植草美幸流 婚活理論09

年収500万、大卒以上…「普通の男性」は高望みか?婚活アドバイザーがデータでジャッジ

青山の結婚相談所マリーミー代表で婚活アドバイザーの植草美幸です。婚活をしていたら、誰だって相手に求める条件がありますよね。少し前に、「婚活女性が求める『普通の男性』」が、「高望みだ」と話題になりました。「普通の男性」は本当に高望みなのでしょうか?

婚活女性が求める「普通の男性」って?

昨年、朝のワイドショー番組で「婚活女性が定義する『普通の男性』に物議」と題された特集が放送され、物議を醸しました。「普通の男性」のイメージ像として、人気俳優・歌手の星野源さんが例に挙げられたこともあり、「婚活女性は高望みだ」という声が高まったようです。

実際のところ、「普通の男性」は高望みなのでしょうか? まず番組内で挙げられた「普通の男性」や、婚活女性が求めがちな条件をみていきましょう。

・年収500万円以上
・大卒以上
・身長165センチ以上
・正社員
・長男以外
・清潔感がある
・常識がある

個別に見れば、よくある条件のようにも思えますね。ここで言う「普通の男性」が果たして本当に普通なのか、データとあわせて順にお話していきましょう。

「普通の男性」は、本当に普通か?

年収500万円以上 →やや高望み

私の結婚相談所も加入している、全国の結婚相談所でつくる団体「日本結婚相談所連盟(IBJ)」のデータを見てみましょう。定職に就いていることが入会条件で、婚活会員数は約6万7千人、7割が都心部に住んでいます。このIBJで、最も多く成婚したのは年収400万円台の人。「年収500万円以上」は、比較的高めの数字であることは確かです。

日本の世帯年収の平均は550万円程度(※1)ですが、都心部住まいであれば世帯年収700~800万円を望む気持ちもわかります。結婚前に年収300~400万円だった女性が、結婚後、必要に応じて産休や育休、時短勤務を利用すれば、収入が半減することも。そういった事態を想定して、男性側に500万円くらいの年収を求めるのも納得できます。

ただし、注意したいのは、一時的に年収がよくても、転職の可能性もあり、状況次第で不安定になる場合があるということです。
一方で、投資で成功していて最低限の収入がある人や、親族の不動産を管理する収入で生活している人もいます。視野を広く持って、現時点での年収だけで切り捨てない方がよいかもしれません。

大卒以上 →やや高望み

多くの正社員の採用条件である“大卒”は、「将来性があり、安定している正社員として定職に就いている人」という意味で、結婚相手を選ぶ際の条件にする人が多いでしょう。
また、2018年の、短期大学を含む女性の大学進学率は57.7%(※2)でした。半数以上の女性が大学に進学しており、男性側にも同等以上の学歴を求めているとも言えます。価値観や子育ての方針を意識し、自分と同じくらいの家庭環境や教育レベルを求める人は多いものです。

でも、よく考えてみてください。もし、大卒ではないけれど「現在定職についている」「年収が高い」「実家が裕福」といった人がいても、譲れない条件でしょうか? 「大卒でなければ絶対にイヤ」と、それだけで切り捨てるほど重要な条件かというと、疑問が残ります。

身長165センチ以上 →普通

2010年の30代男性の平均身長は171.5cmと言われていますから、平均的な数字です。

実際に高身長にこだわって婚活している女性は多く、理由を聞くと「大きくて頼れるイメージがあるから」「背が高くないと異性として見られないから」「子どもの遺伝を考えて背が高い方がいい」という答えが。どれもフワフワした感覚的ではありますが、こちらも大人になってから変えられるものではないので、どうしてもこだわりたいなら条件に入れてもいいでしょう。

ただ、小柄でもファッション次第でスラリと見えたり、背が高くてもスタイルが悪くて見栄えがよくなかったりするケースもあります。強いこだわりがないのであれば、数字だけで切り捨てずに、実際に会った印象で決めるのも手です。

正社員  →普通だけど検討を

アルバイトやパート、派遣、そして正社員と、雇用形態は色々ありますよね。正社員のメリットの一つは、期間を定めない労働契約なので、正当な理由なしに解雇しにくく、将来長きにわたって働き続けやすいこと。そのため、住宅ローンやクレジットカードなど審査や契約の面で有利になりやすいことが挙げられます。

しかし、最近は働き方も多様化しており、契約社員で副業をしたり、個人事業主として成功したりする人も多くなっています。年収と同様に、例えいまは正社員だったとしても、今後転職して正社員ではなくなることもあるでしょう。

正社員でなくても、腕一本で稼ぐスキルやセンスがあれば、十分に安定していて、将来性がある人もいます。例えば最近多いコンサル業やシステムエンジニアなどは、フリーランスで年収1000万円以上という人も。婚活では女性から「不安定」とみられて避けられがちです。逆に、会社経営=社長というと聞こえがいいものの、社員も事務所もなく、保証もなし、という不安定なケースもあります。

「見極めが難しいから、まずは正社員に絞る」というのも一つの考え方ですが、仕事の将来性や収入、貯金や資産などを総合的に検討してみてはいかがでしょうか。

長男以外 →高望み

第二次ベビーブーム(昭和46~48年)の平均出生率は2.0人。現在はさらに減り、2019年の発表では出生率1.42となっています。男女比では男児の方が多く生まれますし、姉弟のきょうだいの二児は長男になります。そうすると、男性の半分以上が「長男」だと考えられるわけで、「長男以外」というのは厳しい条件なのです。

