花屋さん、今日はどのお花がおすすめですか【クリスマス編】

ツリーなしでもクリスマス気分。お部屋のハッピー感が爆増する空き瓶活け花術

クリスマスはどんな過ごし方を考えていますか。恋人と過ごす時間にワクワクしているあなたにも、ひとりで寂しい!というあなたにも、私のイチ押しは「お花」。クリスマスは“お部屋にお花のあるちょっと幸せな生活”を始める絶好のチャンスです。 家が狭いためにクリスマスツリーやリースを飾るスペースがない!と、あきらめていたあなたもご安心ください。小さくてもクリスマス感が味わえて、そのうえ空き瓶を使うからお手軽お気軽という活け花のアイデアを、フラワーアーティストのCHAJIN(チャジン)さんに教えていただきました!!

クリスマスと相性抜群のお花・スキミア

主役は「スキミア(シキミア)」という枝もの。赤い小さな小さなツブツブがたくさん付いていて、葉っぱは照りのあるダークグリーン。もうこれ1本あるだけで赤と緑のザ・クリスマスカラー!かわいい!

スキミア。花屋さんによってはシキミアと呼ぶところも。小さな赤いツブツブはツボミ。(CHAJINさん提供)

スキミアについて、CHAJINさんはこう解説します。

「スキミアはクリスマスシーズンに結構出回っていて、今回活けたのは赤ですがライムグリーンみたいな色もあります。切り花はだいたいその2色で、鉢物になるともうちょっと違った品種というか、少し葉っぱが白っぽかったりニュアンスがあるものも。ツブツブの小さな赤い部分はツボミで、白い花が咲きます。年末に出回る切り花を咲かせることは難しいですが、春先になると咲いたものも出回るはずですよ」

しかも!柑橘類の仲間らしく、葉っぱをちぎるとちょっと柑橘系の香りがほのかにするとのこと。そんなところも愛らしいスキミアです。

このスキミアを、ジャムの空き瓶にポンと活ける。そこにCHAJINさんはバーゼリアという丸い黄色い植物と、アンバーバームという木の実を合わせてコーディネートしています。アンバーバームは「最近は気の効いたお店だと、いくつかの種類をアソート状にして一袋にした売り方も見ます」とのこと。道端で拾った松ぼっくりを、コロンと瓶の横に転がしておくだけでも絵になりそうです。

ジャムの空き瓶にスキミアを主役に、バーゼリアや好きな花を合わせて活けた。小さくてもクリスマスカラーで気分が上がる!(CHAJINさん提供)

ツリーのような自在アレンジで長期間楽しめる

「要は、ツリーをデコレーションするように気分で実などの飾りを足したり引いたりして。スキミアは少し長もちする枝ものなので、アドベントリースやカレンダーのようにクリスマスまでの期間、飾りを変えながら楽しむというのもいいですよ」(CHAJINさん)

うう〜ん、アレンジしながら長期間楽しめるとは、お得感も満載です!今回CHAJINさんが使ったジャムの空き瓶は、小さめのコップくらいのサイズ感。場所を取らないので少しのスペースがあれば飾ることができて、狭小物件に住む身としてはうれしすぎます。空き瓶はジャムのものでなくてもいいですし、グラスやマグカップなど身近なアイテムでもOK。

空き瓶いろいろ。左から海外の調味料、蜂蜜、化粧水の瓶。よくよく見るとかわいい形の瓶が身の回りにはあふれている。要チェックです!(筆者撮影)

「少し日にちが経ったら麻ひもなんかで足元をくくって、スワッグみたいに飾ってドライにすれば、より長く楽しめる。そうやって雑貨的に楽しむのもいいかもしれません」ということなので、もしかしたらここに水引なんかを加えてお正月にはリメイクしてもいいかも?この冬はぜひ、空き瓶にスキミアを活けて、お部屋でささやかなクリスマスを楽しんでみてください!!

●今回お訪ねしたフラワーアーティストさん
CHAJIN(福田たかゆき)さん
フラワーアーティスト。暮らしまわりの雑貨と季節の花を合わせ、個性的でありながらもカジュアルな花あしらい、存在感あるリースの作品が得意技。雑誌や広告の花生け、展示会の花生けの他、鎌倉のアトリエや都内各所で開催中の花教室も人気。著書に『きょうの花活け』(誠文堂新光社刊)など。紅茶好きでプロレス好きで愛猫家。鎌倉在住。Instagramのアカウントは @chajin_eye

編集者。台湾に心奪われ隙あらば旅に、あげく勤めていた出版社を辞めて台北に語学留学。台湾や植物関連の書籍制作に携わる。ラブ台湾、ラブ植物!