植草美幸流 婚活理論17

女性の年収、婚活でどうアピールする?「高収入の女性は引かれる」はもう古い!

青山の結婚相談所マリーミー代表で恋愛・婚活アドバイザーの植草美幸です。婚活において、女性が重要視する項目のひとつが男性の年収ですが、女性の年収は男性からどのように見られるのでしょうか? 「女性の年収は書かない方がいいのか」「婚活で年収を低く言うべきか」と悩む女性も多いようです。今回は婚活にベストな女性の年収のアピールの仕方について紹介。年収や働き方は地域によって差が激しいので、東京を想定してお話しますね。

男性が求めるのは「女性の年収」より「安定した働き方や待遇」

婚活している男性からよく聞くのは、「相手の年収はこだわらない」ということ。「高くてもいい。でも、高ければ高いほど良いとも思っていない」というニュアンスです。しかし、実際は、「なんとなくこのくらいは稼いでてほしい」と考えている人は少なくありません。
また、「共働き」を望む男性は多く、そのほとんどが定職についている女性を希望しています。「できれば正社員などで長く安定的に務めてほしい」「育休や産休をきっちりとって、子育てが落ち着いたら復帰できるような福利厚生が整っている職業がいい」といった声はよく聞かれるものです。

実際、婚活している男性は、女性にどのくらいの年収を求めているのでしょうか。

街コンなどを主催するリンクバル社の調査(※)によると、婚活アプリを使用している25~34歳の平均年収は男性457万円、女性325万円。同調査で、未婚男性が相手に求める最低年収は「300万円」が35%、「200万円」が32%。また、女性の職業については「こだわらない」との回答が7割程度で、次いで人気だったのが「会社員」「公務員」でした。これらの結果から、「相手の女性には、安定感がある仕事で、平均くらいの年収を稼いでほしい」という男性側の心理が垣間見えます。

特に都心部では、平均程度の収入の男性が、一人で家計を支えるのは難しいでしょう。仮に「世帯年収700~800万円程度」を希望するとなると、女性に対して「300万円程度は稼いでほしい」と考える男性がいるのは、当然の結果と言えます。

女性は年収を隠す時代も?ここ数年で変化が

結婚相談所では、男性は入会時に年収を証明する書類の提出が必須。一方で、女性は5年くらい前まで、プロフィールに年収を書かないケースがほとんどでした。

しかし、ここ数年で女性も年収を記載するケースが増え、いまや多数派になってきた印象があります。その場合は男性と同様、相談所への証明書の提出が必須となります。

日本結婚相談所連盟(IBJ)のデータでは、年収をオープンにしている女性の多くは、年収400万円以上。それ以下の場合、職業は書いていても、年収を記載していないケースが多いです。

過去に他の結婚相談所で活動をしていた方から「学歴を伏せた方がいい、年収は出さない方がいいと言われたことがある」と相談されることもあります。アドバイザーによっては、「無難さ」を重視しすぎて、婚活している女性を無個性にしてしまいがちです。
私の結婚相談所では、居住地域の平均年収以上であれば、記載することを勧めています。職歴や年収などは自立した人生の証明になります。それらのアピールポイントなしに年齢だけを重ねていると、若い女性と比較された時に、「その他大勢」になってしまうことも。「内面の魅力」の一つの基準として仕事を頑張ってきたことをアピールするのは、非常に有効なのです。

「年収が高すぎて敬遠される」はもう古い!

ですから、「年収が高すぎて敬遠される」「高収入はハンデになる」ということはまったくありません。逆に、なんの理由もなく「年収200万円以下」や「アルバイト経験しかない」という方がハンデになると考えましょう。

女性の年収が「無記入」の場合と「1000万円」の場合、お見合いの申し込み数だけでなく男性のスペックやバックグランドが異なってきます。

実際に40歳で年収1500万円の女性は、1週間で100件以上の申し込みがありました。そのうち、年収2000万円以上が8%、1000万円台が4割程度。女性側のスペックが高いと、申し込んでくる男性側のスペックも上がる傾向にあるのです。

