有村架純×林遣都「姉ちゃんの恋人」2話。家族だからこその気持ちと反対の会話

有村架純主演のドラマ「姉ちゃんの恋人」。有村演じる安達桃子は、高校3年生の時に事故で両親を亡くし、3人の弟たちを養っている一家の大黒柱。桃子は職場のホームセンターで“吉岡さん”と出会い、日常が大きく変わっていきます。ともにつらい過去を背負いながらも今を前向きに生きる二人が出会い、はじまりかけた恋。2話では二人の距離がぐっと近づく、と思いきや、過去が立ちはだかります。

叶わない桃子の夢

リーダーとなったクリスマスプロジェクトの予算が無事通り、真人(林遣都)への恋心もあいまって機嫌よく過ごす桃子(有村架純)。料理中に鼻歌を歌い、簡素なグループトークの返信ひとつにも喜ぶ桃子を弟たちは心配する。一方の真人もプロジェクトに前向きな様子を隠しきれず、気になっている人がいることになんとなく勘付いた母が見守っている。そんな中、桃子が仕事でミスをしてしまう。約束に間に合わなかった荷物を急いで客席へ届けるため、桃子は真人の運転する車に乗る。

2話では、真人の過去が少しずつ明らかになる。真人はクリスマスにトラウマを持っているらしいこと。桃子の親戚、川上(光石研)は保護司としての立場から真人を見守っていると思われること。桃子の両親が事故で亡くなっていたことは1話から語られていたが、それをきっかけに桃子が車に乗ることが苦手になってしまったこともわかった。二人はお互いを憎からず思っているけれど、「赤い小さな車に乗って恋人とドライブに行く」という桃子のささやかな夢は、今のところ叶いそうにない。

桃子と弟、家族ならではの会話

桃子の弟たちは桃子のことをよく見ている。気を張って川上から弟へ渡された500円に対するお礼の手紙に「お金には不自由させていません」と書いた桃子の頑張りも理解している。ミスによるトラブルで食事会に遅れた桃子が「待ってて」ではなく「先に食べてて」と言ったことでかなり落ち込んでいることに気づいたりもする。だからこそ、和輝(髙橋海人)は、「誰かが姉ちゃんを傷つけたりとかしたら、俺は許さないです、絶対に」とまっすぐ言うし、優輝(日向亘)も朝輝(南出凌嘉)もそれにうなずく。

桃子は「先に食べてて」と伝えつつも、無事帰宅した後にあえて弟たちに「待っててくれたんでしょー?」と言い、そして本当に待っていてくれたことを知ると驚いて、ちょっと甘えたような、嬉しさと申し訳なさの入り混じった声で「ありがとー」と漏らす。そして鍋に火をつけた瞬間に「もういーい? 食べられるー?」と無邪気に言ってみせる。この一連の丁寧さ。互いが互いを思っていることを、常にストレートに伝えるわけではなくて、あえてわがままを言ったり、思いと反対の言葉を口に出したりする。家族という関係性においてはこんなコミュニケーションが成立する。日常にあふれているやりとりだけれど、きっとその大半は無意識だ。ドラマでこんなふうに“本当の”会話が描かれているのは、かなり貴重なことのように思える。

桃子を彩る赤い車とトマト鍋

2話の終盤、桃子と真人はそれぞれに赤い車を見かけ、空想の中でドライブデートに出かける。料理中に「ガラスのジェネレーション」を鼻歌で歌っていた桃子は、空想ドライブの中でもJ-POP縛りの歌しりとりを繰り広げ、AKB48の「会いたかった」を歌う。真人はそれを受けてモーニング娘。の「LOVEマシーン」を。空想の中では、屈託なくまっすぐな恋や明るい未来の歌が歌われている。

2話では、桃子の上司である日南子(小池栄子)と真人の先輩悟志(藤木直人)との出会いもあった(コミカルなシーンを成立させる二人の手練れぶり!)。また、和輝と桃子の親友・みゆき(奈緒)の間には玄関先で一瞬、いい感じの空気が流れていた。さらに1話に遡れば、真人の母・貴子(和久井映見)を職場である弁当屋の藤吉(やついいちろう)が思っているらしいことも描かれていた。この先、複数の恋が動いていきそうだ。

赤い車にトマト鍋、桃子にとって幸せは赤い色に象徴されているのかもしれない。作業服も私服も青を着ている真人との恋は、うまく実るだろうか。

次回はこちら:有村架純×林遣都「姉ちゃんの恋人」3話。誰かに気にかけられる、その瞬間があることが幸せ

■「姉ちゃんの恋人」

1:有村架純×林遣都「姉ちゃんの恋人」1話。コロナ禍の今と似ている!2020年の私たちのささやかな幸せ

ライター。名古屋出身。演劇、お笑いなどを中心にインタビューやレビューを執筆。
漫画家・イラストレーター。著書に『ものするひと』『いのまま 』など。趣味は自炊。
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