「危険なビーナス」6話でやっと主人公になった妻夫木聡、ディーン・フジオカの活躍にも期待
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- 前回はこちら:「危険なビーナス」5話。複雑な家系図が更にややこしく!まだまだ裏がありそうな使用人兼執事の君津は誰と繋がってるんだ
やっと、やっと盛り上がってきたと言って良いんじゃないでしょうか。「危険なビーナス」第6話は、初めての上向きで11.2%。オリジナルストーリーメインで進行してきたが、ついに原作に回帰、6話という終盤にしてようやく物語が動いた。良いんだか悪いんだかはわからないけど、6話なのにここから観始めても大丈夫っぽい。
これまで矢神家の遺産相続問題を敬遠していた伯朗(妻夫木聡)。珍しいことにこのドラマ、主人公が事件の蚊帳の外にいたのだ。しかし、16年前に母・禎子(斉藤由貴)が殺されていた可能性を知ると、伯朗は初めて蚊帳の中に興味を示す。これにより、曖昧だった物語の着地点が「禎子の死の真相」と明確になった。
恐るべし妻夫木聡と「日曜劇場」
禎子が殺された可能性を知った伯朗は、死体の第一発見者である叔母・順子(坂井真紀)の元へ。詳しく話を聞くと、禎子が風呂場で溺死していたとき、家の全ての鍵がかけられ、密室状態で間違いがなかったという。
「でも、合鍵は作れた…矢神の人間なら」
これに伯朗は、矢神の人間の犯行ではないかと疑念を抱く。6話にして伯朗がミステリードラマの主人公らしくなった瞬間だ。というか、こういうことをせずにミステリーとして二桁視聴率をキープしてきたこと自体が異様とも言える。恐るべし、妻夫木聡と「日曜劇場」。
禎子の遺品の中に実家のアルバムがないと気づいた伯朗は、叔母・順子(坂井真紀)のアドバイスを受けて、楓(吉高由里子)と伯朗が育った実家の跡地を目指す。矢神家の遺産は放棄したが、母方の手嶋家の遺産である実家の土地は、伯朗も十分に相続する権利がある。
更地になった実家の写真と記憶を頼りに向かう。しかしそこには、取り壊されたはずの実家の姿が……。原作屈指の衝撃シーンなのだが、「更地になった写真」の伏線が甘かったのがちょっと残念。
とはいえ、ないはずの家があるというのはかなり不気味だ。慣れ親しんだはずの実家が、まるで殺人鬼が潜む廃れた洋館のような雰囲気を醸し出す。知らないものよりも、知っているはずのものが理解できない時が一番怖い。
伯朗の記憶は都合がいい?
「写真は合成だった」と結論づけ、2人は中へ。しばらく使われていないはずの実家は、なぜか電気が通り、それほど傷んでもいない。居間で見つけたアルバムには、幼き頃の伯朗と明人の写真があった。仲良く遊んでいたころのことを思い出した伯朗は、2人で隠した玩具箱の中から明人の手紙を見つける。
冷ややかと思われた兄弟関係が良好だったことをやっと思い出したり、伯朗の記憶はあやふやだ。物語の都合上、と言われればそうかもしれないが、これは地味にリアリティがあると言える。伯朗は矢神家で冷遇され、記憶に蓋をした。だから思い出そうとしても嫌なことばかりが出てきて、明人のことやポジティブなことが頭の底に沈んでしまっていたのだ。
だが今回、伯朗は自ら嫌な記憶である母の死と向き合い、自ら矢神家に立ち向かおうと奔走した。その結果、唯一の家族の繋がりである明人のことを思い出したのだ。そして「禎子の死の真相」に加え、半ば諦めていた「明人の救出」を決心する。
ほんと、良いんだか悪いんだかはわからないけど、今後の展開にワクワクする第1話みたいな話だった。つくづく、ここから観てもまだ理解できると思う。
妄想じゃない、明人がちゃんと登場。
伯朗の妄想や楓の回想でしか登場していなかった明人が、ラストでやっと登場。何者かに捕らわれていたものの、生きていることが発覚した。明人を捉えた犯人と禎子を殺した人物は、同じか強い繋がりがある可能性が高いため、伯朗たちの目標はこれに定まった。
思い出して欲しいのは数話前の伯朗の妄想シーン。だいぶコメディ演出がされていたが、明人は椅子に縛られていた。その妄想が今回の明人の伏線だったとしたら、妄想が全て今後起きる事件を示唆している、という演出の可能性も少なくない。伯朗は妄想内で、刺されたり楓や元美(中村アン)に言い寄られたりしている。妄想と現実の繋がりにも注目していきたい。
第7話は、禎子と佐代(麻生祐未)の関係に迫る。予告で勇磨(ディーン・フジオカ)が「このゲーム、俺の勝ちだ」と言っていたが、ディーン・フジオカが出るとこのドラマはだいたい面白くなるので、どんどん出てきて欲しい。
次回はこちら:「危険なビーナス」ディーン・フジオカと池内万作のエンタメ力がありがたい!重要情報だらけの7話
■危険なビーナス
1:「危険なビーナス」1話。ややこしい家系図を説明します、顔と名前だけでも覚えていってください
2:「危険なビーナス」2話。怪しい吉高由里子。「私の正体は誰でしょう?」と問いかけているみたい
3:「危険なビーナス」3話。ディーン・フジオカの前で妻夫木聡が乙女に?大っ嫌いなのに本音が出ちゃう
4:「危険なビーナス」4話でやっと本編がスタート。妻夫木聡の妄想は、予告詐欺ではないかもしれない
5:「危険なビーナス」5話。複雑な家系図が更にややこしく!まだまだ裏がありそうな使用人兼執事の君津は誰と繋がってるんだ
日曜劇場「危険なビーナス」(日曜21時~)
原作:東野圭吾 『危険なビーナス』(講談社文庫)
脚本:黒岩勉
音楽:菅野祐悟
プロデューサー:橋本芙美、髙丸雅隆、久松大地
演出:佐藤祐市、河野圭太
主題歌:back number 「エメラルド」
https://www.tbs.co.jp/kikenna_venus/
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