筧美和子さん「テラスハウスに出て、どんなことも『まあいっか』と思えるように」

フジテレビ系の恋愛リアリティーショー「テラスハウス(テラハ)」で話題を集めた筧美和子さん(26)。現在は女優として映画やドラマなどに活動の幅を広げています。テラハが仕事に与えた影響や、その後の仕事上での悩みなどを聞きました。
『JJ』元専属モデル・筧美和子さん「JJは、温かい、ホームのような場所でした」

テラハ出演、好奇心で飛び込んだ

――筧さんといえば、2013年にテラハに出演したことで、注目を浴びました。

筧美和子さん(以下、筧) :芸能界に入った当初は、「自分が何をやりたいのか」も「何ができるのか」も分からない状態でした。興味のあることには、どんどん挑戦していこうと思っていて、テラスハウスもその一つ。いま考えてみると、テラスハウスに出演するのってとても勇気がいることだから、自分でもすごいなって(笑)。好奇心が勝って、気付いたら飛び込んでいましたね。

――テラハ出演の経験は、いまのお仕事に影響していますか?

筧 :台本もなく“素の私”で出ていたので、技術的なことが身についたかというと、そうではないんですけれど…。ただ、テラスハウスに出たことで、一度全てをさらけ出しているから、どんなことに対しても「まあいっか」と構えていられる部分はあるかもしれないです。

すべてが中途半端 悩んだ時期も

――その後はモデルのほか、バラエティー番組、そしてドラマや映画に出演するようになりました。仕事で悩んだ時期はありましたか?

筧 :「理想」と「現実」がかみ合わなくて、悩むことは多かったですね。20代前半の時は特に。様々なジャンルの仕事をやらせてもらう中で、「肩書きに囚われなくていい」と思いながらも自分が何者なのかわからなかった…。お芝居、モデル、バラエティー…すべての現場で、実力が伴っていない感じがあって、歯がゆかったです。全部が中途半端で、「私って何にもできないな」って思ってしまった。

――最近では女優としての活動が増えています。

筧 :悩んだ時期を経て、「演技のことをもっと勉強したい、知りたい」という気持ちに気づいて、お芝居により力を入れようと決めました。
演技って、生活の中の様々なことが、つながっているんですよね。例えば、映画鑑賞にしても、視点を変えて見てみるとか、食事をするとき、人と話しているとき…言い出したらキリがないくらい、すべてが“演じること”を豊かにしてくれると気付いて。だから、「表現の幅を広げてくれるかもしれない」と感じるものは、やってみる。そういう意識を、常に持つようにしています。

ゼロの状態からモノをつくってみたい

――2021年の目標を聞かせてください。

筧 :どんな役も一人の人間なので、新しい役をやれば、新しい自分に出会えるような気がします。色々な役にチャレンジして、自分自身の幅を広げていきたい。今年はコロナ禍で自粛することも多く、のんびり過ごしちゃったので(笑)、気を引き締めて、今までやったことのないことに取り組みたいですね。
主体になって何かをつくることにも興味があります。最近始めたYouTubeや、それとは別に今制作中のプロジェクトもあるので、楽しみにしていてほしいです。
もちろん、お芝居は今後も続けていきたいのですが、ドラマや映画って、決まった登場人物がすでにいて、その役を頂いてから作品づくりがスタートすることが多いので、ゼロの状態からモノをつくるっていうことは、あまりやったことがないんです。今年はそういうチャレンジもしてみようと思っています。

――telling,は20~30代の女性向けのメディアです。「やりたいことがない」などと悩む同世代の女性に向けて、筧さんからメッセージをください。

筧 :小さなことでいいから、自分の心の声を聞いてみるのはどうでしょうか。そういう時間をつくってみたら、自分とじっくり向き合えるかもしれません。
最近読んだ本に「子どもの頃にやりたかったけど、できなかったことを、いま再チャレンジしてみる」といったことが書かれていて、子どもの頃を思い返してみました。
私は絵を描くのが苦手だったから、大人になったいま、描いてみたんです。実際にやってみると、自分自信を見つめ直せて、すごくいい時間だと感じました。そういうところでの発見が、ライフスタイルや仕事につながってくるかもしれない。ちょっとした興味でも、「やりたかったことを、いま改めてやってみる」というのはオススメですね。

『JJ』元専属モデル・筧美和子さん「JJは、温かい、ホームのような場所でした」

●筧美和子さんのプロフィール

1994年、東京都生まれ。2013年にリアリティーショー「テラスハウス」(フジテレビ系)に出演。14~19年に、女性誌『JJ』の専属モデルを務めた。女優としてドラマや映画に出演。主な作品に、『犬猿』(18年)、『スマホを落としただけなのに』(18年)など。

1989年、東京生まれ。2013年に入社後、記者・紙面編集者・telling,編集部を経て2022年4月から看護学生。好きなものは花、猫、美容、散歩、ランニング、料理、銭湯。
カメラマン。1981年新潟生まれ。大学で社会学を学んだのち、写真の道へ。出版社の写真部勤務を経て2009年からフリーランス活動開始。
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