婚活している女性に理由を聞くと、「男性の実家に嫁ぎたくない」「男性の親と同居したくない」「稼業を継ぎたくない」などが挙がります。しかし、どれも古くさく、的外れな意見です。

なぜなら、現在の20~30代の親世代は、ほとんどがサラリーマン。子どもに引き継ぐものは、住宅やお墓くらいのもので、長男でも次男でも大きな差はありません。農業地や商店の跡取り問題を懸念しているなら、「長男かどうか」よりも、実家の稼業や親と同居の可否を確認した方が効率的です。実際、多くの結婚相談所のお見合いシステムでは「親と同居の可否」など指定できます。

しかも最近は共働きの家庭が多いせいか、女性側の両親が子育てを手伝うために近居するパターンをよく見聞きします。「長男=跡取り」という時代は終わりつつあるので、イメージだけで結論付けるのはおすすめしません。

清潔感がある、常識がある →普通。女性次第で変えられる

家の中がぐちゃぐちゃのゴミ屋敷、めったにお風呂に入らないような不潔さ、時間やお金、女性関係にルーズで不誠実、共感性・思いやりに欠ける……などの場合、一生直らないケースがあるので、早めに見極めることが重要です。

ただ、職場指定の作業服や白衣などを毎日着ているため、ファッションや髪形など見た目に無頓着なだけ……という男性は意外と多いもの。着飾ることに興味関心がないだけなら、ファッションや髪形をプロデュースすることで素敵に生まれ変わることもあり得ます。自分一人でチャラチャラと着飾らないぶん、無駄遣いや浮気の心配がないというメリットも。

私の結婚相談所では、希望する方に、美容室や洋服選びを手伝ってトータルコーディネートをしています。最初は面倒くさそうにしていても、変身して褒められるとまんざらでもなくなって、美意識が段々と高まっていく男性もいます。鼻毛処理やヒゲ脱毛などをするだけで清潔感がアップする人も多いもの。第一印象で「なんだか清潔感がない!」と決めつけるのはモッタイナイ。「好みにプロデュースすることを楽しもう」と、自分の意識を変えてみるのも一つの方法です。

「普通の男性」は、果たして高望みか?

では、上記条件を満たすような「普通の男性」は、果たして高望みなのでしょうか。一つ一つを見れば、都心部で、フルタイムで働く女性の周りには「これくらいの男性ならいるでしょう!」と思うのは当然です。

ただ、条件をつけるというのは、そこに満たない人を切り捨てるということ。厳しいものではないとしても、希望する項目を増やせば、対象となる人は減ってしまうものです。結果、「残った人との相性がよくない」ということが起こり得ます。
一般的な恋愛において、上記を求めすぎて「長男だからダメ」「身長が2cm足りない」なんてことを繰り返していれば、「高望み」と言われてしまうのも、仕方がないでしょう。

しかし、幸せになるために結婚するのに、「年収500万円で高望み」なんて言われたら、夢がなさすぎてイヤになってしまいますよね?
結婚相談所で婚活する場合は、そもそも条件でお相手を絞り込むことは当たり前のこと。ですから、高望みは大いに結構です。好条件の相手を希望すれば厳しい結果もあるでしょうが、そのときは条件を見直せばいいのです。

「条件を見直す」ときに必要なのは、「ただ妥協して条件を下げるしかない」ということではありません。自分が本当に望む結婚生活や人生観を見つめ直すことが重要です。誰かが決めた「平均値」や「普通っぽさ」ではなく、あなただけの希望条件をきちんと考え、大いに高望みをしましょう。例えば、「自分がバリバリ働きたいから、家事育児をメインでやってほしい」「趣味が合う人と楽しく過ごしたから、年収より休暇の取りやすさを重視」ということもあるでしょう。
生涯どうやって幸せになっていくのか、本当の理想の結婚生活とは何なのか――それが分からないと、結婚相手を妄想することしかできません。
恋愛経験がなくてアイドルやタレントみたいなのが「普通の男性」だと思っていたり、過去の恋愛などから男嫌いになっていたりする女性もいます。そういう人は、ごくごく一般的な男性に対しても、外見や条件だけを見て「こんなブサイクはイヤ!」と怒ることもあるんです。

でも、考えてみてください。本当においしいお菓子に出会いたかったら、ラッピングを見るだけではわかりませんよね。ラッピングを開けて、口の中に入れて、噛んでみて、初めてその味がわかるもの。つまり、写真やプロフィールの印象はすべてではなく、2~3回くらいは会ってお話してみて判断してみてもいいのではないでしょうか。

結婚はネットショッピングではありませんし、相手はたった一人の人間。「普通の男性」というプレートにかいて首から下げた人がいるわけじゃありません。「条件に反するものは、すべて却下!」と頑なにならず、間口を少し広げて会っていく。そうすることで、信頼できる人柄や、思いやりがあってやさしい一面を見つけることができるかもしれませんね。

※1)平成30年国民生活基礎調査の概況ー各種世帯の所得等の状況|厚生労働省)
※2)男女共同参画白書(概要版) 平成30年版 | 内閣府男女共同参画局)

結婚相談所マリーミー代表取締役、婚活アドバイザー。 1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピー設立。2009年、結婚相談所マリーミー設立。自ら婚活している男女にアドバイスし、成婚に導いている。セミナーの開催、テレビやラジオも多数出演。著書に『なぜか9割の女性が知らない婚活のオキテ』『男の婚活は会話が8割「また会いたい」にはワケがある!』『モテ理論』など。
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