「カメラが回っていない時の彼女にも惹かれていた」バチェロレッテ・ジャパン杉田陽平さんが旅を終え、感じていること

Amazonプライム・ビデオで配信されている恋愛リアリティーショー「バチェロレッテ・ジャパン」。ひとりの独身女性・バチェロレッテが、複数人の未婚男性の中から運命の人を見つけにいく番組です。番組の「もう一人の主役」とも言われた画家の杉田陽平さん(37)。大きな反響を呼んだ番組終了後のアフタートークの話などをうかがいました。

「バチェロレッテ」じゃない萌子さんが特に好きだと気づいた

――バチェロレッテ福田萌子さんと、杉田さんが今まで付き合ってきた女性との共通点は「周りに左右されない人」とのことですが。

杉田陽平(以下、杉田): 一見するだけでは、捉えられない奥行きのある人に惹かれるんだと思います。「僕にはわかるよ!」と思ってしまう。見た目じゃないんです。ひょうきんに振る舞っているけど実は硬派だったり、世間のイメージと中身が違う人だったり。そういう周りに左右されず自分と向き合い続けてきた方に惹かれがちです。一緒にいる時に、自由に遊べるというか、会話していて気持ちいいんですね。いや、こんなことを言うと歴代の彼女から怒られそうだけど(笑)。「そんな上から目線で見てたの?」って。

――きっとうれしいと思います。過去、大恋愛をされた経験は?

杉田: ないと思います。12歳年上の方や、逆に12歳年下の方とお付き合いしたことはありますが。あまり「こういう人」と風に決めずに、直感的に素敵だなと思った方とお付き合いしてきました。

――では、萌子さんへの2回の告白はかなりの決断だったのではないでしょうか。

杉田: 萌子さんの置かれている立場を想像したんですね。責任感があって、正義感があって、バチェロレッテになるにあたって、日本代表というか、女性代表という意識もあっただろうと思います。その上で、自分自身の幸福も大事にする選択をしたいだろうし、いろいろなものを背負った状態で判断しながら、一生懸命、相談できる相手もいなくて戦ったわけですよね。当時はそこにすごく惹かれていました。尊敬していました。

その後、屋久島で旅を終えてからスタジオトークまでの3カ月間、改めてどこに惹かれているんだろうと考えていました。旅中につけていた日記を読み返しながら。ドレスの色や、まつげの感じだとかを忘れないように書き留めていたものがあって。
それを読んでいたら「バチェロレッテ」である点だけに惹かれていたわけではないなと気づいたんですよ。
カメラで写っていない、ふと油断した瞬間に遊び心が出たり、少女に戻る時があったりとか、普通の女の子になる瞬間が、そこが好きなんですよ、僕は。

――素に戻る瞬間ですね。

杉田: スタジオで再会した時の萌子さんは、いわばもう「バチェロレッテ」ではない。バチェロレッテとしての責任を背負わなくていい状態なんですよね。「バチェロレッテ・福田萌子」も大好きだったけど、一番惹かれていたのは素の萌子さんだから。
責任を全部放棄して、脱ぎ捨てて、遊び心のある、本当の、タレントでもモデルでもないひとりの女性としての「福田萌子さん」に告白をしたいと思ったんです。

――なるほど。単純にひとりの女性に2回告白をしたわけではなく。

杉田: そうなんです。同じ人なんだけど、気持ちとしては別の人に告白したような。屋久島からの3カ月で気づいた、もう一人のというか、本当の萌子さんに告白しようというコンセプトだったんですよね。
多くの視聴者の方には「旅の延長戦の告白」のように見えたかもしれないけれど、そうじゃなくて、旅はもう終わっているから、これからは新しい恋愛を、新しいストーリーを始められたらうれしいです、と。いきなり「恋人」とか「結婚」とかじゃなくてもいいから、「(旅の)終わり」じゃなくて「細やかな始まり」にしようというメッセージです。

――そこまで想える方に出会えるのはすごいことだと思います。

杉田: 本当にね、奇跡ですよね。オーディションを受けた時には、そんな人がくるとは思っていなかったですから。

2カ月作品が描けなかった

――すべてを終えた時には喪失感はありましたか?

杉田: 屋久島での旅を終えた後は喪失感がありましたね。2カ月ほど作品が描けなかったりもしました。でも、スタジオでの2度目の告白のあとは全然なかったです。自分が今までできなかったことができた気がしたので、結果的には実りはなかったしフラれた格好にはなったけど、人が人を好きになるっていうのはもしかしたらこんな感じなのかもしれないなっていうのはおぼろげにだけど掴めましたし。
それに何より、スタッフや参加者の仲間たちが「感動した!」と言ってくれてうれしかったです。

――では、「失恋の傷をじっくり癒す」というような感じではなかったんですね。

杉田: もう、癒されすぎてジャンプしてますよ!

――ジャンプ!?(笑)

杉田: こんなにみんなが喜んでくれるの?って。自分と相手のことだけだと思ってやってきたことだから。誰かに希望を与えるみたいなことは一切考えていなかったのに、視聴者の方から大量にメッセージをいただくまでになって。
僕の失恋がこんなに世の中の人の希望になるなら全然いいよって思います。

人が人を想うことってって素敵なことですよ。重要なのは、実るか実らないかじゃなくて、心からすごく素敵だと思う女性に出会えたこと。それがまず幸福なんですよね。
今回は実らなかったけど、自分がただ誰かを真剣に想うことで力をもらった人たちがいることはしみじみ伝わるわけですよ。
僕の知らない人が、僕を思ってくれているわけじゃないですか。だから、今は本当に幸福な毎日を過ごさせてもらってますよ。

――アートの世界で作品を生み出し続けてきましたが、今はともすると、作品より杉田さんご本人にフォーカスが当たっている状況です。1人のアーティストとしてどういう心境ですか?

杉田: 興味を持たれているのは、すごい幸せなことですよね。「どんどん杉ちゃんに驚かせてほしいんだ、私たちは」と思ってもらえている。活動しやすいですね。

――ではこの機会をチャンスだと捉えているのですね。

杉田: 目の前にある選択肢や悩み事をどう料理するか、ということだと思います。「こんなはずじゃなかった」と思うのは簡単です。それは誰でもできる料理ですよ。そうじゃなくて、自分にしかできない捉え方、現実をどう料理するかだと思うんですよね。

恋はしたいです

――今新しい恋はしていますか?

杉田: なんて言うのがいいかなあ(笑)。とりあえず、彼女はいないですよ。

――彼女はいないけど、好きな人はいるということですか?

杉田: 恋はしたいと思ってます。

――愛に満ち溢れているけど、次の恋は探したい、という感じでしょうか。

杉田: 自分だけの小説の白紙のページに、なにか書いていきたいですよね。それがどういう始まりなのかは分からないけども、一緒にページをめくれる人がいたら、それは素晴らしい事ですよね。

「バチェロレッテ・ジャパン」杉田陽平さん「彼女の本当の魅力を、僕なら言葉にできる自信があった」
現在肩書き無し。30歳の夏、港区での彼氏との同棲を解消、同時に8年マネージャーとして勤務した芸能事務所を退社する。ライター業ではお笑いやサブカルチャーに関するコラムをwebサイトに寄稿など。
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。 コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。
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