本という贅沢『「風の時代」に自分を最適化する方法』(講談社/yuji)

さとゆみ#124 12月22日までに読んでおきたい。『「風の時代」に自分を最適化する方法』

毎週水曜日にお送りする、コラム「本という贅沢」。新型コロナウイルス感染症の「第3波」が到来。価値観の転換期を生きる私たちは、もう以前には戻れないことに気づき始めています。そんな今だからこそ、読みたい1冊を書籍ライターの佐藤友美(さとゆみ)さんが紹介します。

●本という贅沢124 『「風の時代」に自分を最適化する方法』(講談社/yuji)

『「風の時代」に自分を最適化する方法』(講談社/yuji)

風の時代に変わるという。
12月22日が、その切り替わりの日だという。

これって、スピ好きにとっては「もう、お腹いっぱい」な話かもしれないし、まったく興味ない人たちにとっては「風の時代、なんじゃそりゃ?」って話かもしれないんだけれど、
わたし自身は、最近なんでもかんでも「ああ、風の時代がくるからなー」って思うようになっちゃって、なんだか、自堕落です。

「うーん、なんか仕事する気が起きないなあ」
→「まあ、風の時代くるしね」
「この間まで好きだった人が、どうでも良くなった」
→「ああ、風の時代っぽいね」
「最近、嫌なことができなくなってきて」
→「そりゃ、風の時代だしさ」
「食っちゃ寝ばかりして太ったよ」
→「うん、風の時代っぽい」

ってな感じ。

いや、なんか、用法用量間違ってるだろうという気は、私もしている。こういうことを書くと、真面目な人たちに怒られるかもしれない。

ただ、茶化す気は全然なく、体も心も全体的に、いままでとは全然違うシーンに突入することは、私自身もよくわかっていて。
スピリチュアルに疎い私であっても、ああ、時代が変わるんだな。もういろんなことが、後戻りしないんだな、ということは、肌感覚でわかる。
いままでは平気だったことを、体が完全に嫌がっている。気持ちが全然乗らなくなってる。そういうのが、わかる。

スピリチュアルやアート方面の人たちだけじゃない。
ビジネスパーソン、とくに経営者の人たちにはむしろ、この「風の時代」到来に関しては、完全に浸透している感もあって、「そうか。古来、星読みって為政者のためのものだったんだよな」と妙に納得していたりします。

だけど、じゃあそもそも、「風の時代って何なのよ?」と言われると、知識不足もあって、もごもごってなってしまう。

この間、友人に聞かれたときは、
「えーっと、220年ぶりに、資本主義経済重視の『土の時代』が終わって、ふわっふわの『風の時代』がくるんだよ。個人の時代になるし、好きって気持ちが大事になる時代だよ。目に見えないものが大事なんだよ」
って説明したら
「星の王子さまかよ。全然わからん。もっとロジカルに」
って怒られたよ。ふえーん。

でも、探してみると、意外とこの件に関して体系だってまとまっている文章ってなくて、ウェブには細切れに落ちているんだけど、書籍となるとなあって思っていたら……出た! 数日前に出た! この「風の時代」がなんたるか。この時代にどう生きると生きやすいかについて、まとまって書かれた本!

しかも、星読み界のサラブレッド、yujiさんの本だというではないですか。

というわけで、発売後即入手・即拝読・即紹介いたします。
『「風の時代」に自分を最適化する方法』です。

ちなみにこの本、ちなみにこの本、発売前から話題沸騰で、書店さんでは、数日ですでに入手困難になっているところもあるという噂。私は、Kindleで手に入れました。

で、肝心の中身ですが。

全然ふわっとした本じゃなかった。

「風の時代」に、実業において、実生活において、具体的に何をすべきか。
何を捨て、何を残したほうが良いか。
風に乗れる人はどんな人か。
これから終わっていくコンテンツは何か。
企業や個人が意識すべきことは何か。
哲学的でありながら、きわめて現実的な一冊だったよ。

それで思ったんだけれど、この本、「風の時代」の到来を信じるor信じないにかかわらず、どんな職業の人でも、一度ざーっと目を通しておいたほうがいいんじゃないかなって思った。

というのも、私たちの周りには、この本に書かれているような「風の時代に最適化する方法」を行動指針として、2020年12月22日以降を生きることに決めている人が、想像以上に多いはずだから。
うーん。「決める」というほどではなくても、空気にアジャストしていく人たちは、相当数いると感じるから。

たとえば、印象的な文でいうと、
Less is Moreな時代の到来。
所有しない、所属しない、後を濁さない、ヒエラルキーを作らない。
そんな時代の到来。
「ビジネス」や「労働」という概念すら、変わっていくという。

これって、多くの人が、いま、肌感覚で感じていることだと思う。
なにせ、コロナが決定打だった。
私たちが2020年のはじまりに感じていたことと、2020年の終わりに感じていることは、まったく違う。

その「違い」を、整理整頓するときに、この本は、とても便利でわかりやすい一冊だと思ったよ。

もうすぐやってくる、風の時代。
いろいろ捨てて、準備を終えて、整えて。
そのときがきたら、みんな、楽しく、幸せに、ふわっと飛ぼう! 

それではまた、来週の水曜日に。

●佐藤友美さんの新刊『女は、髪と、生きていく』が発売中です!

佐藤友美さんのコラム「本という贅沢」のバックナンバーはこちらです。

・病むことと病まないことの差。ほんの1ミリくらいだったりする(村上春樹/講談社/『ノルウェイの森』)・デブには幸せデブと不幸デブがある。不幸なデブはここに全員集合整列敬礼!(テキーラ村上/KADOKAWA/『痩せない豚は幻想を捨てろ』)
・人と比べないから楽になれる。自己肯定感クライシスに「髪型」でひとつの解を(佐藤友美/幻冬舎/『女は、髪と、生きていく』)

年間10冊以上を担当する書籍のライターとして活動。ビジネス書から実用書まで幅広いジャンルを担当する。自著に『女の運命は髪で変わる』『道を継ぐ』など。