上野樹里「監察医 朝顔」5話「その銃を捨てなさい!銃を捨てろ!!」またも衝撃の風間俊介

上野樹里主演のドラマ「監察医 朝顔」。2019年に放送された続編的新作で月9史上初の2クール連続放送されます。法医学者・万木朝顔が解剖を通して、真実を明かしていくヒューマンドラマ。ハンカチに包まれた歯を娘のものだと思いたい祖父(柄本明)と妻を探したい父(時任三郎)。朝顔の気持ちも揺れるなか、夫の桑原(風間俊介)にまたしても衝撃の展開が……。

「俺が死ぬまで調べるのを待ってくれ」

「里子だ。俺はそう思ってる」

ハンカチに包まれた歯は祖父が見つけたものだった。調べたわけではなく、そう思い込もうとしている。
「ごめんな、朝顔。調べたくないんだ。もう、これでおしまいにしたい」
祖父(柄本明)が頭を下げる。
「俺が死ぬまで調べるの待ってくれないか。頼む」

朝顔は仕事で岩手県警のご遺体を解剖したばかり。
地元のベテラン刑事に言われたのは「70越えた人間の体切り刻むんか。菜々子がかわいそうだと思わんのか」という言葉。
死因はどう見ても病死だから娘さんのために解剖はしないで欲しいというのがベテラン刑事の主張だった。そのあと解剖によって死因は薬の過剰摂取だということが分かるのだが……。気持ちを優先することが良い場合もあるし、真実を明らかにすることが良い場合もある。

帰宅後、朝顔は平(時任三郎)と桑原(風間俊介)にじいちゃんの思いを伝える。
「分かった。俺が向こうに行ったらおじいちゃんと話す」
「お母さんかどうか調べるの?」
「調べない。おじいちゃんが嫌がることしない。約束する」
仙の浦へ行き母を探したいという平の意思は変わらないようだ。「俺が死ぬまで調べるのを待ってくれ」という祖父の気持ちと折り合いはつくのだろうか。

その夜。
朝顔は母の故郷で感じていたことを桑原に伝える。
「もし私がお母さんみたいになってたら探して欲しいって思うのかなぁって。ちょっと寂しいかもしんないけど、みんなやりたいことやって、楽しく笑って過ごしてて欲しいかなぁって。私だったら」
「でも俺はお父さんの気持ち、分かる気がするよ。もし朝顔がいなくなったら俺どんなことをしても探すと思う。探して、見つかるまで探したいし、もし見つからなくても」
朝顔は亡くなったお母さんの気持ちに、桑原はお義父さんの気持ちに寄り添う。もし自分がその立場だったら、確かにそう思うだろう。

ラスト、衝撃の展開

雨の降りしきる中、「田村さん、どこですか」と田村聖奈(中村里帆)を探す桑原。ケータイに「聖奈」と登録されていた女性。聖奈は浮気相手ではなく事件関係者だったのだ。
ずぶ濡れの田村聖奈が現れ、とっさに桑原が銃口を向ける。
「その銃を捨てなさい!銃を捨てろ!!」
桑原が叫びながら発砲、聖奈はその場に倒れこんだ。

■監察医 朝顔

1:上野樹里「監察医 朝顔」1話。2019年の傑作の続編。どうか普通の幸せが続いてくれ、どうか

2:上野樹里「監察医 朝顔」2話。大じいじ(柄本明)が持っていた歯は?家族に言えない秘密が

3:上野樹里「監察医 朝顔」3話「じぃちゃん朝顔に黙っていたことがある」事実を受容するということ

4:上野樹里「監察医 朝顔」4話。桑原くん、浮気なんかしてないですよね?

フリーイラストレーター。ドラマ・バラエティなどテレビ番組のイラストレビューの他、和文化に関する記事制作・編集も行う。趣味はお笑いライブに行くこと(年間100本ほど)。金沢市出身、東京在住。
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