「危険なビーナス」8話。ディーン・フジオカと吉高由里子の本当の関係は?

東野圭吾原作のラブミステリー「危険なビーナス」。主人公の獣医師・伯朗(妻夫木聡)のもとに、「弟の妻」を名乗る謎の美女・楓(吉高由里子)が現れ、異父弟・明人(染谷将太)が失踪したことを聞かされる……。原作に基づいたストーリー展開からオリジナルキャラが鍵を握りそうな8話。楓(吉高由里子)と勇磨(ディーン・フジオカ)の関係も気になる!

「危険なビーナス」もいよいよクライマックスへ。第8話は、原作に基づいたストーリー展開だったが、ここに来てオリジナルキャラが鍵を握ってきそうな予感。矢神家の使用人・君津光(結木滉星)は一体何者なのだろうか?

キーワード“後天性サヴァン症候群”とは?

第8話は、牧雄(池内万作)が伯朗(妻夫木聡)の家を訪ねてくるところからスタート。初めて入った家で特別親しくもないのに勝手に冷蔵庫を開けて2リットルのペットボトルの水をがぶ飲みする。医師で研究者なのに獣っぽいところが牧雄の魅力だ。作中唯一の“漫画的なキャラクター”と言える。

牧雄は、禎子(斉藤由貴)に渡った可能性のある康治(栗原英雄)の研究データを探すことを要求する。伯朗は手に入れても渡す保証はないと返すが、「君を殺してまで奪う」と一言。キャラクターがキャラクターだけにただの脅しには聞こえず、伯朗は何も言い返せない。

研究記録の内容も明らかになった。康治は脳腫瘍で苦しむ伯朗の父・一清(R-指定)に、脳に電気を流す無認可の治療を行っていた。これで容態が落ち着いた一清だったが、「頭に奇妙な図形が浮かび上がる」と不思議な副作用が現れる。この図形が7話に出てきた、一般的に人間の手業では困難とされるフラクタル図形だ。

この症状を康治は、サヴァン症候群の患者が同様の能力を持っていることから“後天性サヴァン症候群”と命名。サヴァン症候群患者のように突出した能力を持つ天才を、意図的に生み出す研究を開始した。しかし、牧雄と共に研究に没頭していた康治は、ある日突然、研究を凍結すると宣言。幼い伯朗に顔向けできないと感じ、動物実験を辞めたのだった。納得のいかない牧雄は、康治が倒れたことで研究を続けようと目論んでいた。

牧雄が可哀想すぎやしないか?

康治の伯朗への思いも明かされ、一清の死期を早めたという疑いも晴れた。ボヤっとしていた親子関係にビシッと筋が通り、伯朗もこれまでの発言や行動を悔いたことだろう。やっと明かされた親子愛、第8話は康治回といっても過言ではない。

しかし、納得がいかないのは僕が牧雄おじさんファンだからだろうか。牧雄は何の理由もなしに力を尽くしてきた研究を強引にストップされている。それなりの金銭は払われているだろうし、兄弟とはいえただの雇われ研究者だったのかもしれない、だが、簡単にわりきれるわけがない。結論として研究凍結は美しい親子愛が理由だったが、牧雄には関係ない。どんなに訴えても「変人がなんかわめいてる」くらいにしか思われない牧雄が可哀想すぎる。

伯朗にとって康治はいい父親かもしれない。だが、良くも悪くも康治もわがままで身勝手な研究者だったのだ。

複雑な矢神家の家系図

君津は、矢神家の血を引いている?

終盤に入って原作通りにストーリーが展開されているが、ドラマオリジナルキャラの君津が不気味な存在感を出している。祥子(安蘭けい)と不倫関係を持っていたものの、第8話を見る限りそれは波恵(戸田恵子)の手の内。おそらく君津は、波恵の手駒と見ていいだろう。

しかし、当の君津は自分自身の価値をわかっていない。波恵に「どうしてこの家に僕を置いているのですか?」と聞き、波恵は「あなたがこの家に必要だからです」と答えた。

この言葉はどういう意味なのだろう? 気になるのはこのシーンの直前。波恵が見ていたのはDNAの鑑定書だった。誰のものかは映されていなかったが、これは君津のものであると考えるとしっくりくる。実は君津が矢神家の血を引いていて、波恵は遺産争いの切り札にしているのではないだろうか。

しかし、波恵は鑑定書を見たとき少し悩ましい表情を見せていた。鑑定結果は思い通りのものではなかったのかも知れない、ではなぜそれでも「必要」としたのだろうか。もしかしたら、予想通りに君津が矢神家の血を引いていること自体が、波恵にとって心苦しい何かの証明になっているのかも知れない。

勇磨が楓の肩に手を回した理由

「最強タッグ」と自称する伯朗と楓(吉高由里子)の関係に亀裂が入った。楓が伯朗の難敵でもある勇磨(ディーン・フジオカ)と手を組んだのだ。楓からは直接タッグ解消的な意味の言葉は出ていないが、この事実に伯朗は意気消沈。動物病院の仕事をおざなりにしていた件も重なって、ドラマ始まって以来の憔悴した様子だ。勢い余って元美(中村アン)に抱きついてしまっている。

恋愛ドラマなら“2番手”に手を出すシーンは本命とのすれ違いを描く大事なシーンになるが、これはミステリー。意味としては、「楓(矢神家)から手を引き、元美(動物病院)を大事にする」になるだろう。伯朗が拗ねてしまう展開だ。正直、だいぶ遠回りしてようやく矢神家に関心を持った伯朗だけに、この展開はちょっとまどろっこしい。

それよりも注目したいのは、勇磨と楓の関係性だ。風呂上りの楓の部屋に勇磨がいたが、ここは原作にもないオリジナルシーン。だが、さすがに楓と勇磨がそういう関係であるとは考えづらい。では、なぜ楓は風呂上りという油断した姿を勇磨に見せていたのだろう。

実はあの部屋の奥にはもう1人楓が油断してしまうような誰かがいて、それを知られたくない勇磨が楓と恋仲のフリをして伯朗を追っ払ったと予想する。じゃないと、さすがにあの風呂上り楓&肩に手を回す勇磨は説明ができない。

最終回前の9話では、波恵が衝撃発言をするらしい。また、伯朗は元美と一緒に楓の正体を探るため、楓の実家の焼き鳥屋を訪れる。最初から行けばいいのに。

■危険なビーナス

1:「危険なビーナス」1話。ややこしい家系図を説明します、顔と名前だけでも覚えていってください
2:「危険なビーナス」2話。怪しい吉高由里子。「私の正体は誰でしょう?」と問いかけているみたい
3:「危険なビーナス」3話。ディーン・フジオカの前で妻夫木聡が乙女に?大っ嫌いなのに本音が出ちゃう
4:「危険なビーナス」4話でやっと本編がスタート。妻夫木聡の妄想は、予告詐欺ではないかもしれない
5:「危険なビーナス」5話。複雑な家系図が更にややこしく!まだまだ裏がありそうな使用人兼執事の君津は誰と繋がってるんだ
6:「危険なビーナス」6話でやっと主人公になった妻夫木聡、ディーン・フジオカの活躍にも期待
7:「危険なビーナス」ディーン・フジオカと池内万作のエンタメ力がありがたい!重要情報だらけの7話

企画、動画制作、ブサヘア、ライターなど活動はいろいろ。 趣味はいろいろあるけれど、子育てが一番面白い。
イラスト、イラストレビュー、ときどき粘土をつくる人。京都府出身。
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