「35歳の少女」8話。「じゃあ、一緒に死のう」鈴木保奈美が柴咲コウと無理心中を図る、唐突!
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- 前回はこちら:柴咲コウ「35歳の少女」7話。大人になった望美の「もう誰の幸せも祈らない」宣言
事故で昏睡状態となった少女が25年振りに目覚めたという設定は尖っていたものの、その後はぬるめの展開が続き、遊川和彦も丸くなったなぁ~……なんて思っていた。
……が! やって来ました本領発揮のベラボウな展開。
精神年齢10歳から急成長を遂げ、とうとう実年齢と同じ35歳に達した望美。さらに突き抜けて、年齢とかもう関係のない、ちょっとアレな人になってしまった。
望美が邪悪な近藤麻理恵になった
望美とは違い、25年間両親を見続けてきたのに良好な関係を築けていない愛美(橋本愛)、再婚前の家族を引きずって今の家族を大切にできていない父・進次(田中哲司)、素直に進次や愛美へ助けを求めることができず、孤独になってしまった母・多恵(鈴木保奈美)。そして理想を捨て、妥協で就職を決めた広瀬結人(坂口健太郎)。
自分が25年分も失ってしまった時間を無駄にしている人たちに幻滅した望美は、
「少しでいいからさ、みんながムダにしてきた時間、私にちょうだい!」
ということで実家を飛び出していた。
あの言葉、何かの比喩的なことだと思っていたら、本当に時間を売買する商売をスタート。YouTuberというかライブコマースというか、とにかくネット動画に顔を丸出しにしてあやしげなビジネスを展開する。
「みなさんの時間を私に売ってください」
「ヒマを持て余している人から時間を買って、やることがいっぱいあって時間が足りない人のために使ってもらうの」
……うん、何言ってるの? ちょっと、おかしくなっちゃったのかな!?
精神年齢が上昇しすぎて、我々には理解不能な領域に突入してしまったのかと思いきや、要はヒマを持て余している人が、時間が足りない人の代わりに掃除や洗濯や買い物。メールの返信や近所づきあい、子育て、親の介護をやるということらしい。
「そうしたらその間自分は好きなことに専念できるでしょ?」
それ、ただの家政婦やヘルパーさんじゃないの? 何でも屋の仲介業みたいなものなのか!?
邪悪な近藤麻理恵。もしくは行きすぎた意識高い系になってしまった望美は、家族・友人・恋人などムダな人間関係は捨てるべきだと語る。
「私たちに必要なのは情報と金、そして自分だけです」
「じゃあ、一緒に死のう」唐突!
明らかにヤベエ人になってしまった望美を心配して、進次、愛美、結人が部屋を訪れるが、ことごとく論破されて退散。
確かにアレな人になってしまったとは思うけど、この時間売買ビジネスがヒットして動画の再生数も爆上がり、広告収入と仲介手数料で、一流ハウスメーカーで働いていた進次の年収くらいの金額を1ヶ月で稼ぎ出しているという。
精神年齢10歳で目覚めて、これからどうやって生きていくのか……という状態に比べればメチャクチャいいと思うけど。
説得のラスボスとして、母・多恵が望美の元を訪れる。
「人を不幸にするのは誰でもできる。でも沢山の人を幸せにできる人間は少ししかいない。アナタはそのひとりなのに、こんなことしても何の意味もないことくらい自分が一番よく分かってるんでしょ?」
「ママなんかより動画を見た沢山の人の方が私のことを理解してくれるの! 25年眠ってて学歴も資格もない、結婚もできない35歳の女の話に共感してくれるの」
YouTuber化後の望美のキャラは、ネット依存している人たちを皮肉っているのかなと思うが、その望美自身はSNSでリア充偽装する人たちを否定していて、非難の矛先をどこに向けているのかよく分からない。高齢者がスマホを手にしたことで急にネット情報に触れ、「ネットde真実」に陥ってしまう姿ともかぶる。様々な経験を積まないまま精神年齢だけ大人になってしまった望美にとって、ネットは刺激が強すぎたのか……。
一方、多恵の「望美は沢山の人を幸せにできる」発言も疑問だ。
確かにたびたび「みんなを幸せにした~い」とは言っていたが、空回るばかりで具体的に誰かを幸せにした例はないと思うのだが。
「私はもう誰も愛さない、そうすれば誰も失わずに済むし」
「じゃあ、一緒に死のう」
唐突!
多恵としては、望美が目覚めればすべて上手くいって幸せになれると信じていたのに、家族はバラバラのままだし、望美もおかしなことになってしまった。だったらもう死んじゃった方がマシだということなのか?
「アナタをこんな人間にするために25年がんばってきたわけじゃない!」
また昏睡状態パターンか
窓から突き落とそうとする多恵、抵抗する望美。もみ合っているうちに巴投げ状態で逆に多恵を突き落としちゃった。
これまでの遊川ドラマのパターンだと十分あり得るなと思っていたのだが、さすがにそこまでヒドイ展開ではなく、病気なのか発作なのか、多恵が倒れてしまった。
ということで今度は多恵が昏睡状態に。遊川さん本当に好きね、誰かが眠っちゃう展開。
今後は、多恵を目覚めさせるために家族がひとつになる……的なことになるのか、さらに身も蓋もない展開を見せるのか?
「みんなを幸せにしたい」も「アナウンサーになりたい」も放り出して、どこに向かっているのか迷子状態になっている本作。キレイに風呂敷をたたむことができるかな?
■35歳の少女
1:「35歳の少女」1話。ギャン泣き「うわぁ~ん」“頭の中10歳”な柴咲コウの演技にネットざわざわ
2:『35歳の少女』2話。見た目は大人、頭脳は子ども。柴咲コウは、逆「名探偵コナン」
3:柴咲コウ「35歳の少女」3話。鈴木保奈美演じる過干渉母親が「過保護のカホコ」とリンクする
4:「35歳の少女」4話。セーラー服を着た中学生・柴咲コウが反抗期に
5:「35歳の少女」5話。坂口健太郎が女子高生・柴咲コウと同棲開始
6:柴咲コウ「35歳の少女」6話「みんなを幸せにする!」と言いながら家族をブチ壊す望美
7:柴咲コウ「35歳の少女」7話。大人になった望美の「もう誰の幸せも祈らない」宣言
『35歳の少女』
日本テレビ 毎週土曜午後10時
主演:柴咲コウ
脚本:遊川和彦
演出:猪股 隆一、明石広人、伊藤彰記(AX-ON)
出演:柴咲コウ、坂口健太郎、田中哲司、竜星涼他
https://www.ntv.co.jp/shojo35/
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