女性の方が高収入の場合、男性が引け目を感じるというのは事実としてあります。女性側も、9割が「自分よりも収入が高い男性」を望むのが現状。あえて年収を隠して低収入の男性とマッチングしたい方は少数派でしょう。その点からも、平均よりも収入が高い場合、年収をオープンにした方がいいのです。

また、女性の中には「自分のお金をあてにされたくない」と年収を明かしたがらない方もいらっしゃいます。
ですが、男性側は「女性の年収を頼りにしている」ということではなく、不安定で収入が上がりにくい現代において、「暮らしの安定のために共働きをしてほしい」と考えていることがほとんどです。

ハイスペック男性が求める年収の傾向は二極化

高収入や家柄のいい方などハイスペックな男性が求める女性の年収は二極化しています。

年収800万円以上くらいの男性は、上場企業勤めだったり、優秀な社員だったりすることが多いです。高収入のプライドがあると、パートナーにも自分と同等か、平均以上の年収女性、つまりハイクラスなお相手を望む場合があります。

平均程度の年収の仕事を見下すような発言をする方も時々いらっしゃいます。過去には、女性のご両親の前で「彼女の会社、最低賃金を割っているんじゃないですか?」と発言して破談になったケースもありました。

専業主婦や低収入を望む男性も一定数いる

逆に、「アルバイト・パート」や「年収100~200万円」、「専業主婦希望」といった女性を希望するハイスペックな男性もいらっしゃいます。

例えば、開業医の男性は、「子どもを医学部に入れるために幼少期から教育に力を入れたい。妻には毎日3食作ってほしい」と考えていることも。すぐに退職してくれる女性を希望していました。また、社員50人以下の中小企業の経営者からは「税金対策もかねて家族経営をしたい」「自分の仕事が不規則だから女性側に家庭は守ってほしい」との声を聞きます。政治家の卵の方も、「選挙活動を手伝ってほしい、外で働いてほしくない」と言います。男性が普通の会社員でも、“自分の転勤についてきてくれる女性“を求めるケースもありますね。

このように家業がある男性や、激務の自分をサポートしてほしい人というのも、多からずいるものです。

また、私は自治体主催の婚活セミナーなどで地方へ出張することも多いのですが、東京近郊とはまた違ったお相手探しの基準があります。
「何代も続く土地を守りたいから同居したい」という希望がある男性もいますし、東京と違って生活費や住宅費がかからないため、女性には働いてもらうよりも家のことを頼みたいと考えている男性もいます。

自分の年収をどう捉えてアピールに活かすべき?

女性の生き方や家族のかたちが多様化している昨今、共働きが半数を超えつつあります。一方で、男性が家計を支える家庭がまだまだ主流なのも事実。女性の年収の捉え方は、人によって様々です。

年収が高いというのは一つの魅力になりますが、それが全てというわけではありません。
やさしさ、生活力、明るさなど、年収や仕事以外の人柄の部分を前面に出すのもよいでしょう。婚活は、「見た目・年齢・初婚/再婚・学歴・職業(年収)」などの総合力。自分のアピールポイントはどこか? ウィークポイントは何でカバーするか? といったことを客観的に見ていくことが重要です。

ただ、間違えてはいけないのは、「自分は低収入だけどバリバリ働きたいから、家事は夫にやってほしい」と言われても、「家計はどうするの?」となってしまいます。家事育児をシェアするからには、女性側もある程度年収があった方が好印象なのは明らか。

年収の高い低いにかかわらず、勤務体制や、今~将来の働き方のイメージをお相手としっかり共有してすり合わせることが重要ですね。

(※)…未婚男女の婚活・結婚意識調査 株式会社リンクバル調べ。N=CoupLink会員で18歳以上の未婚男女1,628人。

結婚相談所マリーミー代表取締役、恋愛・婚活アドバイザー。 1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピー設立。2009年、結婚相談所マリーミー設立。自ら婚活している男女にアドバイスし、成婚に導いている。セミナーの開催、テレビやラジオも多数出演。著書に『なぜか9割の女性が知らない婚活のオキテ』『男の婚活は会話が8割「また会いたい」にはワケがある!』『モテ理論』など。
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