、母親と経営者はどのように両立しているのですか?

あいめこ: 今は実家に両親と住んでいて、私が不在の時は子どもの面倒を見てもらっています。忙しい時は、子どもに会えるのが週2回ほどの時もあります。もちろん子どもたちはかわいいですが、私は育児よりも稼ぐことの方が得意なことに気づきました。自分の向き不向きは、突き抜けたからこそ見えたことです。

最近、5歳になる長女が私の真似をしたがるんですが、その真似が、スーツケースのおもちゃのコロコロを持って、ワンピース着て、カチューシャつけて、近所に散歩にでかけるという(笑)。これは、私が仕事に行く際の格好なのですが、その姿をかっこいいと思っているのかなと。

最初は子育てから離れていることに罪悪感もありました。しかし今では、子どもに愛情はもちろんかけるけど、自分にしかできないことの方を優先すべきだと思っています。それが社会のためになり、結果的に、子どものためにもなると信じています。

最近、育児においては下の子のおむつも取れて夜泣きもなくなり、仕事の方も軌道に乗ってきました。公私共に楽になっていくにつれて、少しずつ罪悪感はなくなっていきました。これから先も経営者でいたいということと、家族をはじめとする身近な人を幸せにすることの両立を目指しています。最近、母親がハワイに行きたいと言っているので、家族を海外旅行に連れていってあげられるくらいには、仕事をしていたいと考えています。


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●あいめこさんのプロフィール

1992年、滋賀県生まれ。本名は上村志津瑠(かみむら・しづる)。SNS運用会社、企画マーケティングを主な業務とするwithera(ウィゼラ)、sizuru wizの社長を務める。中学生からSNSの世界に浸り、大学時代は京都・祇園のクラブで水商売のアルバイトも経験。進学塾に就職後、結婚、出産、離婚を経験した二児のシングルマザー。独学でwebマーケティングなどを学び、2020年に生み出したオンラインキャバクラが話題に。社会と経済に貢献したクリエイターやインフルエンサーを表彰する「World Creator Awards 2021」を受賞。

『パソコンも持ってなかった私がTwitterで年商1億円稼ぐ理由。』

出版社:主婦と生活社

価格:1540円(税込み)

同志社大学文学部英文学科卒業。自動車メーカで生産管理、アパレルメーカーで店舗マネジメントを経験後、2015年にライターに転身。現在、週刊誌やウェブメディアなどで取材・執筆中。
1989年東京生まれ、神奈川育ち。写真学校卒業後、出版社カメラマンとして勤務。現在フリーランス。