テラスハウスにも出演するイタリア出身の漫画家・ペッペ(ジュゼッペ)さん
肩書って何だろう

漫画家ペッペさん「今は漫画に夢中だけど、実は仕事より恋が大事なタイプ」

『週刊ビッグコミックスピリッツ』で、漫画好きなイタリア人モデルの生活を描いた作品「ミンゴ イタリア人がみんなモテると思うなよ」を連載中のペッペ(ジュゼッペ)さん(26歳)。気さくでどんな人のことも受け入れる優しいキャラクターが、出演中の番組「テラスハウス」でも人気です。後編では漫画との出会い、そして恋愛のお話も伺いました。
漫画家ペッペさん「イタリア人のイメージを漫画を通して変えたい」

前編はこちら

●肩書って何だろう

フラれたときに「やばい、漫画描けなくなる」って……

――週刊漫画連載の仕事、モデルの仕事など複数の肩書きを持ち毎日大忙しだと思いますが、恋愛をする時間はありますか?

ペッペ: それは答えづらい質問だね。恋愛をしていない時には「時間が足りない」って思ってるけど、恋に落ちちゃったら時間なんて絶対に作るから!どんなに仕事が詰まっていても、睡眠時間を半分にしてでも好きな人に会うよ!だから、「時間はありますか?」っていう質問じゃなくて女の子には「時間作れる?」って聞いてほしい。「もちろん」って答える!

――すごく情熱的です。

ペッペ: 今は仕事を全力で頑張っているけど、実は仕事より恋愛を大事にしたいタイプ。仕事より、恋、です。だから……今、恋に落ちちゃったらどうしようって怖い気持ちもある(笑)。

――恋に落ちて他のことが手につかなくなってしまったことがあるんですか?

ペッペ: 日本に初めて来たときには、しばらく漫画が描けなかった。ビザや貯金の問題もあったんだけど……当時すごい恋をしていたから。「この人がいれば、それで充分。今は、漫画はちょっといいかな」って思っていた(笑)。
しばらくしたら、「やっぱり漫画を描きたい!これがなきゃ生きていけない!」って思うんだけどね。恋に落ちてすぐの頃は、描けなくなっちゃって。

telling,の取材に答える、テラスハウスにも出演するイタリア出身の漫画家・ペッペ(ジュゼッペ)さん

――恋愛が生活にすごく影響してるんですね

ペッペ: でも、一番怖いのは、恋に落ちた時よりフラれたとき。この彼女と別れたときがそうで……。ちょうど、今の『週刊スピリッツ』の連載が決まるかどうかという大事なときにフラれたんですよ。ヤバい、絶対に漫画が描けなくなるって思った。

――実際は随分引きずったんですか?

ペッペ: 1日2日、超落ち込んだんだけど、普通に漫画、描けたんです。全然失恋のことを気にしないで、『ミンゴ』のことを考えられた。すごく嫌な思い出ではあるけど、これがあってよかった。「これだけ落ち込むことがあっても漫画が描けたんだ」っていう経験ができたから。これから何があっても漫画を描けると思う、すごく強くなった気がする。

――見事立ち直ったんですね。

ペッペ: 今までで一番良い恋愛ができたって思う。でも恋愛って、全部同じじゃないからさ。次の人でもっと恋に落ちたらどうなるか……(笑)。

telling,の取材に応じた、テラスハウスにも出演するイタリア出身の漫画家・ペッペ(ジュゼッペ)さん

漫画との出会いは運命だった

――現在のお仕事のお話も伺わせてください。ペッペさんは漫画家の松本大洋さんに影響を受けているそうですね。作品に出会ったきっかけを教えてください

ペッペ: 日本に来てから初めて知りました。『Sunny』という作品のカラー広告を見て「わ、なんだこの絵は!」って衝撃を受けました。今まで自分が読んできた漫画の絵柄とは全然違った。どこかヨーロッパっぽいタッチが懐かしい感じもしたんだよね。それから、日本語で『ピンポン』を読みました。

――松本大洋さんを知る前と今とでは、自身の絵のタッチはだいぶ違いますか?

ペッペ: はい。でもその前にもいろんな漫画家さんに影響を受けてきました。『BLEACH』を読んで、作者の久保帯人さんみたいな絵をずっとノートに描いていた。その次は『スラムダンク』の井上雄彦さんをいっぱい読んで真似して、そのあとは『アイアムアヒーロー』の花沢健吾さん。そこで『週刊スピリッツ』を知って、松本大洋さんも連載をしていたってわかって、「ここに持ち込もう!」って決めたんです。

――漫画に出会う前は、どんなことが好きな少年だったんですか?

ペッペ: 漫画に出会う前、子どもの頃から日本のことは好きだったよ。アニメや、ゲーム……ポケモンが本当に一番大好きなゲームだったし。アニメだと「らんま1/2」「シティーハンター」「ドラゴンボール」とか。でも、それに原作というのがあって、「漫画」っていうんだってことを知らなかった。漫画を知ったのは遅くて、16歳の時。それまでは多くのイタリア人の少年と同じで、サッカーが好きな普通の子だったよ。

「週刊ビッグコミックスピリッツ」編集部で取材に応じた、テラスハウスにも出演するイタリア出身の漫画家・ペッペ(ジュゼッペ)さん

――漫画に出会って、運命が変わったんですね

ペッペ: そう。本当に、運命だと思う。昔から日本は好きで、なんとなくどこかで「いつか日本に行ってやる」って思ってた。どうして自分でもこんなに日本が好きなのか、わからないけど好きだったんだよね。

それが、「漫画」を知ったときに「これだ!」って思った。あぁ、僕は日本と繋がった、日本に行く意味ができたって。

漫画が並ぶ本棚の前でポーズをとる、テラスハウスにも出演するイタリア出身の漫画家・ペッペ(ジュゼッペ)さん

――これは日本以外ではできない、と?

ペッペ: 「コミックを描く」ことだけだったら、イタリアでも、フランスでもアメリカでもできる。でも、一番大きなマーケットと読者がいるのは日本でしょ。そして、一番オリジナルな作品を創れるのも日本だって思った。

それと、日本の「漫画」の世界はやっぱりヨーロッパやアメリカとは違う。
イタリアやフランスでコミックを描くと、だんだんアートの世界へ寄っていってしまう。それは僕のやりたいことではないし、成功してもそれだけでは生活できないと思う。

アメリカの作品はスーパーヒーローばかりで、これも僕の描きたい作品ではないんだよね。

――日本に来ることが、「夢」から「必然」になったんですね

ペッペ: 日本で生まれ育っていたらもっと早く漫画と出会ってたかもしれない、けど、遅くなったけどやっと出会えた。

ただアニメが好きなだけ、日本が好きなだけだったらきっとそのままイタリアで働いていたと思う。でも「漫画」を日本でやりたかった。もしこれでダメだったらイタリアに帰って他のことをやるかもしれないって思ってる。
漫画があった、だから日本に来れた。本当にラッキーだったよ。

●ペッペ さんプロフィール
1992年生まれ、イタリア出身。高校生の頃に漫画家を志すようになり、2015年に来日。現在『週刊ビックコミックスピリッツ』にて「ミンゴ イタリア人がみんなモテると思うなよ」を連載中。
単行本1巻は2019年12月12日小学館より発売。

漫画家ペッペさん「イタリア人のイメージを漫画を通して変えたい」
大学卒業後、芸能事務所のマネージャーとして俳優・アイドル・漫画家や作家などのマネージメントを行う。その後、未経験からフリーライターの道へ。
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。
肩書って何だろう