Ruru Ruriko ピンク 61

「日本では30歳は年取ったと感じる」31歳パトリシアが考える“30歳のイメージ”とは

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。今回は、アメリカ・カリフォルニア州出身31歳のパトリシアさんへのインタビュー。30歳という大きな節目にはどんな意味がある?

●Ruru Ruriko ピンク 61

日本に住むカリフォルニア出身のパトリシア とは共通の友人を通して出会い、すぐに仲良くなった。私より5つ年上の彼女は大人って楽しそう!と思わせてくれるお姉さん的存在の友達の1人。そんな彼女が31歳になった今思う“年齢”とは?

30歳は大きな節目だけれど、30代はいい感じ

30歳の誕生日は、スペイン・バルセロナへの一人旅の最中に迎えた。誕生日の直前、なぜか分からないけど不安で落ち着かない気分だった。でも、友達から「30歳って“大きな節目”だとされているからそう感じるんじゃない?」と言われて、確かにそうなのかもと思ったのを覚えている。

今は31歳になって、すごくいい感じ。よく30代の方が20代の時よりいろんなことを気にしたり、心配にならなくなるって言うけれど、それは本当だと思う。でも私自身はいまだに、恋愛ではそんなこと?みたいなことで悩んだりもしちゃってるけど(笑)。

「13 going on 30(邦題:13 ラブ 30 サーティン・ラブ・サーティ)」 (2004年) という子どもの頃好きだった映画は、13歳の女の子が早く大人の女性になりたいと願ったら、目が覚めると30歳になっていたというストーリー。30歳の主人公は、ファッション誌の編集者。パーティーに行ったり、素敵な彼氏もいて、すべて揃っているけれど、中身は13歳のままというコメディで、それを見て子どもの頃の私は、30歳ってかっこいい年齢なんだって思ってた。

私が育った環境では、「30歳=年を取ってる」ではなかったし、誰もそんなことを言ってるのは聞いたことない。でも、今日本に7年近く住んで、日本で「31歳です」っていうと、年取ったって感じがする。30歳以上なら、結婚してて子どもがいるのが普通なんじゃないかと思わされているようにも感じる。私は幼稚園の先生で、園児のお母さんの中には私より若い人もいるからそう感じることがあるかな。

「30歳=これが普通」というイメージは必要ない

日本のように、アメリカにも30歳に対するイメージはある。私が子どもの頃は、25歳になったら大学を出てて、いい仕事があって、家を買って、30歳には結婚して子どもがいるってイメージをしてたし。でも多くの人がそうだと思うけど、実際に25歳になると25歳なんてまだまだ子どもだって気づくの(笑)。
今のアメリカ女性たちはそういう「この年齢=これが普通」というイメージは必要ないと声をあげてるし、実際に気にしていない人が増えてきている。私なんて、もう25歳から6年経って31歳になったけど、まだまだ子どもだって感じてる(笑)。

私には年の離れた従姉がいて、彼女は40代後半だけど、私の中ではずっと30歳のイメージのままなんだ。彼女はいつもオシャレでかわいい服を着てて、ファンキーな髪型で素敵な人。彼女が子どもの頃から私の中では30歳の女性のイメージだったし、ほかの年上の親戚の女性たちもそうだったから、彼女たちのおかけで30歳はポジティブなイメージだった。

でもアメリカ男性でも、30歳以上の女性に対するネガティヴなイメージを持っている人はいて、24歳の時にデートした30代前半の男性からは「30歳以上の女は恋愛に必死だから俺は30歳以下の女の子としかデートしないんだ」って言われたことがある。当時は「へぇ~」くらいしか思わなかったけど、今思い出すと本当に失礼!

31歳独身。今の自分自身を気に入っている

恋愛に関していえば、日本では外国人だから言葉の問題もあるし、相手を見つけるのが難しいと思うことはある。でも今は30代で海外(日本)に住んでいる自分自身を気に入っているから、31歳独身でも今の人生を選択してよかったと思ってる。アメリカに帰りたいと思えばいつだって帰れるし。

私は計画性のある性格じゃないし、5年後、10年後どうなっているかは計画もしないし、心配もしていない。計画したって人生は思い通りにはならないし、計画通りにいかないとストレスが溜まっちゃうでしょ。私の妹はきちんと将来を計画して行動するタイプ。妹のそんな面を尊敬してるし、もう少し私も計画性があれば、とも思うけど、みんなそれぞれ進み方がある。だから私は流れに身を任せてる。実際に日本には1年住む予定で来たのに、もう7年経ってるし、明日なにをしてるかもわからないしね(笑)。


18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。
“29歳問題”