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婚活男性の本音を聞いて29歳と名乗るのを辞めたくなった

先日公開された記事「『29歳と30歳、天と地ほど違う』結婚相談所の婚活アドバイザーに聞く29歳問題」は、婚活市場にいる男性が「若い女性を好む理由」を書いたもの。30歳の“壁”を前にtelling,で婚活について綴ってきた神山園子さんは、この記事を読んで「婚活の場で29歳と言うことをやめたくなった」と言います。その理由とは?

「あと1年だね」の意味がわかった

29歳になって1か月半ほど経ちますが、年齢と婚活中であることを伝えるたびに「あと1年だね」「今年が勝負だね」と言われます。なにが「あと1年」なのか、とモヤモヤしていましたが、先日公開された記事「『29歳と30歳、天と地ほど違う』結婚相談所の婚活アドバイザーに聞く29歳問題」を読みその答えがわかりました。
「(若さで選んでもらえるのは)あと1年」という意味だったのですね。

先の記事では東京の結婚相談所に登録している男性の傾向が綴られていました。私には、「婚活市場において女性は29歳まではギリギリ価値があるけど、30歳からはグンと選択肢が減る」と書かれているように見えました。
まさに今年29歳になったばかりの私ですが、こういう考えはなにも結婚相談所に登録している人だけの偏った思想ではないと感じています。冒頭にも触れたように、29歳というとなにかと物申されがちで「なんでみんなそんなに20代にこだわっているの!?」と思ってしまいます。
私も少し前まではその呪詛に取りつかれ、焦っては空回りしていました。でも、仕事を頑張ったことで金銭的にも精神的にも自立ができ、若さへの執着は薄れました。むしろ若さに目を向けられるより、そうした努力や生き方を評価されたい気持ちが強くなり「30歳になったほうが女性を人として見てくれる男性と出会えるんじゃないか」とすら思います。

「子どもが欲しいから20代」への疑問

記事の中では「子どもが2人欲しいから」20代の女性を希望する男性がいるという話がありました。『女性が29歳のときに結婚、1年間は夫婦2人で過ごして、30歳から妊活、31歳か32歳で1人目の子どもが産まれて、2人目が34歳で誕生します。』と書かれていますが、この通りにいく保証などどこにもありません。
「それはわかっているけど若い方が確率が…」と言われるかもしれませんが、妊娠しやすいかどうかはその人の体調や環境によって様々。私自身26歳の時に「妊娠がししづらい」と診断されたことがあり、子どもを授かれるかどうかは単純に年齢で決められない問題です。
女性の身体のしくみを理解している男性がそう多いとは思いません。「なんとなく若い方がよさそう」という思い込みに過ぎないのではないでしょうか。個を見ずに年齢だけ見ているように感じます。

仮に男性が「健康体で若く可愛らしくて、2人以上子どもを産んでくれる女性」を求めているとしたら、その女性にとっては相手側が理由での不妊の心配がなく、かつ長く働ける若い男性の方がメリットがあると思いますが……と反論してみたくなります。

トロフィーワイフ(ハズバンド)思考もうやめませんか?

もう一点、若い女性を求める理由に「社会経験が浅く、素直で従順だ」というのがありました。「ミス○○」や「CA」といった華やかな容姿を求める一方で、自分よりはちょっとおバカであってほしいというのは歪んだ欲求だと思います。
経済力を持った男性が成功の証として美しい妻を手に入れる。トロフィーワイフという言葉があるように、石油王レベルの方々はどうぞお好きにやって下さいと思いますが、結婚相談所に来て「自分でも手の届きそうな無難なトロフィー探し」をしているつもりならやめてもらいたい。まともな女性はそんな人たちの選考からは外れたいはずです。

年々「従順」という言葉からは遠ざかっている私ですが、変にマウントを取ってくる男性は寄ってこなくなったのでこれで良かったのだと思いました。私だって生きているし自分の意見だってある。経済力を盾に言うことを聞かせようとする男性にはNOを突き付けます。その代わり自立して生きる。そうでないと対等な恋愛なんてできないと思います。女性はトロフィーでないし、男性は依存先ではないということです。

変えるべきは男性の思考だけではない

最近ある20歳の女性が「自分では稼げないので男性に依存して生きていきたい」と言っていたので面くらってしまいました。今は良いけれど、10年、20年後も同じことを言っていたらみじめだよ……と言いたい気持ちをぐっとこらえました。
若い女性を選り好みする男性に怒るのは簡単ですが、女性の中にも「若さ=価値」と捉えている人が多数いるのもまた事実です。そういった発言を聞くたびに悲しい気持ちになります。

男性は経済力、女性は若さという“魅力”でマッチングした場合、対等に見えてもいずれ若さを失い不利になるのは女性です。若さだけを武器にすることは、年齢を重ねた自分を否定することにもつながります。これから磨かれていくであろう人間性を全く評価してくれないなんて悲しすぎませんか?

本人たちが良ければいいとわかっているけれど、できればこれからの時代、女性も自立して相手を選ぶ側であってほしい。
私も「男を選べるのは28歳まで」なんていう言葉に不安を覚え結婚に焦ったこともありましたが、いまは年齢なんて気にせず自分を見てくれる人と幸せになりたいと思います。

1991年生まれ。芸能・出版などマスコミ業界で働く会社員。リアルなミレニアル世代として、女性特有のモヤモヤや働き方などを主なテーマに記事を執筆中。
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